【Page5】誰もが認める「美しきカワサキZ」の原点

掲載日:2009年11月03日 特集記事「今・時・Z」    

記事提供/2008年11月27日発行 絶版バイクス Vol.2,
取材協力/ビトーR&D(カスタム車)Phone 0796-27-0429、
ウエマツ(ノーマル車)Phone 042-696-6667

KAWASAKI900/Z1 1973

by UEMATSU

1960年代、大排気量クラスに2ストローク車しか持たなかったカワサキが、存亡をかけて生み出したZ1。これがカスタマイズの題材として十分な素質を持つことは、日本をはじめ世界中で実証されてきたが、一方、スタンダードのZ1に触れることで、世界一を目指した当時の技術者たちの情熱を、今でも感じることができる。

 

誰もが認める「美しきカワサキZ」の原点

ノーマルでもライダーを
飽きさせない魅惑の名機。

2ストロークのマッハシリーズや、吸収合併した目黒製作所の500スタミナから発展したW1を有するカワサキが、1970年代の世界市場をターゲットに開発したのがZ1であることは、多くの絶版車好きならよく知るところだろう。そして1968年に発表されたホンダCB750Fourによって、当初750ccだった排気量が900ccへとアップされ、国内販売が叶わなくなったというのも有名なエピソードだ。

 

その結果、日本国内のライダーはZ1ではなく、1973年に登場するZ2を待たなくてはならなかったのだが、それでもZ1を出したのは、世界最高のバイクを開発するという強い信念があったからに他ならない。

 

そして、今もなおZ1が絶版車好きの心を捉えて離さないのは、ユーザーに世界一のバイクを提供するという、明確で強大なコンセプトがオーラのように漂っているからではないだろうか。

 

1972年当時、発表されたばかりのZ1を早速テストに用いたバイク雑誌の多くが、テストコースのわずかな直線路でも200km/hに達する最高速度とその際の安定性、またそれまでのライバルにはない素直な操縦性に関してレポートしたが、同時に精度や品質面にも大きく注目している。これは1973年のZ2に関するものだが、当時の人気企画である750ccライバル対決モノの中で、CB750よりもZ2の方がはるかにエンジン音が静かだ、という表記がある。現在の感覚からすると、CBの方がジェントルでZは荒々しいのでは? と思ってしまうが、うるさく感じるZはカスタマイズやメンテナンス不足によってノイズが大きいだけで、ノーマル状態のZは絶対的なパワーの裏に静粛性をも兼ね備えているのだ。

 

750でも他のライバルを凌駕する性能を備えたZだから、当時Z1が圧倒的な存在であったことは容易に察しがつく。先のページではカスタマイズの楽しさに触れたが、1970年代の世界最高とはどんなものだったのか? スタンダードのZにも興味がわいてくるはずだ。

[remember zeppan bikes] KAWASAKI 900/Zl&750/Z2
取材協力/ウ工マツ Phone O42‐696‐6667

 

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