CUSTOM BIKE TOURING/しゃぼん玉が造った2台のGPZ900Rで真夏の伊勢志摩・東紀州を満喫! 前編

掲載日:2018年07月17日 トピックス    

取材協力/しゃぼん玉本店
文/中村友彦 写真/富樫秀明  記事提供/ROAD RIDER編集部
※この記事は『ロードライダー vol.415』に掲載された内容を再編集したものです。

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名古屋のショップ、しゃぼん玉がデモ車として手がけた、2台のGPZ900Rの乗り味を探るべく、1泊2日のスケジュールで伊勢志摩・東紀州方面に出かけてみることにした。そのカスタムバイクツーリングの様子をルートとカスタム車両のインプレに分けて前後編でお届け。今回は前編!

古代からの風景と現代建築の双方を楽しむ伊勢路を走り
STDの資質を活かすライトカスタムの意義を知る

愛知・日進市を本拠とするカスタム&パーツショップ・しゃぼん玉は2016年に“ツーリングが楽しめるワイドレンジな特性”をコンセプトとする3台のデモ車を製作。今回はその中から、GPZ900Rの乗り味を紹介するのだが、その他の2台がフルカスタムなのに対し、GPZ900Rの変更点は、前後ショックとフロントブレーキマスター/キャリパー、ラジエーター、外装部品ぐらい(カウル類は同店オリジナルのカーボン製で、燃料タンクにはカーボンドライプロテックが施される)。その理由を、製作を手がけたしゃぼん玉本店で聞くと、以下の答えが返って来た。

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獅子岩/写真の獅子岩に加えて、鬼が城や巨石を神体とする花窟神社が並ぶ三重県熊野市の七里御浜は、岩&断崖絶壁好きにはたまらない観光スポット。なお、日本で一番長い砂礫海岸と言われている七里御浜は、ウミガメの産卵地としても有名で、この周辺は国の天然記念物/世界遺産として登録されている。

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丸山千枚田/名前はキリがいい千枚田と呼ばれているものの、三重県熊野市紀和町の白倉山に並ぶ棚田の数はおよそ1340枚で、展望台からの眺望は圧巻だ。高低差が160mに及ぶこの棚田には400年以上の歴史があり、1600~1900年代初頭には2000枚以上が存在したらしい。

「率直に言うと、デモ車としては控えめな構成ですよね(笑)。でも近年のニンジャユーザーの傾向を考えると、レストア+ライトカスタムのニンジャを提案してみたかったんです。実はこのニンジャも当初はフルカスタムを行う予定だったのですが、ベース車の状態が非常に良好。それでフロント16インチの前期型ニンジャならではの魅力を再認識したんです。そんな訳で、これからニンジャを購入するライダーの立場になって、あえてSTD+αの仕様を作ろうと。ただし、このニンジャだけではウチが目指す方向性が理解しづらいと思いますので、試乗時には'15年のデモ車として製作した、フルカスタムのニンジャも一緒に体感してみてください」

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千枚田への道/丸山千枚田へ向かう県道40号を含めて、東紀州のチマチマした峠道を走った僕は、'16年型の懐の広さに大いに感心。スポーティな'15年型ではときとして、飛ばせないストレスを感じるのだが、STDの基本構成を踏襲している'16年型なら、どんな状況でも周囲の景色を眺めながら淡々と走って行けたのだ。

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青山高原/三重県伊賀市から津市にかけて広がる青山高原の目玉は、なんと言っても本州では最大規模となる風力発電施設。32基の風車がズラリと並ぶ姿はなかなか壮観で、この風車と絡めて四季折々の風景が楽しめることもあって、休日には多くのハイカーやアマチュアカメラマンが訪れるらしい 。

僕と月岡編集長が2台のニンジャで向かったのは、東海・関西地方のライダーの間でツーリングスポットとして有名な、伊勢志摩&東紀州。多種多様なワインディングロードに加えて、快適な高速道路や牧歌的な田舎道、混雑した市街地などを走り痛感したのは、カスタムの面白さと難しさと奥深さだった……。

と書くだけでは、読者の頭には“?”が浮かぶかもしれないが、2台のニンジャを2日間、じっくり走らせた僕は、ライディングフィールがまったく異なるにも関わらず、どちらのカスタムも大いにアリ! と感じたのである。

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南伊勢町浜島/浜島は志摩半島南部の英虞湾(あごわん)湾口に位置する小さな街だ。今年度のサミット開催地にして、観光地としても有名な賢島までの距離は10kmちょっとしかないものの、浜島の近辺は昔ながらの雰囲気が至るところに残っていて、何だか時間がゆっくり流れている印象だった。

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朝熊山頂展望台/伊勢市と鳥羽市を結ぶ伊勢志摩スカイラインは、ライダーなら1度は訪れてもらいたい快走路。頂上の朝熊山展望台からは360度の絶景が楽しめるのだが、個人的にはそこから鳥羽市へと降りていく際の、迫力満点の景色(伊勢湾が一気に迫ってくる)にそそられる。2輪の通行料金は880円。

まず、最初に好感を抱いたのは、ニンジャらしさを維持しながら現代的な運動性能を身に付けた'15年型だったものの、STDの基本構成を維持する'16年型を走らせていると、“これぞニンジャ”という思いが込み上げてくる。改めて文字にすると、何とも優柔不断な展開ではあるけれど、しゃぼん玉が手がけた2台のデモ車には、甲乙のつけようがない魅力が備わっていたのだ。

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入鹿周辺/今回は片鱗を味わっただけだが、紀伊半島の自然はものすごくパワフルだ。木々も川も夕陽も主張が強くて、何の変哲もない景色でもちょっとした感動を覚えてしまうほど。写真の撮影場所は熊野市紀和町だが、現地の学校や神社には'50年代半ば以前の地名だった入鹿が使われていた。

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瀞大橋/熊野川水系の支流となる北山川を渡る橋の名前は、“しずか大橋”かと思ったら、瀞の読み方は“どろ”。この橋の上流には国の天然記念物に指定されている瀞狭が存在し、地元の熊野交通では、豪雨と急流で削られた深い渓谷を堪能するためのウォータージェット船を、橋のたもとから運行している。

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赤木城跡/熊野市の郊外の高台にある赤木城跡は、当時の原型が残っているという点(石垣は自然の石をそのまま積む野面乱層積み)で、全国の城マニアからいち目置かれている観光スポットなのだ。1580年代にこの城を築いたのは、豊臣秀吉の家臣にして、後に築城の名手と呼ばれた藤堂高虎だった。

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伊勢神宮内宮/サミットの効果で外国人観光客が増加している伊勢神宮だが、この撮影を行った朝6時台はさすがに、まだ人影がまばらだった。ちなみに伊勢神宮の2輪車用駐車場は、内宮も外宮も入り口のすぐ近くに設置されていて、嬉しいことにいずれも駐車料金は無料だ。

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