高知カツオツー

掲載日:2007年06月28日 ツーリング情報局四国エリア    

吉野川沿いを大歩危小歩危へ
奇岩怪石を鑑賞します

お久しぶりです! 四国エリア担当のmiyoです。最近、すっかり夏の気配がし始めましたね。今の時期は、雨さえ降らなければ、ライダーにとってベストシーズンと言えるのではないでしょうか? そんな身も心も弾む季節、初夏…。初夏と言えばやはり「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」です! 特に初鰹は「女房を質に入れてでも食べたい」という言葉が伝えられているほど。この時期、食べなきゃソンでしょう。てなわけで(多少無理はありますが…苦笑)、今回は鰹を食しに高知県まで足を伸ばしてみたいと思います。名づけて「初鰹、黒潮ツーリング」。

イメージスタート地点は香川県高松市。そこから国道32号で高知県を目指します。この国道32号、香川県高松市から仲多度郡まんのう町までは讃岐平野を通る比較的平坦な道ですが、徳島県三好市の県境にある猪ノ鼻峠の「猪ノ鼻トンネル」付近からは、上って下っての急カーブが続くようになります。ただ、三好市池田町からは、吉野川や支流の穴内川を沿うようになり、四万十川にならぶ清流と言われる吉野川を眼下に見下ろし、四国山地の山々を縫うように走るなんとも気持ちのいい道です。ちなみに、吉野川は「日本三大暴れ川」の一つであり、“四国三郎”の異名を持っています。あとの二つですが、関東の利根川が“坂東太郎”、九州の筑紫川が“筑紫次郎”と呼ばれ、吉野川は三男坊ということになりますね。

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吉野川沿いを走っていると、JR土讃線大歩危駅から小歩危駅にかけての両岸にV字型の深い渓谷が続くようになりますが、その渓谷は大歩危(おおぼけ)小歩危(こぼけ)と呼ばれています。初めて聞いた人は少し変な名前と思うかも知れませんが、「足場の石の間隔が狭く、大股で歩いては危ない大歩危。足場の石の間隔が広く、小股で歩いては危ない小歩危」なことからこう呼ばれるようになりました。大歩危峡に差し掛かったところに、「リバーステーションWest-West」があります。ここで休憩することにしましょう。ここにはいろいろな店舗が立ち並び、ちょうど四国の真ん中に位置することから、休日ともなると全国のライダーたちで賑わうことで有名です。また、展望台からは大歩危峡が一望できます。二億年の歳月を掛けて刻んだ美観。深い淵、岩をかむ瀬、奇岩怪石、両岸に茂る落葉樹…その中で川の流れる音だけを聞いていると、まるでここだけ時間が止まっているかのような錯覚に陥ります。

小腹が空くのを我慢して
高知名物カツオを食します

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つい長居したくなりますが、ツーリングの途中でした…。名残惜しいですが、ツーリングを再開しましょう。そのまましばらく国道32号を走ると、大豊町に到着します。大豊町には日本一の大杉とされる「杉の大杉」や国宝「豊楽寺薬師堂」があります。そして大杉と深い縁に結ばれた美空ひばりの遺影碑や歌碑などが点在しています。こんな山深いところでなぜ美空ひばりと思われるかも知れませんが、9歳でデビューした美空ひばりさんは、昭和22年まだ美空和枝という芸名で地方巡業をしている途中、大豊町でバス事故に遭遇し九死に一生を得ました。そして一ヶ月半の療養後、町内にある国の特別天然記念物「杉の大杉」に「日本一の歌手になれるように」と願をかけたそうです。その後の活躍は皆さんもご存知の通りです。私も願をかけてみることにしましょう。内容はご想像にお任せします(笑)。

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大豊町を過ぎると、再びカーブが多くなってきました。特に、南国市山間部の根曳峠は急カーブが非常に多いので注意が必要です。根曳峠をすぎると高知平野に入り、南国市内へと入っていきます。この辺りから4車線道路になるのですが、道沿いにはソテツの木が立ち並び、南国土佐への訪問を歓迎してくれているように感じますね。南国市を過ぎると、目的地である高知市はもうすぐ。そろそろお腹が空いてきたので、今日のツーリングのメインでもある鰹を頂くことにしましょう。今回ご紹介するのは、高知市仁井田にあります、「かつお船」。文字通り、建物自体がかつお船の形をしているので、場所はわかりやすいはず。お店に入って注文するのは…やはりタタキ。カツオのタタキ定食をいただくことにしましょう。朝どれの鰹をワラで焼いたタタキと言うだけあって、非常に美味しくいただくことができました。かつお船の店内にはお土産売り場があり、その奥ではカツオのたたきを作る工程なども見学することができます。また、同じ敷地内にあるうどん専門店では、鰹だしがたっぷりと効いたうどんがいただくこともできるので、こちらも機会があればどうぞ。

黒潮ラインを抜け、須崎へ
名物、玉子焼を忘れてはなりません

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お腹もいっぱいになりましたのでツーリングを再開しましょう。浦戸大橋を渡り、桂浜へ。桂浜と言えば、高知県を代表する名勝で、月の名所としても有名です。一帯は公園として整備されていて見どころは多く、大駐車場近くには土産物の販売所、 世界の珍しい貝を展示するシェルパレス、土佐犬の格闘技を見る土佐闘犬センターなどがあります。その闘犬センター脇の石段を登ると竜頭岬があり、そこに幕末の志士坂本竜馬の銅像が太平洋を見据えるように立っています。坂本龍馬のことは皆さん十分にご存知だと思いますので、改めて説明はいらないですよね? 坂本龍馬像を見ながら「もし、この人が今の世界や日本を見たとしたら、いったい何を思うんだろう?」なんてことを考えました。そうそう、桂浜の砂浜は潮流が速いため遊泳は禁止されていますので、水着を持参しても泳げませんのでご注意を(苦笑)。

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桂浜からは、黒潮ラインを走ります。黒潮ラインは桂浜から仁淀川河口へ土佐湾沿いを走る道路です。壮大な太平洋を眺めながらのシーサイドラインは非常に心地いいですよ。また、黒潮ラインは桂浜花海道という別名を持ち、沿道にはたくさんの花壇が咲き誇り、心が和みます。なお、反対方向はかなり渋滞していたので、この道は東から西へと走った方がいいかもしれません。黒潮ラインを西へ走り、県道23号から宇佐大橋を渡って横浪半島の先端部へ上陸します。このあたりから横浪スカイラインへと入っていきます。太平洋をはるか眼下に見渡せる道路で、激しいアップダウン、中高速メインのコーナーの連続、長いストレートもあり、走りを楽しむにはもってこいの道です。入り組んだ断崖の海岸線を行く景観のいい道路なのですが、眺めのいい場所と駐車スペースがなかなか一致しません。景色を楽しみたい人はゆっくり走りましょう(苦笑)。

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横浪スカイラインを抜けると、そこは須崎市内。須崎と言えば、やはりここ「ショップたけざき」でしょう。ここは玉子焼きが有名で、玉子焼き御殿が建ったとまで言われている高知を代表するお店です。店構えは田舎によくある独立系コンビニと言った感じ。店内もそんな感じで、棚におにぎりや玉子焼きがならんでいます。「玉子焼き入り おにぎり」を購入することにしました。さすが有名店だけあって、作る端から売れるのでしょうか、手に取るとまだ温かい。見た目は素朴な、昔ながらのお弁当と言った感じですが、その味は口では説明できないぐらい美味です。玉子焼きは、出汁がほどよく効いていて、焼き具合も文句のつけようがありません。おにぎりも、米の味といい、海苔の具合といい、完璧でした。こんなにリーズナブルな食べ物で、こんなに感動したのは初めてと言っていいかもしれません。

さて、この辺りでいい時間となってきましたので、国道197号、国道439号経由で大豊に向かうことにしましょう。国道439号は「439→ヨサク→与作」の愛称で親しまれています。が、そんなどこか可愛い愛称とは違い、かなりの酷道であることでも有名。2車線の走りやすい道が続くと思えば、いきなり林道のような道に変貌します。走るのに必死になり、写真を撮る余裕がありませんでした(苦笑)。与作を命からがら走り(大袈裟?)、大豊に到着。大豊からは一気に高速道路で帰路に着きました。四国は例年よりかなり早く梅雨入りしましたが、もう間もなくすると梅雨が明け、待望の夏がやってきます。ライダーのみなさん! 『今年の夏は、南国土佐に行かんといかんぜよ!』

スポット紹介

RiverStation West-West

住所/徳島県三好市山城町西宇1468-1

電話/0883-84-1117

営業/10:00~18:00(冬期は17:00まで)

定休/無休(12月~6月のみ水曜定休)

URL/RiverStation West-West

かつお船

住所/高知県高知市仁井田201-2

電話/088-847-3255

URL/かつお船

ショップたけざき

住所/高知県須崎市下分乙819-1

電話/0889-42-4871

営業/4:00~19:00

定休/元旦

URL/ショップたけざき

miyo
プロフィール
miyo

香川県在住、40歳。昨年から12年ぶりにハーレーXL1200Rでバイクに復帰したリターンライダー。香川が生まれ故郷なものの、社会人になりしばらく故郷を離れていたため、四国をバイクで走るのは昨年からが初めて。新鮮な気持ちで四国を走っている模様。

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