楽しさVS便利さ⁉︎ 公道を走れるちょっと変わり種な電動キックボードとミニカーの2車種を比較インプレ!

掲載日:2021年10月14日 フォトTOPICS    

取材・文・写真/伊井覚


休日にツーリングに出かけるメインバイクの他に、通勤や通学にスクーターが欲しいと考えたことはないだろうか? 性能よりも利便性重視で、燃費がよく、気楽に乗れる。今の時代ならそんな通勤・通学バイクには最新の電動キックボードを選択してみるのもオススメだ。今回はそんなちょっと変わった最新の電動モビリティ2車種を紹介しよう!

のんびりもキビキビも走れる
電動キックボードBLAZE EV SCOOTER

まず最初に紹介するのこの電動キックボードはBLAZEのEV SCOOTERだ。ナンバーを取得して公道を走ることができ、免許区分は第一種原動機付自転車。つまり50ccの原付と同じ。スクーターという名前がついているが、確かにスクーターと言えばスクーターなのだが、確実に違う。まず第一に重量が約24.8kg! これは普通の50ccのスクーターの約1/3の重さなのだ。しかし、パワーはしっかり法定速度の30km/hまで出すことができるため、驚くほど軽快に感じる。

道路交通法的には普通の原付と同じなので、もちろんヘルメットの着用義務がある。スクーターと同じように椅子に座って走ると、のんびりトコトコ。普通の50ccスクーターと違う点はアクセルをいくら開けても30km/h以上は出ないため、うっかり速度違反をしてしまうこともなければ、制御できなくてコーナーからはみ出してしまうようなこともない。驚くほどセーフティな乗り物なのだ。

そしてこのEV SCOOTERの運動性能を楽しみたいなら、このように立って乗ってみれば、全く違う乗り物に生まれ変わる。同じ30km/hでも、お尻を支えるシートに座らないだけでGで身体が置いていかれ、遅れまいと上半身を前傾にしてハンドルに体を預ける。まさにスポーツライディングを楽しむことができる。しかしそれでも、速度は30km/hしか出ていないのだから、安全というわけだ。足を前後にフットレストに並べれば、まるでスノーボードのような感覚でコーナーを曲がることができる。

ちょっと特殊なのが、スロットル操作だ。通常のバイクやスクーターの場合、右手のグリップがそのままスロットルになっていて、右手を捻るとアクセルが開く仕組みになっているが、このEV SCOOTERは右手の親指が当たる位置にレバーがついていて、これを押し込むことでアクセルが開く。操作に慣れるにはちょっと時間が必要だが、おかげで上半身のバランスが崩れず、安定した操作が可能になるし、加速時にかかるGに対して指で体を支えるのも楽ちん。

タイヤサイズは決して大きくなく、工事中の砂利道や落ちている枝などにはあまり強くない。しかし左右にサスペンションも備えているため、慣れてくれば問題なく乗ったまま走ることができるだろう。街乗りではコンビニの駐車場などに入る段差などは、少しスピードを緩めてあげることをオススメしたい。

さらにこのEV SCOOTERの便利なところは、折りたたみが可能というところ。折りたたみに特に工具は必要なく、初めてでも1分もかからず、慣れてくれば30秒未満で完了する。サイズ感はマツダのデミオのトランクに入れてこのくらい。ほぼどんな車でも容易に積載でき、旅先での移動の足やアクティビティとして楽しむことができる。

最後に、価格も重要なポイントだ。メーカー希望小売価格は14万9600円。なんと15万円以下でこの便利で楽しい乗り物を入手することができるのだ。気になるバッテリーは満充電に要する時間は約3.5時間。体重や条件などにもよって変化するが、約35kmを走ることができるので、通勤や通学にも使い勝手が良い。何よりも折りたためることで置き場所にも困らないし、盗難の心配もない。そして満充電にかかるおよその電気代は約13円という、恐ろしく経済的な原付スクーターなのだ。

用途によって選べる4ラインナップ
買い物に便利なGOGO!カーゴ

一方こちらは前2輪、後1輪の3輪電動バイク、FUTUREのGOGO!シリーズ。リアに買い物カゴがついたこちらのモデルはGOGO!カーゴ、ちょっとコンビニまで、というのに便利な「ミニカー」だ。この他にも同形状でカゴのついていないGOGO! Sと、蓋付きのBOXがついたGOGO!デリバリー、そして最高速度45km/hが出るMOBILITY F1がある。

ミニカーという車両の分類についてはあまり知られていないが、道路交通法上は原付と違い、二段階右折は不要、そしてヘルメットの着用義務はない(義務ではないが、メーカーでは着用を推奨している)。そして、法定速度は60km/hだ。しかしこのGOGO!カーゴ、どんなにスピードを出そうとしても30km/hちょっとしか出ないように設計されている。そして乗ってみればわかるが、それ以上の速度を出しても決して楽しくはないモビリティだ。つまりこれは乗り物として楽しむのではなく、その手軽さ、便利さがウリな乗り物なのだ。

注意点として、これは普通自動二輪や原付免許だけでは運転することができない。普通自動車免許が必要なので、気をつけて欲しい。

こちらはEV SCOOTERと違い、立って乗るのはあまりオススメできない。しっかりシートに腰を下ろしてゆっくり走るのが適切な使い方と言えるだろう。前2輪ではあるが、2つの前輪が上下に可動するようになっているため、車と違い、曲がるときはマシンを傾けて曲がっていく。いわゆる3輪バイクと同じ感覚で乗ることができる。見た目が少し重そうに見えてしまうが、重量はわずか25kg。坂道でもぐいぐいと登っていくので、コンビニやスーパーまでの間の急な坂道が辛い、という人にもオススメな最強の買い物電動バイクなのだ。

驚きなのはサイドスタンドは存在しない。そう、傾いた状態で自立してしまうのだ。最初は不安なものだが、慣れてしまえばこれほど楽なものはない。

坂道や不安定なところで駐車したい時は、レバーの付け根に備わっているブレーキロックボタンを使おう。

メーターは大きく、見やすい。パワーモードが5段階で選べるが、最高の5でも最高速度30km/hなので、普通に原付に乗れる人なら5固定で問題ないだろう。逆にパワーを弱く設定すれば足の不自由なお年寄りの買い物バイクとしても安心安全な作りになっている。

スロットルはグリップの根本側、半分ほどを回すことでアクセルが開く仕組みだ。感覚的には通常のバイクとほとんど変わらない。

リアに装着されている買い物カゴ。日常の買い物ならなんの問題もないサイズと容量を誇り、網などをかければ上から飛び出してしまうのも防ぐことができる。空荷の時はヘルメットやグローブなどを入れておくのにも便利だろう。

気になったのはシート下のスペースだ。ちょっとしたものならここに収納もできそうな気がする。

バッテリーの脱着が非常に簡単なのも注目のポイントだ。フットレストをただ持ち上げるだけで、バッテリーがお目見え。ワンタッチで取り外して充電や交換が可能だ。

こちらは折りたたんでの収納はできないが、ミニカーとしては最小級サイズで僅かな置き場所で事足りる。重量も25kgと軽量なため、ちょっとした段差なら持ち上げて保管場所まで移動することが可能だ。満充電での航続距離は約30km/h。メーカー希望小売価格は27万2800円、近所のお買い物から通勤・通学まで、安全かつ便利な電動ミニカーなのだ。

今回紹介した電動バイクはどちらのモデルも航続距離と最高速度は同じ。違いは価格と、その主な用途だ。買い物をメインに考えている場合はFUTUREのGOGO!カーゴを、積載性よりも運動性を、さらに乗り物としての楽しさが欲しい人はEV SCOOTERをぜひチョイスしてみてほしい。

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