掲載日:2020年03月08日 原付漫遊記 › 松本よしえのゆるカブdays
え・文・写真/松本よしえ
高さ1.5m制限のガードだなんて、バイクならジャイロキャノピー(全高1690mm)が通過できないかもしれない低さ。ここは東京都港区高輪二丁目にある「高輪橋架道橋」です。
ビルが林立する国道15号からひょいと曲がると、にわかに昭和時代の下町へタイムリープしたかのような体で現れる迷所ガードなのです。頭上は東海道新幹線やJRの在来線が轟音を立てて往来し、ガード下すれすれをタクシーが走り、通行人や自転車に乗る人は身を縮めて通り抜けます。
ところで、このガードはJR山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」(2020年3月に暫定開業予定)の開業に伴う再開発で消滅し、新たな道つけで新設される予定です。今年の4月には車両が通行止めになると聞き、慌てて出向いたのは3月1日。ガード周辺を探したところ通行止めの告知などはまだありませんでした。でも近々通行止めになるのは間違いないようです。
ガードの歴史をたどれば1872年(明治5)に開通した新橋と横浜を結ぶ鉄道の工事によってできた水路が埋め立てられ大正時代に道路になったそうです。ガード下の高さが実質約1.7mと低いのは当時の基準(男性は160㎝台前半、女性は150㎝ほど)なのか。明治から大正時代を経て令和まで残り続けた東京遺産の迷所ガード。カブで走って実感(記憶)できるのはいまだけですよ!