【ホンダ CB125R 試乗記】とにかく軽くてよく回る。ひたすら楽しいCB125R

掲載日:2021年07月02日 試乗インプレ・レビュー    

取材・写真・文/伊井 覚

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HONDA CB125R

2018年3月にCBシリーズの末弟として初登場したCB125Rが、3年経ってモデルチェンジを遂げた。主にエンジンをOHCからDOHCへと進化させパワーアップ。それに伴って足周りを充実させたのだ。

普通自動二輪への入り口的存在
ライディングプレジャーを秘めた125ネイキッド

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近年、原付二種は大いにそのレパートリーを増やしている。理由は普通自動車免許から限定解除するだけで乗れる免許区分と、ファミリーバイク特約でカバーできる任意保険の安さだ。国内メーカーの中でもホンダは特にこのクラスに力を入れており、スーパーカブC125やモンキー125、CT125ハンターカブなど、多くの人気車種をラインナップしている。そして、ホンダの代名詞とも言えるCBシリーズの楽しさを秘めたにが、このCB125Rである。一度このマシンに乗って、バイクを操る楽しさを知ってしまえば、もう後戻りはできない。

ホンダ CB125R 特徴

排気量はそのままに全体的なパワーアップを果たす

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CB125Rは今回のモデルチェンジによって、排気量はそのままに最高出力で+1.2kW(11kW/10,000rpm)、最大トルクで+2N・m(12N・m/8,000rpm)ものエンジン性能向上を果たして見せた。さらにDOHCのエンジンは通常、OHCよりも高回転型になるというのが通説だ。しかし実際に乗ってみると、このCB125Rは旧モデルよりも低〜中速域のトルクアップが顕著に感じられた。OHC時代の2バルブからDOHC4バルブへとバルブ数が増えていることから、高回転だけでなく、全域でのパワー・トルクアップ効果を得ることに成功したのではないかと思う。

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そのエンジンキャラクターの違いはボア×ストローク、及び圧縮比の変化からも見てとれる。旧モデルが58.0×47.2mm(圧縮比:11.0)だったのに対し、新型は57.3×48.4mm(圧縮比:11.3)となっているので、大まかな特性は変わらないが、旧モデルに比べればややロングストローク気味になっていると言えるだろう。

ホンダ CB125R 試乗インプレッション

法律が許せば高速道路だって乗れそう
スポーツ走行も楽しめる街乗りバイク

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実際に乗ってみて驚いたのが、本当に軽やかにエンジンが回るのだ。油断しているとあっという間に10,000回転まで針が振れてしまう。しかも、スペック上では一応10,000回転で最高出力となっているのだが、そこから上でもまだ加速するのだ。旧モデルも割と最近乗っていて、とてもよく回った記憶があるのだが、それよりもさらに高回転が使いやすくなっていた。

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さらに言えば、いわゆるパワー曲線の谷のようなものが全くと言っていいほど感じられない。ギクシャクしたり、ある回転数でドッカンと急に出力が向上したりすることがなく、驚くほど自然に加速していくのだ。

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かと言って低回転のトルクがないかと言われると決してそんなことはなく(もちろん125ccなので限界はあるが)、ストップ&ゴーの際のシフトアップもさほど忙しくないし、2速発進だってストレスなく可能だ。街乗り最強なのは言うまでもないが、ジムカーナのような最高速の要らないレース競技でもかなり戦えるマシンなのではないだろうか。

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変わったのはエンジンだけではない。フロントサスペンションにはCB650R同様のSHOWA・SFF-BP(セパレート・ファンクション・フォーク・ビックピストンタイプ)が奢られている。これはフロントフォークの左右で減衰機構とプリロードを分担することで軽量化を果たしたものだ。実は、最初に跨って前後に揺らしてみた時に、ちょっと嫌な予感がした。サスペンションの動きが柔らかく、僕の苦手なピッチングの大きい(フロントブレーキをかけた時にフロントフォークが大きく沈み込む)タイプのマシンに思えたからだ。しかしそれは杞憂だった。軽量な車体のおかげか、はたまたフレームがしっかりしているからなのか、実際に乗ってコーナーでブレーキングしてみると、驚くほど車体は安定しており、嫌な沈み込みはない。スポーツ走行をするならば、もう少しフレームの剛性を上げて、サスペンションも硬めにセットすべきだろうが、街乗り重視のモデルと思えば、このセッティングで正解だろう。

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ブレーキも必要十分に機能するし、ABSの動作性も不自然な感じはなく、安心できた。ただ一つだけ気になったのはハンドリングが軽やかすぎて、コーナーでは問題ないが、Uターンなどでハンドルを大きく切った時に少しフロントタイヤが切り込みすぎる感覚があったことだろうか。

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ホンダ CB125R 詳細写真

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CB1000Rを筆頭としたNEO SPORTS CAFEシリーズの大きな特徴とも言える丸型LEDヘッドライト。フロント周りの軽量化に大きく貢献しており、ハンドリングの軽さはこのおかげとも言える。

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旧モデルのOHCからDOHCに変更された水冷4ストローク単気筒エンジン。バルブ数も4バルブになっており、低回転から高回転まで出力を向上。また、エアクリーナーの形状を変更したことで吸気抵抗を減らすことに成功している。

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排気系にはコンパクトなダウンショートマフラーを採用。マスの集中化はもちろん、スリムな外見と、自由なライディングポジションを可能にしている。エンジン音は単気筒らしいパルス感を楽しめる。

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フロントサスペンションにはSHOWAのSFF-BP倒立フロントフォークを採用。内部構造を減衰機構とプリロードで左右に分担することで軽量化を実現。こちらもヘッドライトと合わせてハンドリングの軽さに寄与している。

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ハンドルバーは少し広めで、中央のクランプ部と先端で太さの違うテーパーバーを採用。"しなり"で衝撃を吸収しつつも凸凹を情報としてダイレクトに感じ取れる。左右スイッチ類は至ってシンプル。

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フルデジタルの液晶メーターはタコメーターや速度計、シフトインジケーター、ギアポジションインジケーター、時計、燃料計などを表示する。数値の見易さだけでなく、フロント周りの軽量化にも大きく貢献している。

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10Lの燃料タンクは容量のわりにコンパクトで、マスの集中化にも寄与。膝のスペースもしっかり確保されているため、ニーグリップも助けてくれる。

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スリムなイメージが強いが、ライディング時の前後の移動は思いの外シートが気になる。特にリアは少し広めに設計されている。タンデムも窮屈すぎず問題なくできそうだ。

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ステップは細く、荷重をかけやすい設計。ホイールサイズ17インチのフルサイズとはいえ全体的にコンパクトでポジションが自由になりやすいので、ブレーキ操作はかなりやりやすい。

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タイヤは前後DUNLOPのGPR300。サイズは100/70R17M/C 54H、ブレーキには296mmのウェーブ形状ディスクを採用している。また、キャリパーは対向4ポッドラジアルマウントキャリパーを装備。

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リアタイヤのサイズは150/60R17M/C 66H、ブレーキディスクは220mmを採用。少し流線型をしたスイングアームは高剛性としなやかさを兼ね備えた高張力鋼板製。

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リアサスは分離加圧式でピストンバルブを大径化。軽量化と応答性に優れている。硬すぎず柔らかすぎず、実に適度なセッティングになっていて、加速・減速に反応してよく沈み、安定感を感じられた。

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テールランプはオールLED。明るく目立つが、シルエットを崩さないコンパクト設計で、テール周りのショートテール化を演出。二重構造のレンズが立体的な光を作り出している。

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