多くのライダーがセルよりキック仕様をカッコいいと思うのはなぜ?

多くのライダーがセルよりキック仕様をカッコいいと思うのはなぜ?

掲載日:2007年10月30日 ライダー考現学    

読者からの質問

以前、自分がお世話になっているお店に行った時、知人が愛車をキック仕様にカスタムしていました。それを見て私も「いいな」と思ったのですが…。しかし、よくよく考えると不思議。セルに比べて明らかに不便なキックを数十万円も掛けてカスタムするんですから。でも私も「いいな」と思ったわけで…、これってライダーはちょっと特殊な証拠でもあるように思うんですが、どうでしょう?

山梨県/黄金のかかとさん (YAMAHA DS1100所有)

 

多くのライダーがセルよりキック仕様をカッコいいと思うのはなぜ?

 

セルスタートは大変便利な機能である。キックオンリーのライダーが、汗だくでキックしているのを尻目に"ポチッ"で終了。まさにテクノロジー様々ではないか。しかし! これほど明確に便利なのにも関わらず、ライダーたちはキックに憧れるのだ。なぜか…これは「キックの方がカッコいいからじゃん!」という理由付けでは済まされない問題と言えるだろう。実はキック志向には、男独特の思考方法に答えがあった。以前にもこちらで紹介した「カッコいい」思考がそれだ。

 

当然だがライダーの考えるカッコよさとは、便利さの中には存在しない。不便…いや一手間加えることがカッコいい。極端な話「便利=軟弱」、「不便=剛直=本物の男」という方程式が存在しているわけだ。男性が不便さを選択する時にしばしばある「まったく、手がかかるヤンチャな相棒だぜ」というセリフ…これこそがキック志向につながっていると言えよう。事実、アウトドア派ならば懐中電灯よりランタン、車好きならオートマチック車よりミッション車などなど…こういう例には枚挙に暇がないほどだ。しかし、オトナのライダーとして注意してほしいことがある。それは、それを得々と周囲に語らないことだ。男なら「黙ってこだわる」。これが大切である。こういったこだわりは、周囲が気づいたときにこそ初めて「カッコいい」ということを忘れないようにしたい。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索