愛車撮影術

夜にバイクを撮影する

掲載日:2008年01月08日 愛車撮影術    

最終回のテーマは
ズバリ夜のバイク撮影!

今回のテーマは夜のバイク撮影。夜景撮影は撮影が難しいのですが、日中とは全く違った景色が撮れるオススメの撮影方法。橋やタワーのイルミネーションから、工場地帯の明かり、高台から見下ろす街明かり…すべてのポイントで驚くほど美しい写真が撮影できてしまいますよ。普段良く見ている愛車も、夜景の中で撮影することで、まるでコラージュしたような独特の趣が漂います。

では、さっそく夜景撮影について学んでいきましょう。

夜の撮影には手ブレリスクが…
撮影機材を揃えよう

バイク撮影夜の景色は光の量が少ないため、数秒間シャッターを開く必要があります。そのため常に手ブレのリスクが存在しますから、三脚は絶対必需品と考えましょう。三脚なしでは、まず手ブレしますよ。三脚は、夜景だけでなくタイマー撮影などさまざまな用途で利用できるのでぜひご購入ください。1万円くらいからありますが、自分のカメラや使用するレンズの重さに適したものの購入をおすすめします。決して安い買い物ではないと思うので、いざ購入してから使えないということにならない様に慎重に選んで下さい。夜景撮影で得られる写真をご覧になれば、三脚を買った価値を感じていただけるはずです。また、シャッターを押す際にも手ブレの生じる可能性があるため、リモコンでの撮影(ケーブルレリーズなどを使用)が理想的です。ここをご覧の方々はほとんどデジタルカメラをご使用だと思いますが…。フィルムカメラで撮影する場合「デイライトフィルム」に加えて、夜間撮影に適した「タングステンフィルム」などを用意した方がいいでしょう。

 

さて、では実際にバイクを夜景の中で撮っていきましょう。ポイントは、できるだけ明るい場所にバイクを置くこと。街灯などの明かりが当たる場所を探してバイクを置きましょう。全体をよりシャープに写すために、絞りはf8以上絞り込んで下さい(試しに絞りを開けて撮影したものと比べてみると、その効果が分かります)。〈写真右:ビルが背景にバイクに照明が当たる場所を選んで撮影〉は、絞りがf8でシャッタースピードは8秒に設定して撮影しました。

 

ここでもうひとつ注意していただきたいのが、ホワイトバランス(色温度)の調整です。夜景を撮影する場合、デジタルカメラなら電球(3000K)に設定してください(フィルムの場合はタングステンタイプを使用)。ホワイトバランスを変えた撮影例が〈写真下〉の3枚です。一番左は電球(3000K)、真ん中は太陽光(5200K)、一番右が晴天日陰(8000K)で撮影したものです。ホワイトバランスは数値が下がれば青みがかった色、逆に数値が上がれば赤みがかった色の写真になります。デジタルカメラの場合、オートホワイトバランスで撮影する人も多いと思いますが、ホワイトバランスを変えることによって様々な効果が得られるので、覚えておいた方が良いでしょう。

バイク撮影

日没前後は意外な撮影タイム
空の色を活かして格好良く撮影しよう

夜景といっても真っ暗なだけでは面白くありません。日没をテーマにした撮影もまた面白いものです。みなさんは空の色を普段、気にされますか? 実は空の色は実に変化に富んでいるのです。特に面白いのは日没前後の時間。日没30分前は夕日が美しく輝く時間帯で、日没20分後は空のグラデーションが最も映える時間帯といえます。まだ太陽の光も残っているので、愛車を比較的明るく写すこともできますよ。せっかく三脚などたくさんの機材を持っていくのなら、この時間帯を逃す手はありません。また美しい空を見るのには天候の問題も関わってくるので、日没前後の綺麗な景色はとても貴重だといえるでしょう。

 

〈写真左下〉は日没30分前の景色、〈写真右下〉は日没20分後の景色です。この際にも重要になってくるのがホワイトバランスの調整です。夕日に染まった赤い空を表現したい場合は曇天や晴天日陰、日没後のまだ明るい時間は晴天などの自然な色合い、真っ暗になってからは電球などホワイトバランスを変えていくことによって、それぞれの時間帯に合った景色を写すことができます。

 

さて、ここまで夜景撮影に関していろいろと述べてきましたが、これらの撮影で重要になってくるのが、バイクを照らす照明、バイクと夜景が入る場所探し(これが結構大変です)などです。せっかく奇麗な夜景を見つけたのに、バイクを入れた写真が撮れなかった…なんてことにならないためにも、撮影前のロケハンはもちろんのこと、普段から「あそこならバイクと夜景が撮れそうだ」というチェックをしておきましょう。また実際に撮影する場合には、ある程度の経験が必要となってくるので、試行錯誤を繰り返しながら自分のベストショットを手に入れて下さい。

遅めシャッタースピード

撮影術は1日にしてならず
今までの講座をマスターしよう

約1年にわたって続けてきました愛車撮影術。ここで一旦、終了となります。というのも、ここから先は高度なテクニックが中心になります。機材も高価なものがあったり、練習量も必要だったりと”ワンランク上”を超えたものになってしまいます。もちろん今後、みなさんからご要望があれば記事としてご紹介したいと思いますが、ワンランク上の講座としてはこれにて授業終了です。ではみなさん、愛車を一層格好良く写してやってくださいね。

 

今後は不定期にて、例となる写真掲載などを行っていくこともあるかもしれませんのでお楽しみに。

浪折 明良
講師
浪折 明良

カメラマン。続々と登場するカメラの新機種に財布の中身がついていかない750ライダーでもある。現在の愛車は10年もののGSF750。油冷エンジン最高! といいつつも、新型水冷エンジンが気になる今日この頃…

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