身長163cmでも両足が着く!アフリカツイン用サスペンション

掲載日:2017年12月03日 オフロードアイテムレビュー    

写真/長谷川徹 レビュワー/栗原守睦

NITRON/Lowering Suspension kit CRF1000L AFRICA TWIN

55mmのローダウンで、アフリカツインのシートをローポジションに設定した時にはシート高795mmを実現。これは400Xと同じ数値だ。身長163cmのライダーでも両足が着き、またがったままでも容易にサイドスタンドを払うことができた。ローダウン化は、足着きだけでなく走りにも大きな変化をもたらした。

「ローダウンしたからといって、ダート性能が大きく劣った感じはないですよ。それよりも、高速道路を使い一気に遠くまで足を延ばし、比較的フラットな林道を走るという国内での使いかたに限定したことで、前後へのピッチングが少なくなり、快適性が大幅に向上しています」と、テストを担当した渡辺学選手は言う。

ステップ、シート、ハンドルの位置関係は変わらないのでライディングポジションも自然。最低地上高は230mmを確保し、一般的な林道なら問題なく走行できるレベルは保っている。

「サスペンションはよく動きつつもダンパーの設定が絶妙なので、しっとりした乗り味です。ワインディングも結構なペースで走れ、バンク中にブーツの先を路面で擦ってしまったほどです」。

イギリス国内のレースを開発の舞台としていたナイトロンは、その性能の高さから現在では欧州を始め世界各国で確固たる地位を確立している。アドベンチャーマシンの中でも高いダート走行性能から、人気の高いCRF1000Lアフリカツイン。だが世界戦略車ゆえにシート高は高く、小柄な日本人ライダーには足着きで不安要素が残るのは確かだ。今回テストしたロワリングサスペンションキットは、日本国内で開発された日本専用モデル。その実力に迫る。

[ SPECIFICATIONS ]

  • メーカー/ナイトロンジャパン
  • 価格(税抜き)/17万2,000円
  • 適応車両/CRF1000L AFRICA TWIN
  • キット内容/NITRON ローダウンリアショック、NITRON ローダウンフォークスプリングKIT、専用フォークオイル(NITRON JQ OIL)

[ DETAILS ]

身長163cm体重74kgのライダーがまたがると、片足ならベタ着き。両足でも拇指球は完全に接地している。

ブラックアルマイトがかけられたノブはダンパー調整をするためのもの。圧側と伸側の両方に効く1WAY仕様。クリック数は24段と細かく、幅広い調整が可能だ。ハイトアジャスターも備え、サスペンション長を5mm縮めることが可能。リンクを介しサスペンションを取り付けるため、実質的には約15mmシート高を下げることができる。

二人乗りや荷物を満載した時に、車体の姿勢を適正にするプリロードアジャスターには、別体の油圧式を採用。ダイヤルを回すことで無段階に調整できる。

シート高が下がり足を着きやすいため、コーナーリングやUターンでの安心感は格段に上がる。

ローダウンするとノーマルスタンドでは駐車時に車体が立ちすぎ、転倒の恐れがある。推奨品はキジマから発売されているショートサイドスタンド(品番213-040、価格1万1,000円/税抜き)だ。

[ お問い合わせ ]

電話/048-812-5906

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