掲載日:2020年05月08日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
レトロバイクグラフティでは誰もが知っている人気のバイクから「えーっ?! こんなバイクがあったの、知らなかった~」と驚くレアなバイクまで、幅広く探して描いている。インターネットの検索で見つけることが多いが、古くてあまり知られていない、変わり種のバイクを見つけるときには1987年に買った“国産モーターサイクル戦後史”というムック本を使っている。八重洲出版創立30周年記念企画で発行されたモーターサイクリストの増刊号で、1945年~1987年に国内販売されたバイクのほとんどが、モノクロ写真付きで掲載されている。
さて、今回僕のアンテナに引っかかったのがスズキのスーパーフリー。名前を聞くとスポーツバイク? と思うが、アンダーボンフレームのバリバリの商用車だ。この時代の原付バイクは配送や出前などモノを効率よく運ぶための乗り物、ホンダのスーパーカブやヤマハのメイトのような実用的なスタイルが人気だった。
スズキといえばバーディーが有名だが、その前モデルとなるのがこのスーパーフリー。僕がオシャレだと感じたのが、レッグシールドの上部に配置されたウインカー。これがイタ車っぽくてカッコイイ。それにここを見ただけで、スーパーフリーと認識することができる。細かなところだが正円ではないヘッドライトの形状にもオリジナルティを感じる。ところが、バトンタッチされたバーディーでは両方とも廃止、個性がなくなってしまった。「あのままの方がよかったのになぁ~」時代と共に変わって行くスタイルに一喜一憂。それもまた楽しいものだ。