レトロバイク・グラフティ第25回 HONDA MBX50(ホンダ MBX50)1982年

掲載日:2020年02月07日 レトロバイク・グラフティ    

イラスト・文/藤原かんいち

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レトロバイク・グラフティ第25回 HONDA MBX50(ホンダ MBX50)1982年

新聞記事にもなった最高速度90㎞の原付バイク

いまでこそ最初に乗るバイクが、いきなりハーレーという話も聞くが、僕が高校生の頃は最初に乗るバイクは誰もが原付だった。1980年代前半、原付バイクに乗る人は多く、種類も豊富で売り上げも好調だった。その一方で「バイクの免許を取らせない」「バイクに乗せない」「バイクを買わせない」の「三ない運動」の声が聞かれ始めた時でもあった。

10代の頃は、とにかく大きくて、早くて、最新のバイクに乗りたかった。そんな男たちの憧れと羨望の眼差しを受けていたのがホンダのMBX50。

時代の最先端のバイクで「原付なのに最高速度90kmが軽く出る!」という噂があり、バカな男たちの頭の中ではいけない妄想が膨らんでいた(笑)。

当時の朝日新聞に「法定速度が30㎞/hである原動機付自転車に90㎞/hの性能(スピード)が必要なのか?」という記事が載ったという。

水冷2ストエンジンの最高出力は上限いっぱいの5.6PS。加速が鋭く、スピードが出るのは当たり前。加えてフロントに高性能な2ポットのディスクブレーキ、大きなバイクと同じスタイルのコムスターホイール、レーサーにも使われているプロリンクサスペンション式リアスイングアームと、原付とは思えない本格仕様。いま見ると赤いシートのセンスは「?」なのだが、当時はそれさえ輝いて見えていた。

まさにイケイケ日本の象徴する原付。それにしても、あれから38年も経っているのに原付一種の制限速度30㎞/hのままって、おかしくないか日本?

ホンダ MBX50 スペック
  • ■サイズ/全長 1920mm×全幅 675mm×全高 1000mm ■車重/79kg ■エンジン/水冷 2ストローク単気筒 ■排気量/49cc ■最高出力 5.6ps/6500rpm ■最大トルク/0.63kgf・m/6000rpm ■変速機形式/リターン式・5段変速

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