EICMA2017(ミラノショー)/KTMブース・じっくりレポート:MotoGPやMXGPの契約ライダーが大集結!

掲載日:2017年11月30日 トピックス    

取材協力/EICMA 2017  写真・文/バイクブロス・マガジンズ

カンファレンス冒頭に登場したMotoGPのKTMワークスライダー、P.エスパルガロ選手。ステージのスクリーンに映るのはチームメイト・ブラッドリー・スミス(Bradly Smith)選手。苦戦が続くMotoGPだが、エスパルガロ選手は来季への意気込みを熱く話していた。

KTMのライダーたちが790 DUKEや
790アドベンチャーRをローンチ

11月7日からイタリア・ミラノで行われた『EICMA2017(ミラノショー)』KTMブースの様子をじっくりお届け。

プレスデー初日の午後に開催されたKTMのプレスカンファレンスは、MotoGPやMXGPなど、KTMワークスライダーが多数登壇するド派手な演出が目立ったものだった。

まずステージに現れたのは、MotoGPでチーム「Redo Bull KTM MotoGP Factory Racing」に所属するポル・エスパルガロ(Pol Espargaró)選手。そのエスパルガロ選手によってアンベールされたのが新型790デューク。新開発の並列2気筒エンジンを搭載するニュー・デュークは、KTMのロードモデルらしいシャープなデザインで、来年からの市販が予定されている。

続いてステージに登場したのは、MXGP(世界モトクロス選手権)の最高峰MXGPクラスで2017年のチャンピオンを獲得したアントニオ・カイローリ(Antonio Cairoli)選手! カイローリの登壇に驚く間もなく、MXGP・MX2クラスの2017年チャンピオンのポールス・ジョナス(Pauls Jonass)、MXGPでカイローリのチームメイトであるジェフリー・ヘリングス(Jeffly Herlings)、エンデューロGP(世界エンデューロ選手権)・E2クラスの2017年チャンピオンとなったジョセップ・ガルシア(Josep Garcia)、さらに年明けに開催されたダカール・ラリー2017でKTMに16連覇をもたらしたサム・サンダーランド(Sam Sunderland)までもが登壇。ステージはKTMワークスライダーが勢ぞろいするという状況に。

そのサンダーランド選手の手によって、開催が迫るダカール・ラリー2018用のワークスマシン450Rallyがお披露目され、づづいてブース中央に鎮座していた790アドベンチャーRのプロトタイプもサンダーランド選手がアンベール。

相次ぐ新型790シリーズの登場に沸いたKTMブースの模様をこれから写真で紹介していこう。

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メインステージ上でエスパルガロ選手が新型790デュークをアンベール。「鋭利な刃物」を意味する"THE SCALPEL"というペットネームが与えられた新型デュークはそのネーミングを体現するシャープなスタイリング。

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続々とステージに登場するKTMワークスのオフロードライダーたち。左から、A.カイローリ、P.ジョナス、J.ヘリングス、J.ガルシア。この中に3人の世界チャンピオンがいるのだから、KTMのオフロードでの強さがうかがえる。

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ゲストとして最後に登場したのは2017ダカール・ウィナー、S.サンダーランド選手だ。

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そのサンダーランド選手によって2018年のダカール・ラリーに投入する450ラリーが世界初公開に。

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そしてカンファレンスの最後まで、ブース中央で幕をかかったままだった790アドベンチャーRのアンベール。

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運動性能の高さを見せつけるプロモーション・ムービーが流れたあとにアンベールされた790アドベンチャーR。これはまだプロトタイプとのこと。

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790アドベンチャーRのフォトセッションでサンダーランド選手に声をかけてパチリ。

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さらに先ほど登壇したライダーたちも集まりフォトセッションがスタート。ブース中央は大混雑に。写真一番手前はカイローリ選手。

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KTMらしいかなり攻めたデザインの790デューク。デザインを担当しているのはもちろんKISKA。

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直線的に跳ね上がった790デュークのシート周り。マフラーの形状は異形テーパーでかなり凝ったものだ。

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KTMがデュークシリーズで提唱してきたストリートファイタースタイル。ハンドルは従来通りアップハン、メーターは液晶パネルを採用する。燃料タンクの造形も面白い。

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これまでのデューク・シリーズを踏襲しながらもかなりエッジの効いた造形を見せる790デュークのフロント周り。"THE SCALPEL"というペットネームにも納得。

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最高出力108hp/最大トルク84Nmを発生する新開発のLC8エンジンはKTMのラインナップにはこれまでにはなかった799ccの並列2気筒だ。KTM初となる上下割りのクランクケースは高圧でキャスティングされたアルミ製でエンジン本体の重量を抑えた設計。

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フロントフォークはWP(ホワイト・パワー)製のφ43mm倒立フォークで、タイヤは専用設計のMaxxis Supermaxx ST。写真の車両はオプションのウェーブディスクを装着しているがSTDはφ330mmの円形ディスクローターを装備する。

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イギリス人初のダカール・ウィナーとなったS.サンダーランドの450ラリー。写真は2018年のダカール用だ。

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コックピットに鎮座するのはラリー用のマップホルダー。メーター本体は液晶画面の小さいシンプルなもので、両脇に二つの燃料警告灯のほか、オイル警告&FIのインジケーターが設けられている。ひと昔前のスタイルにも見えるが、視認性重視だろう。

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メーター周りやアンダーカウルにカーボンを多用したワークスマシンらしい仕上がり。フットペグはワイドなだけでなく長さもかなりあるなど、ラリーならでは車体セットアップ。

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現在KTMはダカール・ラリーで16連覇中。サンダーランド選手などKTMワークス勢が連勝記録を伸ばすのかに注目が集まるダカール・ラリー2018は、年明けの1月6日にペルーの首都リマをスタート。途中ボリビアを経て、アルゼンチンのコルドバでゴールする。

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世界的に盛り上がりを見せるミドルクラスのアドベンチャー・セグメントについにKTMが参入。790アドベンチャーR・プロトタイプは、前出の790デュークに搭載した新開発並列2気筒のLC8を採用するモデル。コンパクトに設計されたエンジンの恩恵か、車体は同クラスのライバル車に比べてとてもスリムに見える。

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会場に展示されていた790アドベンチャーR・プロトタイプは、すでに激しいオフロードランを行った車両で、泥がついたままディスプレイ。運動性能の高さを誇らしげにアピールしていた。

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車体両サイドに振り分けられているのは燃料タンク。790アドベンチャーRでは車体重心位置を下げるためにかなり低い位置までタンクをレイアウトしている。

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タンク最下部が一番幅を持つように設計されているため、ライダーの膝周りや、ステップ前方のスペースはスッキリしている。激しいライディングを考慮したつくりと言えそう。

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790アドベンチャーRのリアサスはかなり寝かされたレイアウトで、これは790デューク同様。クモロリフレームはエンジン後ろでタイトにまとめられていて、シート下のフレーム幅はかなり狭い。

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右側後方から。燃料タンクの張り出し具合がよく分かる。マフラーはアクラポビッチ製の一本出し。

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モトクロスやラリー、エンデューロで世界チャンピオンのタイトルを総ナメにしている現在のKTM。790アドベンチャーRは、プロトタイプではあるものの、KTMのオフロードブランドとしての威信をかけたモデルといえるだろう。

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ここからはKTMブース全体の模様をお届け。こちらはP.エスパルガロ選手のMotoGPマシン。

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こちらはMoto2クラスのKTMワークス、ミゲル・オリベイラ(Miguel Oliveira)のマシン。

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MXGPチャンピオン、A.カイローリの450SX-F。カイローリは、2009年からKTMワークスとしてMXGP最高峰クラスに参戦。2017年のチャンピオン獲得により、KTMライダーとしては6度目、MX2クラスも含めると、自身9度目のタイトル獲得となるヨーロッパMX界のレジェンドだ。

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こちらはアメリカのAMAスーパークロス・450クラスで2017年のチャンピオンに輝いたライアン・ダンジー(Ryan Dungey)の450SX-F。ダンジーは今シーズン限りでの引退を表明している。

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790デュークにアクラポビッチのマフラーや削り出しのステップなどオプションを取り付けた車両。車体カラーはメインのオレンジのほか、写真のグレーとブラックも用意。

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日本未導入の電動モデルFREERIDE E。新しい車体色にアップデートされた。

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ブース内にはKTMが販売するモデルが勢ぞろい。すべて跨りOKだったが、やはり人気だったのは、モトクロッサーやエンデューロコンペモデルだ。写真は250SX-F。





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