BMW Motorrad G650GS

掲載日:2012年06月13日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/田宮 徹

BMW Motorrad G650GSの画像
BMW Motorrad G650GS

GSスピリットを廉価で楽しめる
復刻のシングルエンジンモデル

ドイツのBMWが手がけるGS(ゲレンデ・シュポルト)シリーズは、30年以上の歴史を持つビッグオフローダーのブランド。2012年現在では頂点にR1200GSが君臨するこのシリーズに、日本では2012年6月に末弟となるこのG650GSが追加された。R1200GSでは空油冷水平対向2気筒、F800GSとF650GSでは水冷並列2気筒エンジンを採用するGSだが、新登場となったG650GSでは、94年から10数年続いた先代F650系に使われていた水冷単気筒エンジンが、復活採用されている。

搭載されている排気量652ccの水冷単気筒DOHC4バルブエンジンには、オーストリアのロータックス社が基本設計し、これにBMWがシリンダーヘッドの仕様変更などを施したという開発背景がある。潤滑はドライサンプ式で、点火はツインスパーク式。燃料供給にはもちろんF.I.を採用し、最高出力48馬力を6,500回転で発生する。燃料はレギュラーガソリン仕様で、90km/h定地走行時の燃料消費率は31.2km/Lと、コストパフォーマンスに優れる仕様となっている。ちなみに、公表最高速度は170km/hだ。これと組み合わさる車体は、メインフレームにスチール製ブリッジパイプフレームを採用。フロントフォークは、一般的なモーターサイクルに多く使われるテレスコピックタイプで、インナーチューブ径41mmの正立式。リアスイングアームは両持ち式で、リアモノショックは油圧機構によるプリロード調整と、伸側減衰力調整ができる。前後ホイールはキャストタイプで、ホイール径は前後19/17インチ。オンロード走行を強く意識したラジアルタイヤを履いている。

ストリートでの快適性を重視しながら、フラットダートでの走行も視野に入れたG650GS。このためサスペンショントラベルは、前後170mm/165mmが確保されている。しかし、工場オプションとしてローダウンサスが用意されていて、これを選択すると前後約30mmずつほどトラベル量が減る。またこれにより、標準時で780mmのシート高は、約10mm低減。一方で、オプションパーツにはシート高が820mmになるハイシートもある。なお日本仕様は、センタースタンド、グリップヒーター、スイッチでON/OFFが選択できるABSを標準装備。価格は低めに抑えられているのに装備が充実しているのも、G650GSの魅力といえるだろう。

BMW Motorrad G650GSのここがポイント!
  • ● レギュラーガソリン仕様で低燃費のエンジン
  • ● 日本仕様はABSやセンスタなどを標準装備
  • ● 約90万円と手の届きやすい価格設定

BMW Motorrad G650GSのライバルはこれだ!

  • カワサキ
    ヴェルシス

    波乗りをするかのようにストリートを軽快に楽しめる、操縦性が追求されたモデル。649cc並列2気筒水冷エンジンを搭載。ストローク量の多い前後サスを備える。

  • BMW
    F650GS

    F800GSと同系の798cc並列2気筒エンジンを搭載した、舗装路重視のマルチパーパス。日常での使い勝手や扱いやすさを優先。G650GSから見ると上級版だ。

  • スズキ
    V-ストローム650ABS

    アルミ製ツインスパーフレームに、排気量645ccの水冷90度Vツインエンジンを搭載。3段階可変式スクリーンを備えた、2012年型で刷新を受けたモデルだ。

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