世界中が注目する17インチTMAX530カスタム

走りと見た目を両立させる
17インチの神髄

2020年4月に紹介したTMAX530は、17インチ化された足回りに注目が集まり、日本国内だけではなく、世界中のTMAXファンがこの車両に釘付けとなった。その姉妹車とも言える最新車が、今回の車両となる。言うまでも無く特筆すべきはその足回り。今回も前後17インチに変更されているが、この車両のサスペンションは前後共にオーリンズを使用。乗車時の絶対的な性能はもちろんだが、ノーマルの15インチよりも2サイズアップされていることから、車両全体の視覚的なバランスも向上。よりレーシーな見栄えが印象的だ。しかも、オーナーの好みに合わせてバネをペイントするなどのひと手間を加え、色味をダークトーンに統一。乗り味の追求だけではなく、ドレスアップ要素としてのこだわりも感じられる要素も必見。

外装については、嫌みのないレベルで弥生製のカーボンパーツを装着しつつ、フロントフェイスは530特有のシャープさを増長してくれるフランスのBCDデザイン製を採用。このバランス感もやはりオーナーの趣向にエタニティのエッセンスを加えることで成立させている。エンジンや吸排気によるチューニングは、マロッシ製ビッグボアキットによる560cc化、ファンネル仕様ビッグスロットル、そして駆動系を変更。これらはTMAX用のメニューとしては定番のものであり、17インチでハイグリップタイヤを装着したTMAX530を最大限楽しむための内容と言えるだろう。

TMAXファンは、初期型から数えても相当数が世界各国に存在する。しかし、エタニティが手掛けるような緻密な加工を必要とするチューニングの最先端にいるのは、この日本なのだ。極東より全世界のTMAXファンに愛を込めて。今後もこのような車両が生み出されることを強く期待したい。

詳細写真

日本国内では主要TMAXショップが17インチ化を積極的に実施してきたが、時代と共にサスペンションそのものやそれ以外のパーツも進化している。この車両のキャリパーはブレンボのHPを採用。ハイパフォーマンスと名付けられているだけに、小型ながらも絶大でコントロールしやすいストッピングパワーを確保。またホイールもマルケジーニの最高峰、マグネシウム鍛造のM7R Genesiを選び、最高峰の足回りを完成させた。

こちらが全世界のTMAXユーザーが注目する17インチ化されたリア回り。チェーン駆動にするため前後スプロケットの装着だけではなく、ミリ単位の緻密なフィッティング作業を繰り返すことで実現している。「車両ごとの微妙な個体差があるため、必要パーツを同梱してのセット販売は難しい」とは、車両製作を手掛けたエタニティ代表上田さんの言葉だ。

アンダーカウルに隠れてしまい見えにくいが、リアサスもオーリンズを使用。同製品と言えばイエローのカラーリングが特徴だが、派手な雰囲気を避けるため、バネはグレー、リザーバータンクはブラックアルマイト処理を実施。オイルフィラーキャップなど、各部のドレスアップも忘れていない。

カーボン柄が特徴的なシートはエタニティ製。それ以外の外装パーツは弥生製を選択。カーボンを強調することでレーシーな雰囲気を獲得しているが、フロントまわりには採用せず、このリアに集中させているのがポイント。マフラーはエキパイ共に定番のアクラポビッチ。

ハンドルもエタニティが得意とするセパレートハンドル化を実現しているが、さらに注目すべきはこのスイッチボックス。プッシュボタンコントロールが可能なモトガジェット製mo-スイッチミニを２連で装着。このシンプルな構成によりスクーターのハンドル回りとは思えない、オーナーこだわりのシンプルな雰囲気を獲得した。

ウインカーとテールランプは、M-SOULが取り扱うレベル10を採用。TMAX530が持つ高級感を損なわないようなこの光加減が秀逸。M-SOULと言えばビッグスクーター全盛期に634（ムサシ）ブランドで時代を作った老舗ショップであり、今でも関連商品をラインナップしていることが、古くからのファンにとっては嬉しい限りだ。