夏の思い出ルート

掲載日:2007年12月27日 ツーリング情報局東北エリア    

冬の東北はバイクで走れない…
そこで思い出深いルートを紹介します

皆様こんにちは☆ 真冬の雪景色に埋もれて冬眠真っ最中の私です。走りたくても走れないのが何よりもストレスですっかり元気を失い欠けていますが、皆様は私の分まで元気にランorカスタムを楽しまれていらっしゃいますでしょうか^^?今回は前回のお約束通り! シーズン中に走ったコースを紹介させて頂きます☆ ちなみに今回のルートは、県内の内陸コースに限定して言えば、最も感動した&大自然の恵みを存分に堪能できたルートでした。この日は8月のお盆前で、何と最高気温は37℃超え!北東北にしては正に異常気象でした。そんな理由で、この日はとことん「涼」を求めて走り、偶然通りがかった「大自然の冷房ルート」をご紹介させて頂きます。加えまして…ひらめきで走ったルートですので、もしかすると地元人もあまり通らないであろうマニアック?なコースかもしれませんが、どうかお付き合い頂ければ幸いです。

イメージ当日。内陸より沿岸の方が涼しいかと思い、とりあえず三陸海岸ルートの45号線を目指し約100kmの道のりをひたすら走ります。沿岸沿いへ到達してはみたものの…既に猛暑にて目の前クラクラ状態でした(危ないw)。たまらず上着を脱ぎ、海水スポットで有名な大槌市のコンビニにて休憩している矢先のこと…右手に一本の細い道があるではありませんか!路上の看板へ目を見上げると「釜石ウインドファーム」と書かれています。さらに遠くに目をやると、山のてっぺんには風車がずらり!!とっさにコンビニにて地図を確認したところ、釜石広域風力発電所へ続く「スリーグリーンライン」=「新山高原」へ向かうコースであることが分かりました。しかも信号も全くなさそうな涼し気なコース。「これは行くっきゃない!!」と思い進んだ結果、大正解でした☆☆☆ 行きは今にもダートが出没しそうな(実際は分岐点にダートがありましたが避けて走りました)とにかく狭い道で、細々とした急カーブの連続。場所によっては車とバイクもすれ違えない程の車幅で、頭上真近まで森林が生い茂っていました。さらには時折腰の位置に横ばいに生えている木々が参上…。虫だけではなく枝に刺されないよう(笑)!?要注意しながら走らなければならない程険しかったです。

イメージ恐る恐る、約20kmのこの道を慎重に進みました。対向車も見えないブラインドコースなので、大勢で走るにはちょっと危険かもしれません。でも、生い茂る森林のお陰で日差しをシャットアウト!木の葉でまばらに日影となっているコースはわずかながらも冷房の役目を果たしてくれました。ここまで森林の香りをダイレクトに感じながら走ったのはおそらく初めてではないでしょうか?一言で表現するとしたら、まるでジャングルのようなコースでした。更には「熊に注意」の看板が点在していました。思わず「♪森の熊さん♪」を歌いながらルンルン気分で進みました(おバカ?)。実際には熊こそ出没しませんでしたが、プチ北海道の如く!?牧場が点在し、牛が放牧されています…何とものどかです。こんな感じで気ままに進んで行きますと、ようやく眼下に山麓が見え始め、徐々にテンションが上がりました。「展望台まであと400m」の看板が見え、目の前に風車が颯爽と現れ始めた時の感動は言葉になりません。思わず走りながらガッツポーズしてしまいました(ますますおバカ??)。そんなこんなで遂に頂上到達! 誰にも邪魔されない(この日はたまたま人が居なかっただけかもしれませんが)この澄み切った空間。余計な邪念も全てなくなる程の神秘的で雄大な景観に、しばし酔いしれてしまいました。ちなみに展望鏡が無料提供されていましたよ。これはとてもありがたいですね(^^;)。景色と空気と青空の三拍子をしばし堪能しました。

イメージ「新山高原周辺ルート」の看板へ目を向けると、ここより先は遠野方面へ直結するルートでした。行きと同様、勢いで(笑)進んでみた結果、コースに立地している風車を眺めつつ「ウィンドファームルート」を横目に心地よいワインディングを謳歌することができました。偶然にしてはあまりの絶景ルートに「ここで運を使い果たしてしまうのではないか?」と思った程でした^^;。素人ライダーの感想ですが、このコースは今まで岩手県内を走った中では最も気持ち良かった&印象に残る壮大なコースだった気がします。秘湯ならぬ秘蔵コースとは、正にここのことを言うのだと(勝手に)思いました。帰宅後改めて地図を確認したのですが、ここは牧場が点在するルートであることが判明…どうりで北海道のファームを彷彿させる!? ルートだったわけです。

イメージジンギスカンにラーメン
遠野に来たらぜひ食べてみて

このコースを無事に走り終えた後は国道340号線へ抜け、遠野市内へ到達しました。これまではすれ違う人すらいなかったので、思わずホッ。ひとまずあっぱれ☆ 先程までトータル約50kmのブラインドルートを緊張しながら走ったせいか、大きな道路へ出て初めて妙に肩が凝った感じがすることに気付きました。…さて、ここ遠野には是非紹介したいスポットがあります。この日とは別の日に訪れたのですが、国道340号線よりすぐに国道283号線に入り、向かうことができる「遠野のグルメスポット」をご紹介させて下さい。ちなみに国道283号線は、賑やかな道で遠野のメインロードと呼ぶにふさわしいルートだと思います。

イメージ
…遠野と言えば!ジンギスカンが有名です。ガラス張りの開放的なたたずまいの「ジンギスカンハウス遠野食肉センター」は、焼肉屋さんとは思えないほどお洒落な感じ…!? 加えてお昼時は連日大盛況。この日もライダー集団でごった返していました。大勢で立ち寄る際には予約or待ち時間も否めないかもしれませんが、全く臭みがなく新鮮でジューシーなお肉は、ジンギスカンが苦手な方でも驚くほど。絶対にイケルと思います。ちなみに私は高級なカルビより、ここのジンギスカンの方が好きですね。ランチメニューのジンギスカンセットは、彩り豊かなお野菜もタップリでビタミン豊富な感じです。また、ジンギスカンの他にもお肉の種類が豊富で、私は思わず大好物のホルモンを追加オーダーしました! 柔らかく優しい歯ごたえも去る事ながら、コラーゲンたっぷりなので、女性なら走って乾燥したお肌にもイィ感じ!?ですよ^^。また、お店独自のタレとお肉は、持ち帰りだけでも可能ですので、バイクを降りた後にキャンプやBBQで大いに盛り上がれること間違いナシです(私は実際サドルバッグに詰めて持ち帰りました)。

イメージ国道283号線のグルメスポットをもう一軒!名物ジンギスカンも大好きですが、「ドラゴン」と言うラーメン屋さんへ立ち寄った日もありました。ここは、先程のお店と「遠野道の駅」のおおむね中間地点にあります。アパートのような建物の一角なので、一見「ここ???」と思いますが、階段を登った2階にある穴場的なスポットです。メニューの名前もズバリ「ドラゴンラーメン」。看板メニューに目を向けると、「塩ドラゴン」と「味噌ドラゴン」が! いかにも辛さを想像させる名前でどちらも見た目は真っ赤です^^;。でも…水自体が美味しい岩手ならではでしょうか? 実際は後味もまろやかで見た目ほど辛くありませんでした。辛いのが苦手な私でさえスイスイイケましたよ。半ライス付きにしてはお値段もリーズナブルなので、お腹のガソリン補給に加え懐にも優しいですね。

かっぱの住む淵とホップ畑など
ミドコロがいっぱいの遠野

イメージさて、再びツーリングコースへ戻る事とします。国道340号線を抜けた後は名所巡りを。遠野は、県内で最も有名な内陸コースなだけあって、食の他にも名所が目白押しなんです!今回、私が走っている途中に待ち受けていた観光名所は、かっぱの民話で有名な「かっぱ淵」でした。道端入り口に聳え立つニヤケタ!?表情のかっぱにご挨拶しつつ、淵へ入ってみることに。吸い込まれるように淵へ進むと、ここでも木造のニヤケタかっぱが聳え立っていました。観光客を笑顔で出迎えているのか?はたまたイタズラでニヤケテいるのかは不明ですが(笑)、かっぱの笑顔に、観光で訪れている皆様の表情も一体化してほころんでいる様に見えました。茂みに囲まれたこの淵は、いつかっぱが出てきてもおかしくない?昔話の様な雰囲気に包まれていました。

イメージかっぱの好物=「キュウリ」という言い伝えからでしょうか??? 当日淵ではテレビ取材も踏まえたイベントが開催されていまして…キュウリを餌付けに釣りを楽しむ子供達で賑わっていました。無邪気な子供達を懸命に撮影している取材陣とのミスマッチに、最初は何とも摩訶不思議な光景に思わず目がテンでしたが…子供って何とも夢にあふれて素直で無邪気なのですね☆ 見守っているうちに、何だか忘れ欠けていた童心が蘇った新鮮な気分になりました。新鮮と言えば! ここの売店では樽中に浸ったキュウリとトマトが1個50円(安っ!)で販売されていました。みずみずしいお野菜を無邪気に頬張る子供の姿もまた微笑ましい限りです。子供だけでなくライダーさんにとっても、走って喉も肌もカラカラになった後のビタミン補給グッドだと思います。

イメージまた、遠野は「ホップ」の産地としても有名です。有名なことは知っていましたが、実際に栽培光景を見たのは初めて。かっぱネタも去ることながら、緑豊かな大自然に囲まれた地元ならではの生命力を目の当たりにし「美味しくない訳がない!」と確信しました。こんなわけで…御当地ならではのビールを是非ともご賞味下さいね☆ 考えてみたら私、毎度!?お酒ネタばっかりですね…。まぁ「呑んで酔っぱライダー・走ってグッドライダー」ということで勘弁してやって下さいませ~笑。また、季節柄ホップの脇では背が高く伸びた向日葵が咲き誇っていて、向日葵の黄色とホップの緑のコントラストが一層御当地の華やかさを際立たせていました。御当地では、バイクを並べるだけでも画になると思うのは私だけ…? 車両は立ち入り禁止と分かっていても、思わずここで愛車を並べて記念撮影したくなってしまいました(笑)。

澄んだおいしい水を求めて
宮守村を訪れました

イメージかっぱとホップを堪能し、日が落ち始める=気温が下がると言われる15時を過ぎた頃。ようやく猛暑による汗も引き、主要国道の裏道でもある県道106号線を走りながら帰路へ向かうこととしました。平地ルートにも関わらず、交通量も少なく涼しく走れるのが何ともありがたいですね。しばし進み、光と水のハーモニーで知られる宮守村の沸水場「稲荷穴(いなりあな)」で涼むことにしました。ここは「いわての名水20選」の一つで、週末は水汲みの行列ができる程だそうです。実際ポリタンクで水を汲みに訪れている方を目撃しました。ここで水を飲んで暮らしている方々は、おそらく日常でペットボトルを買う必要性がないんだろうなぁ…なんて考えてしまいます。また水汲み場の付近では、ビニルハウス中でわさびが栽培されていました。わさびって、水が美味しいところでないと上手に育たないそう。それもその筈!乾いた喉にスイスイ浸透する美味しさ…臭みも癖も一切ないのにまろやかで後を引く喉越しでした。正に自然の恵みですね。

この後は収穫前の青々とした田んぼを横目に、ひたすら農道(地図を見たら道路の名称もない?裏道でした)を通り抜けました。裏道なだけに!?ほぼ農作業用の車しか通っていなかった気がします。「お仕事ご苦労様!」なんて考えながら…慎重に追い越しながら走りました。そして国道43号→国道224号の裏道を颯爽と走り帰宅。ちなみに国道43号ですが、大迫のメインルート=国道396号の渋滞を避けて走るのに適した爽快なルートだと思います。そして日が沈む前に帰宅。暑い日にバイクのエンジンを切った時の、光の屑がこぼれて来そうな「キラキラ」という音は、哀愁感や達成感が込み上げてくるのでたまらなく好きだったりします。これだけ暑い日の森林ルートはさすがに埃も虫も多いので洗車は大変なのですが、その後に入ったシャワーの気持ち良さは格別でした。

最後に。バイクという世界に初めて足を踏み入れた当初、路上を走ることすら怖かった上に恥ずかしながらバイクの「バ」の字すら知らなかった私ですが、縁あってこちらでツーリングレポートを綴ることとなり、バーチャルでも皆様と触れ合えたことなどなど…回想するとキリがない程、不思議さと感動が交錯した一年でした。レポート記載に当たり、敢えて女性ならではの観点で綴らせて頂いたつもりです。一方「もっと良いコースがあるのに!」とがっかりされたかもしれません。地域柄か「何故こんな寒くて辛い思いをしてまで走るのだろう?」と、未だに自問自答することがよくあります。でもこんな思いをしてまで走った先にこそ、他には例えようのない達成感と感動と興奮が待ち受けているということを、素人ながら実感できた気がします。正に私にとってバイクとは、人と人を繋ぐ最高の宝石です。どこかで見かけたら声をかけて下さい☆そして私自身もリアルで皆様にお会い出来るよう、これからも走り続けたいと思います。また東北はまだまだ走りきれない程沢山のステキな自然とルートに恵まれた感動の宝庫ですので、暖かい時期は是非一度足を運んで下さいね♪つたない記事でしたが、お付き合い頂いた皆様・編集部様に感謝を込めて…。

スポット紹介

ジンギスカンハウス遠野食肉センター

住所/岩手県遠野市松崎町白岩20-13-1

電話/0198-62-2242

営業/11:00~21:00(LOは20:30)

定休/不定休、1/1は休み

ラーメンハウス・ドラゴン

住所/岩手県遠野市松崎町白岩15地割9-1

電話/0198-62-0041

かっぱ淵

住所/岩手県遠野市土淵町土淵

MK
プロフィール
MK

27歳、岩手県在住。中型バイクを経て2台目のバイクでハーレーを購入する。土地柄バイクで走ることができる季節が限られるため、時間があれば東北地方を駆け巡る日々。納車後4ヶ月で8,000kmを走った逞しい女性ライダー。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索