バイクに乗るのがもっと楽しくなる、日常を彩るリード工業の70周年限定ヘルメット

掲載日/2019年9月11日
取材協力/株式会社リード工業
写真/稲垣正倫 取材、文/伊井覚
構成/バイクブロス・マガジンズ
ヘルメットを中心に、グローブやバイクロック、その他アクセサリーなどバイクパーツ全般を取り扱うリード工業が、今年設立70周年を迎えた。ヘルメットの中でも人気の高いジェットタイプから「MOUSSE」、そして女性専用モデル「NOVIA」の2モデルに70周年記念限定モデルを発売。リード工業のオリジナルヘルメット全てに共通する、他にはない唯一無二のデザインを楽しんでほしいという想いが、このヘルメットにも込められている。

女性のバイク乗り、といえばルパン三世の峰フジコを思い出す人も多いだろう。バイクは、ちょい悪なイメージをともなっていて、それはバイク用品店に置いてあるヘルメットのラインアップからも見て取れる。カワイイけど、ドクロ。カワイイけど、レーシング。ミリタリー色が強かったり、スターやゼッケン…。バイクから離れた純粋にカジュアルなデザインは、探してみると驚くほど少ない。

リード工業では、あえてバイクと全く関係のない分野で活躍するデザイナーを起用することで、今回のような他メーカーではなかなか見られない個性的な商品を生み出すことに成功している。

あなたのお気に入りの組み合わせはどれ?
カラーごとに異なる動物がデザイン

MOUSSE、NOVIAともにカラーラインナップは4種類。ただ色が違うだけでなく、それぞれサイドにデザインされている動物の柄が異なっている。

MOUSSEはマットシルバーにはライオン、スモーキーレッドは水牛、マットグリーンはゴリラ、マスタードはフクロウがアイコン的に描かれている。

また、NOVIAにはDESERTには豚、BLACKには猫、WHITEには鳥、BROWNには馬。こちらはMOUSSEと違った線画で繊細。

最初は、一枚の猫のイラストがあり、そこから他の動物やベースカラーとの組み合わせを担当者とデザイナーでミーティングを重ね、詰めていった。各色ごとに描かれているデザインを変更することで製造コストはあがっている。しかし担当者のモノ作りへの強いこだわりと、それを認めてくれるリード工業のモノ作りにこだわる社風が、これを可能にしているのだ。

おしゃれにバイクを楽しみたい人に贈る
カジュアルヘルメット

ヘルメットの中でも特にジェットヘルメットは女性にも人気があり、デザインで選ぶユーザーが多いアイテムだ。今回、リード工業が提案してくれた70周年モデルは街乗りで気軽に、しかもおしゃれに使えるデザインのジェットヘルメット。

例えばクロスカブに乗って通勤・通学に使う場合や、ちょっと近所のカフェまでコーヒーを飲みに行く時などは最適と言えるだろう。

「ライダースジャケットに合わせてツーリングに行くというよりも、通学やちょっとした買い物など私服でバイクに乗るような方に、選んでもらえたらと思っています。当然、人それぞれで感性が違いますので、万人が気に入ってくれるデザインを作ることはできません。ですが、10人に1人が気に入ってくれて、欲しいと思ってもらえるようなものを作りたいと思っているんです」とは企画開発部の瀬山隆明部長の談。

お気に入りのバッグでお出かけする時のウキウキや、憂鬱な雨の日でも新しく買った可愛い傘を使える喜び、そんな日常の気分を彩ってくれるカジュアル要素が、リード工業のヘルメットにはある。

レディース専用のNOVIAはMOUSSEに比べてやや帽体が浅く作られている。ジェットヘルメットは、被ったときのシルエットで雰囲気がまるで変わってしまうが、女性らしさを追求した帽体はフェミニンなムードを演出してくれる。

LEAD
70th MOUSSE ジェットヘルメット
価格:¥14,000(税別)
カラー:スモーキーレッド、マットシルバー、マスタード、マットグリーン
サイズ:フリー(57〜60cm未満)
規格:PSC、SG(全排気量対応)
重量:約1,300g

LEAD
70th NOVIA ジェットヘルメット
価格:¥14,000(税別)
カラー:ホワイト、デザート、ブラウン、ブラック
サイズ:フリー(55〜57cm未満)
規格:PSC、SG(全排気量対応)
重量:約1,200g

どちらのヘルメットも、ワンタッチで脱着が可能なラチェット式バックルを装備。ジェットヘルメットながら内装を取り外して洗浄することができる。MOUSSE、NOVIAともにフリーサイズのみのリリースだが、頭の形や大きさに合わせて微調整できるようにサイズ調整スポンジが付属している。

成長のカギは企画力、リード工業の新たな挑戦

「今後もヘルメットをメインに、面白い企画があればこれまで扱ったことのないアイテムでもどんどん手を出していきたいです。海外からのオファーもあるのですが、ヘルメットは規格準拠が難しく、まだあまり考えてはおりません。それよりも今はまだ国内でうちにしかできないことが、たくさんあると思っています。

世の中にはまだまだ面白い技術や素材があるのですが、それをうまく製品に仕上げるのが課題です。例えばドライブレコーダーやインカムなどを内蔵したスマートヘルメットも研究しています。うち(リード工業)は決して高級ヘルメットを求められている会社ではありませんが、最先端は常に意識しています」と瀬山部長は語る。

担当者の自由な発想を大切にし、常に面白いモノを提案していきたいという姿勢こそが、リード工業が70年もの間成長を続けてきた秘訣だろう。今後もリード工業の新しい挑戦に大いに期待していきたい。

取材協力:ライダースカフェ・ツーリングポイント
住所:東京都足立区保木間4-50-13-103
TEL:03-3858-2838

INFORMATION

住所/東京都足立区宮城1丁目17番21号
電話/03-3912-2751
営業時間/10:00~17:00

戦後、一躍需要を増した自転車の部品製造会社を出発点とするリード工業(LEAD)。復興と経済発展が進むにつれて爆発的に増えたバイク部品の製造に取り組むようになったのは、自然な流れでした(昭和30年)。当時のバイクは、あくまでも実用品。会社の営業者であり、家庭の自家用車でしたから、動くために必要な部品の次は、役に立つ道具にするための用品が求められることもまた、自然なことだったのです。当時は、荷物を入れるためのボックスや快適に走るための風防(スクリーン)が主な商品だったのも頷けます。また、昭和40年代の終わりには、生産拠点を求めた海外進出が始まっています。必要なものを、より求めやすい価格で、大量に生産するためです。その後、国内のバイク人気を追い風に事業を拡大し、レザーウェアの製造を行っていた時期もありました。現在の主力商品はヘルメットと盗難防止用品、それからグローブとバイクカバーも。求めやすい価格と豊富なバリエーションで、昔と同じようにライダーの役に立つ道具を作り続けています。