愛車撮影術

光を作って撮影する

掲載日:2007年12月11日 愛車撮影術    

光がないなら作ってしまえ
写真撮影で大切な光を学ぼう

今回は、光について学んでいきます。カメラは構造的に光を使って被写体を写すものですから、これが大切なことは言うまでもありません。「光を制する者はカメラを制す!」です。みなさんも実際、撮影した写真が意外に暗かったり、明るすぎて被写体が真っ白なんてことはありませんか? 明るすぎる場合は適度な光の場所へ移動するなど簡単に対処できますが、光が足りない場合はどうすればいいのでしょう。いくらいいカメラを持っていても、光が足らなければきれいな写真を撮ることはできません。

 

特にバイクなどの特定の被写体を撮るのなら、ある程度のまとまった光があるのと無いのとでは、出来上がった写真の見栄えは格段に変わってきます。ただし、光の量は、天候や時間帯によって変わってきますので、四六時中一定の光量が得られるとは限りません。となると撮影者に求められることは、ひとつ。そう、光が足りないなら光を作ってやるんです。ではその作り方と効果を見ていきましょう。

レフ板を使った撮影で
日陰な部分も綺麗に撮影

一般的に、暗い場所に光を作ってやる方法は2つ。1つ目はレフ板という白や銀色の平面の板を使って、被写体に光を反射させる方法。2つ目は、ストロボを使って強制的に光を当ててやる方法です。

 

まずレフ板を使った撮影について。なんでもそうですが、昼間でも暗い部分はでてきます。例えば影。バイクだと日陰部分のエンジンなどはどうしても暗くてわかりづらくなりますね。そこでレフ板を使って光を反射させる方法を取れば、日陰部分も明るく綺麗に撮影できます。「最初から日向で撮影すればいいじゃないか」という声が聞こえてきそうですが、日向はバイクに当たった光が反射して明るすぎる写真になるリスクもあります。特にハーレーなどのクロムメッキが多いバイクは、注意が必要ですね。ただし、レフ板もオールマイティではありません。レフ板使用には条件があって、太陽や明るい照明などの反射させるための光が絶対不可欠。ここはご注意ください。

 

撮影したい場所までレフ板を持っていくことが可能であれば、ぜひレフ板を使用してみて下さい。写真の仕上がりが格段に変わってきますよ。ちなみにレフ板は最近、デジタルカメラの影響かカメラ店以外でも電化製品販売の大型店などでも販売されています。

写真例34

ストロボを使うことで
光がない場所でも印象的な1枚に

次にストロボを使っての撮影をしてみましょう。

ストロボは、太陽や明るい照明などがない場所(光が弱くて、レフ板を使っても満足の得られる光量が得られない)で使用することになります。写真3は、光が周囲の建造物で遮られた状態で撮影したもの。全体的に暗く沈んだ雰囲気の写真になってしまいました。そこでストロボで光を飛ばしてみた写真が、写真4です。バイクがグーンと全面に浮き出た写真になりました。

遅めシャッタースピード

 

また、ストロボ撮影は夕暮れの逆光の際にも効果を発揮します。写真5は夕暮れのコントラストのついた空に露出を合わせたものですが、周囲が暗い上にバイクが逆光の位置にあるため、わずかなシルエットでしか形が現されていません。そこで、露出は空に合わせたままストロボを当てたのが写真6です。手前のバイクと夕暮れの空の両方が表現できました。

イメージ

 

ちなみにストロボは、カメラに内蔵されているポップアップタイプよりも、カメラの上部に装着するクリップオンタイプの方が、ある程度の光量が得られるので使いやすいでしょう。価格は1万円台のものから5万円以上するものまでさまざまですが、定価で3万円前後のもの(※ガイドナンバー30/ISO100・m)くらいであれば、特殊な状況以外は幅広く使用できるので便利です。

ガイドナンバー(GN)

GN20、GN30などさまざまな機種があるが、数字が大きくなればなるほど発光量が大きくなる。例えばGN30/ISO100のストロボを使用して得られる光量はどれくらいかというと、「GN÷F値=被写体までの距離」という計算方式を用いて、F値が4のレンズで撮影する場合の被写体までの距離は、30(GN)÷4(F値)=7.5(m)という計算で、7.5m離れての撮影が可能ということになる。またISOを200にした場合は√2倍(×1.4)となりGNは42、42÷4=10.5で被写体までの距離は10.5mとなる。ISO400にすると2倍のGN60で、被写体から15m離れての撮影が可能ということになる。

光を使うことを覚えると
写真撮影が一気に楽しくなります

今回は擬似的に光を当てた2とおりの撮影方法を紹介しましたが、これらの撮影のポイントは、光の当て方や、当てる光の量によって仕上がった写真の雰囲気が変わってくる(変えられる)ことです。光を使うことを覚えると、写真がさらに楽しくなることは間違いありません。これはバイクはもちろん、人物撮影などでも大切な技術。ワンランク上の写真を撮影するならば、ぜひともマスターしていただきたいところです。時間を使うだけの意味のあることですから、何度でもチャレンジしてみて下さいね。

浪折 明良
講師
浪折 明良

カメラマン。続々と登場するカメラの新機種に財布の中身がついていかない750ライダーでもある。現在の愛車は10年もののGSF750。油冷エンジン最高! といいつつも、新型水冷エンジンが気になる今日この頃…

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