日常に"旅感"をプラスする、リード工業のシステムヘルメット「REIZEN」

掲載日/2020年12月17日
取材協力/株式会社リード工業
写真、取材、文/伊井覚
構成/バイクブロス・マガジンズ
オートバイにヘルメットの着用が義務付けられた1965年から50年以上オートバイ用ヘルメットの製造販売に取り組み続け、日本のオートバイカルチャーを支えてきたリード工業が新作システムヘルメットREIZENをリリース! 業界外で活躍するデザイナーを採用した斬新なデザインや、独自のアイディアから生み出された利便性の高いヘルメットなど、オリジナリティ溢れるモノづくりがウリの同社。今回リリースされたREIZENは、通勤や通学などの日常使いの時間にも旅を感じることができるシステムヘルメットだ。

通勤・通学からツーリングまで幅広く使える利便性

フルフェイスヘルメットは長距離ツーリング用、ジェットヘルメットは通勤・通学やご近所のお買い物用、などと用途を分けて2種類以上のヘルメットを使いわけている人は多いと思う。しかし当然の事ながらいつどんな時でも、不慮の事故は起きてしまうもの。そんなあなたに提案したいのが、フルフェイスヘルメットの安全性とジェットヘルメットの快適性を兼ね備えたシステムヘルメットの存在だ。これならばツーリングと通勤・通学でヘルメットを分けずとも、一つの安全性の高いヘルメットですべてを賄うことができる。

今回はその性能を肌で感じつつ、お台場をショートツーリングしてみた。この日はお台場にしては風のおとなしい日だったが、レインボーブリッジを渡るとさすがに風が強い。REIZENには走行風でヘルメットが持ち上がってしまうことを防ぐエアロダイナミック設計が取り入れられているため、その恩恵を肌で感じることができた。

相棒はスタイリッシュなデザインと、オフロードバイクに造詣の深いメーカーらしいしなやかなサスペンションを備え、高回転までスムーズに回る伸びやかなエンジン特性で若者を中心に人気を集める次世代ネイキッドスポーツ、ハスクバーナのスヴァルトピレン401をチョイス。REIZENのシンプルなカラーや、スタイリッシュなデザインはどんなバイクとも親和性が高いことが感じられる。

システムヘルメットはどうしても構造が複雑になってしまうため、被るとオーバーサイズに見えることが多いのだが、このREIZENは特に左右方向をシェイプアップ。可能な限りコンパクトな見た目になるようにデザインされている。また、システムヘルメットで気になるのは重量だ。ロングツーリングなどで長い時間被っていると重さで首が凝ったり頭痛が発生してしまうことがある。REIZENも数字上は他社のものと大きな違いはない。しかし、リード工業によると設計で低重心化を心がけ、バランスを最適化することで重さを感じにくい作りになっているとのこと。

旅に憧れながらも
日々を頑張るライダーに贈る

REIZENという名前はオランダ語で「旅」を意味する。実際にロングツーリングに出るときにももちろん使えるのだが、それよりもこのヘルメットを所有することで、多忙な都会の日常でもまるで旅の途中かのような気持ちを味わってほしいという想いから呼称されたとのこと。

事実、このREIZENを所有していれば気軽な通勤・通学からロングツーリングまで一つのヘルメットで賄うことができる。そのため、いつも何気なく見ている夕陽でさえも、長旅の途中で見かけた唯一無二の夕陽のように見えるかも知れない。また、仕事の後、気分転換にちょっと遠出して海を見に行く、などという気持ちにもさせてくれるかも。

王道のノーグラフィック
カフェや自然にも溶け込むデザイン

スタイリッシュなデザインだからおしゃれなカフェに立ち寄った時でも違和感なく溶け込んでくれる。バイク用のヘルメットによくある派手なグラフィックデザインは一切ないため、店員さんや他のお客さんにも威圧感を与えることがない。

ツーリング中に発見したストリートでウィンドウショッピング。カジュアルなウエアやおしゃれな街並みにも自然に溶け込んでくれる。

脱着しやすさの秘密は帽体の形状にアリ!

フルフェイスヘルメットは脱着するときにチークパッドが頬に擦れて、ツーリングの後半になるとそこが痛くなってしまいがちだが、システムヘルメットなら、チンガードを開けてから脱げばそんなストレスも軽減することができる。

さらにこのREIZENは開口部のサイド部分をカットすることで脱着する時に内装が外に広がりやすく作られている。脱着の機会が多い普段使いでもありがたい作りだ。

チンガードをワンタッチでオープンすることができるシステムヘルメットなので、信号待ちで仲間やタンデム相手と会話をする時も大声を出さずに済む。チンガードの開閉は顎部分にある赤いボタンを押して持ち上げるだけ。

もちろん休憩時間のドリンク補給や喫煙もヘルメットを脱がずに楽々できてしまう。

その他、キホンを抑えた充実の機能

インナーサンバイザーの開閉は内側のスイッチを操作するだけなので片手でも楽々。右手でスロットルを握りながらでもできる。


また、前頭部、顎部には開閉可能なエアベンチレーションのインテークを装備。気温に応じて走行風をヘルメットの内部に取り込み、熱や蒸れを軽減させることができる。


あご紐はラチェット式バックルで、個々のサイズに合わせて締め付け調整が可能。ヘルメットホルダーに固定するためのDリングも装備されている。

男性用、女性用がそれぞれ発売
さらに同コンセプトのジェットヘルメットも

LEAD
REIZEN
価格:¥21,000(税抜)
カラー:ホワイト、マットブラック
サイズ:M(57〜58cm未満)、L(59〜60cm未満)、LL(61〜62cm未満)
規格:PSG、SG
重量:約1,700g

REIZENのラインナップは記事内で着用しているホワイトとマットブラックの2種類。マシンやウエアのカラーに合わせて好みのカラーを選びたい。どちらもシンプルかつスタイリッシュで様々な用途に柔軟に対応してくれるだろう。インナーや顎紐のカバーは取り外して洗濯することが可能。

LEAD
reise
価格:¥23,000(税抜)
カラー:ホワイト、ブラック
サイズ:S(55〜56cm未満)、M(57〜58cm未満)
規格:PSG、SG
重量:約1,700g

女性向けバイク雑誌とコラボして誕生したREIZENの女性向けモデル。デザインだけでなく内装も女性向けに製造されている。REIZEN同様、インナーや顎紐のカバーを取り外して洗濯することが可能になっているだけでなく、予備の内装が一式付属しているのも嬉しいポイント。また、これまでは女性用ヘルメットの顎紐にはファンデーションが目立ちにくい配色を採用してきたが、実はチークの方が内装に付着する悩みが多いという意見から、濃い茶色のカバーを採用するなど随所にリード工業ならではの細かい心遣いが見られる。

LEAD
FLX
価格:¥12,000(税抜)
カラー:マットブラック、マットシルバー
サイズ:L(59〜60cm未満)、LL(61〜62cm未満)
規格:PSG、SG
重量:約1,300g

こちらはインナーシールド付きのジェットヘルメット。エッジの効いたシャープなデザインで幅広いライダーを対象としている。シェルのイメージはREIZEN、reiseと同様で、REIZENのジェット版と言っても過言ではない存在。原付モデルやスクーターのライダーにオススメだ。

INFORMATION

住所/東京都足立区宮城1丁目17番21号
電話/03-3912-2751
営業時間/10:00~17:00

戦後、一躍需要を増した自転車の部品製造会社を出発点とするリード工業(LEAD)。復興と経済発展が進むにつれて爆発的に増えたバイク部品の製造に取り組むようになったのは、自然な流れでした(昭和30年)。当時のバイクは、あくまでも実用品。会社の営業者であり、家庭の自家用車でしたから、動くために必要な部品の次は、役に立つ道具にするための用品が求められることもまた、自然なことだったのです。当時は、荷物を入れるためのボックスや快適に走るための風防(スクリーン)が主な商品だったのも頷けます。また、昭和40年代の終わりには、生産拠点を求めた海外進出が始まっています。必要なものを、より求めやすい価格で、大量に生産するためです。その後、国内のバイク人気を追い風に事業を拡大し、レザーウェアの製造を行っていた時期もありました。現在の主力商品はヘルメットと盗難防止用品、それからグローブとバイクカバーも。求めやすい価格と豊富なバリエーションで、昔と同じようにライダーの役に立つ道具を作り続けています。