ラフ＆ロード RR8906 RWP EXグリップグローブ

掲載日：2012年05月02日バイク用品インプレッション

撮影・文／野岸泰之

バイク用品インプレッション

極薄素材で素手感覚を実現した
ユニークなレイングローブ

梅雨時期のライディングはもちろん、通勤や通学時、またツーリングの際にも、持っていて便利なのがレイングローブだ。用品メーカー各社から、競い合うようにさまざまな製品が出ているが、今回紹介するラフ＆ロードのRWP EXグリップグローブは、防水性よりもとにかく使い心地にこだわった製品といえる。

手にしてまず驚かされるのが、その薄さだ。素材にはウェットスーツなどに使われるネオプレーンを使用。その厚みはわずか2mmしかない。そのためグローブをしていても、素手に近い感覚を得ることができるのだ。たとえばヘルメットのアゴひもを締める、なんて動作も、普通のレイングローブならかなり苦労するか、あるいは無理なところだが、このグローブならそれほど苦もなくできてしまう。さらに、素手に近い操作感を生み出すのに大きく貢献しているのが、シームレス、つまり縫い目のない加工だ。圧着した素材をシームテープで覆うことで、縫い目がなく、かつ防水性も確保している。これにより、指先部分も薄いままなので、より細かい感覚を維持できるというわけだ。

もうひとつの大きな特徴が、随所に設けられた滑り止め加工だ。手のひら全体に加えて、指先には特別にパターンの違う加工を施してある。このことによって、走行時は雨でアクセルグリップが滑ることもないし、着用したままで細かい作業をするのも楽で、地図をめくる際にも指先が滑らない。

注意したいのは、ネオプレーン自体は防水性のある素材だが、内部の気泡に水を含むため、表面はしっとり濡れた感じになることだ。そして通気性がないため、内部の手指も湿った感じになってしまう。ただ、保温性があるのである程度外気温が高い季節なら、濡れても冷たくはない。従来よくあるレイングローブは、雨が降っても手が濡れない、どうやって濡らさないように保つか、ということに主眼が置かれていた。このRWP EXグリップグローブは完全防水ではなく、多少は「濡れる」。しかし、素手に近い操作性の良さは、雨中走行でのストレスやイライラをかなり軽減してくれるのである。ゴアテックスなどの新素材に比べればかなり手ごろな価格でもあるし、ひとつ持っておいて損はない商品といえるだろう。