愛車撮影術

フレーミング調整の大切さ

掲載日:2007年11月13日 愛車撮影術    

写真の幅を広げてくれる
フレーミング調整とは

今回はフレーミング調整について学んでいきましょう。こういっても「フレーミング?」という方も多いと思います。最近、インターネットでは掲示板やメールなどで相手と言い争いになることをフレーミングといいますが、それは“Flame(火炎)”のことで、カメラの世界ではもちろん“Fram(枠)”です。話がそれてしまいましたが、今回のフレーミングはカメラの枠の中に何を撮影するかというお話です。

 

愛車を撮影する際、どうしてもバイク全体を入れてしまいたくなるなるのは、オーナーの心情です。背景がきれいな場所ならバイク全体を入れてもサマになるのですが、背景に電柱や看板などが入ってしまうと「出来上がった写真を見てがっかり…」ということになりがちです。そんな時、強引にバイク全体を入れようとせず、愛車のお気に入りの箇所を切り取って写してみることも考えてみましょう。意外に美しく面白みのある仕上がりになります。では、さっそく実例をもとに見ていきましょう。

望遠レンズを使用した
フレーミング調整の例

今回の撮影場所は、都心の裏通り。

街並は比較的きれいに整備されているのですが、周囲には放置された自転車が置いてあったり、鉄柱などが立っていたりと撮影には難しい状況です。そんな状況下でバイクの全体を入れて撮影したものが(写真1)です。望遠レンズで周囲をボカしてバイクを強調してみたのですが、今ひとつの仕上がりになってしまいました。そこで、このバイクの特徴的な部分を切り取って撮影してみたのが(写真2)です。周囲に余計なものが入らないように注意しながら、かつ背景もぼかしてバイクを強調してインパクトを持たせた仕上がりにしてみました。こういった写真を撮る際には、望遠レンズを使用した方が適度に背景がボケてくれるので、きれいな仕上がりになります。

写真例34

標準レンズを使用した
フレーミング調整の例

上記の例はあくまで望遠レンズで撮影したものでした。しかし、望遠レンズを持っていなかったり、持っていてもスペースがなかったり(周囲が狭くて使えない)ということがあります。そんな時のために標準レンズ(50mm)を使ったテクニックもあわせてご紹介いたしましょう。(写真3)は標準レンズで、上から見下ろすように撮ってみました。ちょうど夕日の時間帯だったので、ちょっとドラマチックな雰囲気を演出することができました。(写真4)のように、夕日に照らされた横断歩道を入れてみるというのも、ひとつの方法です。

遅めシャッタースピード

アルバムやウェブサイトを
さらに美しく見ごたえあるものにする

今回ご紹介したフレーミングは、周囲の余計なものを排除すること以外にも写真のワンパターン化を防ぐ効果もあります。アルバムやパソコンの写真を見直したときに、バイク全体の写真ばかりだと背景以外いつも同じでつまらないものになるかも。特にご自分のウェブサイトやブログなどを運営されている方は、こういった写真を増やすことでグッとウェブサイトをプロっぽく見せることができますよ。

 

さて今回の撮影で大切なことは、愛車の気に入っている箇所を中心に(中央に配置するということではありません)構図をまとめることです。何を撮影したいのか、何を表現したいのかというのがぼやけてしまわないように注意しましょう。愛車のお気に入りの箇所を見つけて、カッコイイ写真を撮ってください。

※ちなみに今回の写真は、エンジンとロゴの入ったシュラウドが気に入ったので、この2ヵ所をポイントにして撮影しています。

浪折 明良
講師
浪折 明良

カメラマン。続々と登場するカメラの新機種に財布の中身がついていかない750ライダーでもある。現在の愛車は10年もののGSF750。油冷エンジン最高! といいつつも、新型水冷エンジンが気になる今日この頃…

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索