世界スーパーバイク選手権でカワサキが3年連続のマニュファクチャラーズタイトル獲得!

掲載日:2017年10月24日 トピックス    

取材協力・写真/WorldSBK.com  文/Ryo Tsuchiyama

SBK第12戦レース2終了後にカワサキのマニュファクチャラーズタイトル獲得を記念してパレードするジョナサン・レイ(Jonathan Rea:手前)とトム・サイクス(Tom Sykes)。

SBKで3年連続のマニュファクチャラーズタイトル獲得
あらためて見せつけたカワサキの強さ

2017年10月22日にスペインのセレスサーキットでSBK(世界スーパーバイク選手権)の第12戦が開催された。

市販車両ベースのマシンを使って、2ヒート制で行われるSBKのレース。セレスでは、レース1、レース2ともにカワサキ・レーシングチームでZX-10RRを走らせるジョナサン・レイ(Jonathan Rea/英)が優勝した。このレース2でのレイの勝利によって、2017年度のSBKマニュファクチャラーズタイトルは、最終戦を待たずしてカワサキが獲得することになった。

カワサキがSBKのマニュファクチャラーズタイトルを獲得するのは2015年から数えて3年連続3回目で、あらためてZX-10RRの戦闘力の高さを裏付けるものとなった。なお、今年のSBKシリーズチャンピオンは第11戦終了時点でジョナサン・レイが獲得しており、2017年はカワサキにとってまたもやパーフェクトなシーズンになったと言える。

ちなみに1988年からスタートしたSBKでのカワサキの初勝利は、1988年の第3戦ハンガリーGP。ライダーはアドリアン・モリラス(Adrien Morillas/仏)でマシンはGPX750(当時のレギュレーションは4気筒750cc、2気筒1,000ccが上限)だった。その後、1993年にスコット・ラッセル(Scott Russell)がZXR-7でカワサキのライダーとして初めてSBKシリーズチャンピオンに。

2013年にはカワサキ・レーシングチームのトム・サイクス(Tom Sykes/英)が20年ぶりにカワサキのライダーとしてシリーズチャンピオンを獲得。2014年はアプリリアのシルバン・ギュントーリ(Sylvain Guintoli/仏)がライダータイトルを獲得、マニュファクチャラーズタイトルもアプリリアに奪取されるが、2015年からはジョナサン・レイが3年連続でシリーズチャンピオンに輝いている。

今季はレース1のリザルトによって、レース2のスターティング・グリッドが入れ替わる「リバースグリッド」という新方式を採用して始まったSBK。一部ではあまりにも強すぎるカワサキ対策、とも揶揄されたシステムだったが、フタを開けてみればカワサキの圧勝だったと感じるのは多くのSBKファンの共通認識だろう。しかし結果が示す通り、ZX-10RRの速さと信頼性はシーズンを通して抜きんでていたと言うほかない。

現在、カワサキのほか、ヤマハ(YZF-R1)、ホンダ(CBR1000RR)、ドゥカティ(パニガーレR)、アプリリア(RSV4 RF)、MVアグスタ(F4 1000)、BMW(S1000RR)と各社の最新スーパスポーツが勢ぞろいするSBK。ワークスや非ワークスとチーム体制の違いこそあれど、世界一のスーパースポーツバイクを決めるレースであることに変わりはない。そこに加えて来年以降にスズキがGSX-R1000で参戦するウワサもある(今回のセレスにも新型GSX-R1000がワイルドカードで参戦した)。

今年のSBKは11月3~4日に行われる第13戦ロサイル(カタール)で幕を閉じるが、来シーズンの各チーム体制が明らかになり次第、あらためてご紹介しよう。

フォトTOPICS(写真点数/4枚)

01ドゥカティのチャズ・デイビス(Chaz Davies/英)とマルコ・メランドリ(Marco Melandri/伊)に大きなリードをつけてレース2でトップを走るジョナサン・レイ。レース1も制覇したレイの強さは圧倒的だ。

02第11戦のフランス・マニクールで今シーズンのシリーズチャンピオンを獲得したジョナサン・レイ。写真手前はマニクールで使用したスペシャルヘルメット。奥のヘルメットはチームメイトのトム・サイクス(2013年SBKチャンピオン)のヘルメット。この両エースの活躍でカワサキは3年連続のマニュファクチャラーズタイトルを獲得した。

03セレスのレース2での勝利によりレイはSBK通算52勝目となり、トロイ・ベイリス(Troy Bayliss)の持つ記録に並んだ。SBK最多勝利記録は「帝王」カール・フォガティ(Carl Fogarty)の持つ59勝だ。

04レース2の表彰式の模様。中央に立つのがレイ。写真左は2位入賞のメランドリ(ドゥカティ)、右が3位入賞のデイビス(ドゥカティ)。SBK通算の表彰台獲得最多記録はベイリスの130回が最多で、次点は芳賀紀行の116回。レイの記録はレース2終了時点で通算110回となったが、この調子で来シーズンも活躍できれば、2018年は新たな記録が数多く生まれることになる。

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