タイヤの日常点検とメンテナンス

掲載日:2010年09月21日 バイク基本整備のイロハバイク基本整備実践    

タイヤの日常点検とメンテナンス

常にライダーを含む車重を受け止め、加減速時に路面に押し付けられているタイヤは想像以上に酷使されています。減ってきたら交換するのはもちろんですが、交換までの期間に出来る点検、整備はたくさんあります。

タイヤのメンテナンスは
「転ばぬ先の杖」

常に路面と接しているタイヤは、二輪車の走行性能に大きな影響を及ぼします。快適かつ安全に走行するためには、日常的な点検やメンテナンスが大変重要になります。

 

前後タイヤのトレッド面(路面と接する面)を目視で点検してみると、色々なことに気が付きます。トレッドに刻まれた溝の中に、小石などの異物が「噛み込んでいないか?」確認しましょう。トレッド溝に挟まった異物は、直接的なパンク原因となるため、気が付いたときには必ず取り除くように心掛けましょう。万が一、釘や鉄片などの異物が刺さっているのを発見したら、抜き取る前に石鹸水などを異物が刺さった患部周辺に吹きつけ、エアー漏れが発生していないか確認します。次に、エアー漏れの有無に関わり無く、刺さった異物をゆっくり抜き取りましょう。抜き取ったところ、残念ながらエアーが漏れ、石鹸水が泡立つようなときは、パンクしていることになります。パンク修理を行う際には、まずは修理を行うための「作業スペースの確保」から始めましょう。ホイールを分解すると、想像以上に場所をとることに気が付くからです。

タイヤのトレッド面の点検は、ホイールを空転させながら行なうと作業がスムーズです。同時にホイールの異常な振れは無いか、ホイールベアリングの状態は良好かどうかの確認をしておくと良いでしょう。

タイヤのトレッド面の点検は、ホイールを空転させながら行なうと作業がスムーズです。同時にホイールの異常な振れは無いか、ホイールベアリングの状態は良好かどうかの確認をしておくと良いでしょう。

 

ここでは、実際の修理作業に関しても触れておきましょう。チューブレスタイヤの場合は、タイヤに刺さっていた異物がエアー圧の低下を防いでいる場合もあります。したがって、異物を抜き取る際には注意が必要です。異物がタイヤから抜ける瞬間に、タイヤ内圧(エアー圧)によって異物が飛ばされてしまう例もあります。このような際に怪我しないように、作業時には安全メガネなどの保護具を着用しましょう。

 

タイヤは適正な空気圧が保持されていなければ、その性能を発揮することができません。適正な空気圧は、マシンの車重や走行性能によって変わるため、市販車には必ず「メーカーが指定した空気圧」が存在します。一般的に、メーカー指定値に対して空気圧が高くなればなるほど「接地面積」が少なくなるため、ハンドリングは軽くなるもののグリップ力が低下します。一方、空気圧が低くなれば接地面が増すため、ハンドリングが重くなり、グリップ力が高まるものの走行抵抗によって燃費は悪化してしまいます。

 

この指定空気圧は、チェーンカバーやスイングアーム付近にデカールなどで明記されているため、まずは愛車をチェックしてみましょう。また、空気圧は一度適正値に合わせたとしても、極微量ずつ自然に低下していくため、定期的な点検やエアー補充をしなければいけません。エアー圧調整は、エアーポンプ(空気入れ)とエアーゲージを準備すれば、簡単に行なうことができます。

 

二輪車用のタイヤは、一般的に大きく分けてチューブタイプとチューブレスタイプとに分けられますが、チューブレスタイヤは、読んで字の如く「チューブを使用しないタイヤ」で、タイヤ本体が気密性を持っており、パンクが発生しても急激なエアー漏れが起こりにくい構造のため、安全性に優れています。

 

一方のチューブタイプは、内部に自転車と同じように筒状のチューブを組み込んでいるのが特徴で、チューブは走行時のタイヤ(接地面)から発する熱を受け、タイヤが回転するごとに厳密には屈曲しているため、耐熱性や屈曲性、弾力性、さらには気密性に優れていなくてはいけません。もしもパンクしたときに、補修用パッチを複数枚貼らなくてはいけないようなチューブのときは(もしくはパンク前歴がある場合などは)、パッチを貼って修理するのではなく、新品チューブに交換するのが最善策と言えます。

 

また、新品チューブ、補修済みチューブに限らず、チューブをタイヤへ復元するときには、タイヤ内部に異物が入っていたり、パンクの原因になった釘や鉄片などが刺さったままになっていないか、必ずタイヤの内側をきれいなウエスで確認しましょう。タイヤに刺さった異物が残っていると、その異物がウエスに引っ掛かって状況をより正しく判断することができます。

タイヤの磨耗具合はタイヤのサイドウォールに刻印された三角マークを規準にトレッド部の溝内の凸マーク「スリップサイン」を確認して判断します。このスリップサインがトレッド面とつら位置になったらタイヤは寿命です。

タイヤの磨耗具合はタイヤのサイドウォールに刻印された三角マークを規準にトレッド部の溝内の凸マーク「スリップサイン」を確認して判断します。このスリップサインがトレッド面とつら位置になったらタイヤは寿命です。

 

「空気圧」の点検「溝の深さ」の点検などなど、タイヤのメンテナンスは簡単かつ短時間にできるものなので『転ばぬ先の杖』として、走行前の日常的な点検を必ず実施しよう。

作業手順を見てみよう!

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