バイクで行く駅舎めぐりの旅

掲載日:2012年02月15日 ツーリング情報局九州エリア    

投稿者/フジ丸さん | 取材日/2011年 秋

ツーリング情報局

悠久の歴史を感じる駅舎めぐり
そして茶畑の向こうには……

「今度は汽車の旅がいいよ」と妻。確かに汽車の旅は楽しい。ローカルな路線に古い駅舎。無人駅は素朴だ、駅周辺を観察すればちょっとした発見があるかもしれない。結局、間を取って“バイクによる駅舎の旅”としました。

 

高速を人吉ICで下りたのが、ちょうど12:00。人吉はおっとりした街でそよ風が似合う街です。球磨川を渡り、濠端にある蔵を改造したオシャレなカフェ『さんぽカフェ』を訪れました。2階にあるカフェは、城跡の濠に面して六つのカウンター席があって窓は吹き抜け。隣のカウンター席ではカップルが、とろとろのオムライスをつつきながら結婚式の段取りを相談していました。若いっていいなぁ。

 

私もオムライスを注文。腹ごしらえを済ませ、ここから30分ほど山あいに上がったところの肥薩線の大畑 (おばた) 駅を目指します。この駅は鉄道マニアの間では「ループ線の中にあるスイッチバック駅」として有名らしく、言葉で説明すると、傾斜がきついからスイッチバックして上るんだけど、それでも登るの無理だから、グルグル回っていく、という感じだそうです。この2つがいっぺんにあるのは日本でも唯一ここだけ! 駅舎もレトロだなあ、と中に入ってビックリしました。あらゆるところに来場記念 (?) の名刺が貼ってあって、名刺だらけで板壁がみえません。

 

次は、本命の嘉例川 (かれいがわ) 駅です。こちらは明治36年築造というとても古い駅舎。国の登録有形文化財に指定されています。写真を撮り終え、帰り支度をしていたら、ゴトトン、ゴットンと列車の音。駅舎に戻ると、ちょうど列車が到着したところでした。

 

帰りは近道して帰ろうと、森の中のルートを選択したら、樹々の合間からゴゴゴーっと音とともに飛行機が急に現れて、頭上を掠めていきました。え? なぜ低空飛行? と思い牛舎の森を抜けると、茶畑の先に鹿児島空港! なんなんだ、このシュールな光景は? と思いながら、空港の飛行機を堪能したのでした。

 

約5キロ圏内に、明治時代の駅舎と牛舎の森、そしてまるで茶畑のなかにあるよう鹿児島空港。ここはきっと、アリスが住む不思議の街なのでしょう。

 

人吉城の濠を眺めながらカフェはいかが。「さんぽカフェ」は地元の隠れカフェだから一見わかりずらいです。

人吉城の濠を眺めながらカフェはいかが。「さんぽカフェ」は地元の隠れカフェだから一見わかりずらいです。

 

ちょうど大畑駅に入ってきた観光用普通列車の『いさぶろう・しんぺい号』。すごく豪華で客室は和風個室居酒屋みたいになってて、じっ様たちはほろ酔い気分でした。

ちょうど大畑駅に入ってきた観光用普通列車の『いさぶろう・しんぺい号』。すごく豪華で客室は和風個室居酒屋みたいになってて、じっ様たちはほろ酔い気分でした。

 

茶畑を抜けるとそこは空港だった――。こういうシチュエーションは想像していなかったから、すごく感動しました。奇妙な場所ってあるもんですね。

茶畑を抜けるとそこは空港だった――。こういうシチュエーションは想像していなかったから、すごく感動しました。奇妙な場所ってあるもんですね。

 

今回のツーリングルート

人吉市役所 → さんぽカフェ → 肥薩線 大畑駅 → 嘉例川駅 → 鹿児島空港

スポット紹介

さんぽカフェ

所在地/熊本県人吉市新町20-1

Tel/0966-35-7377

営業時間/[LUNCH&TEA] 11:30~16:00 [DENNER] 18:00~21:00

定休日/木曜

URL/WEBサイト

フジ丸さん FUJIMARU (BMW BIKES Correspondent)
プロフィール
フジ丸さん
FUJIMARU (BMW BIKES Correspondent)

熊本県熊本市在住。BMW R1150Rオーナー。詳細な地元自慢レポートを表現豊かに届けてくれる。奥さんと娘さん、家族3人バイク2台のツーリングもしばしば。

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