マラグーティ F12ファントム50R
マラグーティ F12ファントム50R

マラグーティ F12ファントム50R – スポーティで印象的なイタリアンスクーター

掲載日:2011年10月11日 試乗インプレ・レビュー    

高い環境性能と動力性能を合わせ持つ
スポーティで印象的なイタリアンスクーター

今年(2011年)に創業80周年を迎えたマラグーティ社は、イタリアンスクーター&バイクの老舗メーカーである。F12ファントムシリーズは1994年に発売され、ヨーロッパを中心に40万台以上の販売台数を記録している人気シリーズだ。今回ご紹介する『F12ファントム50R』は、今年9月に東京で開催されたインポートスクーターフェスティバルで日本初披露され、その存在感あるデザインで多くのライダーを魅了した注目モデルである。

F12ファントム50Rは、前モデルのF12ファントム50のマイナーチェンジモデルと位置づけられる。主な変更点は、外観のデザイン、環境基準ユーロ3への対応、そしてホイールサイズが12インチから13インチに拡大されたことだ。環境性能と走行性能は一台のバイクに同居できるのか。走行距離がまだ50kmという新車を借りて、実走してみた。

マラグーティ F12ファントム50Rの特徴

マラグーティ F12ファントム50Rの画像

迫力のデュアルプロジェクターライトほか
所有する喜びを高める機能美と造形美

50ccクラスにしては大柄なボディのため、13インチホイールとのマッチングにも違和感はない。マットブラックのボディは、写真で見るほど各所の輪郭が浮き上がらないのだが、太陽の下で観察すると、あちこちに遊び心あふれるデザインが施されていて、それを探すのは楽しい作業に感じた。

マラグーティ F12ファントム50Rの画像

まず目に付くのはフロントマスクのデザインだろう。漆黒のカウルに配置された2連プロジェクターライトは、まさにこのモデルの顔ともいえる部分で強烈な個性を発している。戦闘機のエアインテークのようにフロントカウルやフェンダーに開けられたスリットは、実はアンダーカウル内のラジエーターに風を導くという役目を担った機能とデザインの見事な調和が感じられる部分だ。ステップ後部は戦闘機の羽のように広がり、テールエンドはジェットエンジンのエキゾーストノズルのようなデザインで仕上げられている。

マラグーティ F12ファントム50Rの画像

スポーティさを感じる固めのシートは、シート高が830mmもあるため足付き性は今ひとつ。テスター(身長163cm/体重65kg)の場合は、つま先の接地がやっとだった。しかし、走り出せば着座位置の高さが生み出す良好な視界が安全なライディングに必要十分な情報をもたらしてくれる。シート下のメットインスペースは、シンプルなジェットヘルメットを収納できる容量があり、2ストロークオイルとガソリンの給油口もシート下に設置されている。ユーロ3対応のために新設計されたチャンバーは、排気口が路面を向いた仕様。その独特のデザインと共に、このマシンが2ストロークであることを強烈に主張している。なお、冷間始動時に若干の煙とにおいが出るが、アイドリング音はとても静かで振動も少ないのが印象的だった。

マラグーティ F12ファントム50Rの試乗インプレッションは次ページにて

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索