掲載日:2021年07月21日 プロが造るカスタム
取材協力/GOTTY 取材・写真・文/ガスグラフィックス
ビッグスクーターブームが落ち着いたとは言え、まだまだハードカスタムにおける新しい手法が生み出されていた2011年に、この驚くようなスタイルのマジェは生み出された。製作は大阪のGOTTY。この年に、当時の専門誌「スクータートライブ」主催によるカスタムコンテスト「RAGE(レイジ) Vol.3」が東京お台場で開催され、見事にカーホイール部門で優勝したのである。その時から一部仕様変更が施されているが、伝説となったこの青マジェ=ロックスターギア3rdは健在。今の新しいユーザーに、当時のシーンの一端を知ってもらうために、ここで紹介したい。
強大なリアタイヤの存在感。この車両の神髄はここに尽きる。リアタイヤに関しては、ブームの始まりから終焉まで業界を盛り上げてきた人気ブランド、マッドスピードが当時販売していた大径ホイールをボルトオンで装着するキット、マッドポッドを使用。しかし、GOTTYでは通常のマッドポッドでは飽き足らず、メーカー指定サイズを超える圧巻の外観を得るため、特注で製品を強化。その結果、360/18インチを装着可能な通称“GOD POD(ゴッドポッド)”=神の領域のマッドポッド、を完成させたのだった。その結果、当時でもすでに激戦区となっていたカーホイール部門で圧倒的な勝利を収め、時代に名を遺す1台となったのだ。
すでに10年も前に完成した車輌だが、オーナーが変わっても基本スタイルは変化せず、一部だけ仕様変更が施されているが乗り継がれている。コンテストを賑わした有名車が、オーナーの手元から離れて無残な姿になることも多い中で、こうしていつまでも愛されているというのはとても貴重なことだ。