島原一周

掲載日:2007年06月28日 ツーリング情報局九州エリア    

雲仙岳災害記念館で
自然の大きさを感じる

こんにちは、九州担当のDAIです。今回は、島原半島一周「小さい秋見~つけた」ツアーをご紹介します。澄みきった秋空の下、長崎県・南東に突き出す島原半島(周囲約138km)を時計回りに走ってきました。日中は気温19.5度まで上がりましたが、最低気温9.5度、11月に入りようやく秋らしくなってきました。朝9時30分に諫早市を出発し、愛野から国道251号を走るコースから出発しましょう。島原半島を一周するルートとしては、内陸を走る県道58号線コースと、海岸線を走る国道251号線コースと、大きく2つに分類できます。どちらもバイクで走るには絶好のロケーションですが、今回は左に有明湾を眺めながら島原半島の最外周を走ることにしました。雲仙市に入り、船津から多比良港までは、海の青と秋空の青に挟まれながらのクルージングです。

イメージ諫早市をスタート地点に国道251号を東へと走り出しましょう。しばらくは市街地の走行となりますが、途中からは有明海を左手に、海沿いに走ります。途中に熊本から島原の多比良町へと渡るフェリーの港がありますので、熊本側から渡ってくる人はここが起点になるでしょう。対岸が見えるほどのちょうどいい距離の航路ですから、のんびりツーリングにはこのフェリーもオススメです。多比良を越えて島原に至るまでは交通量も若干多い道になりますが、ここは我慢。そして、島原半島東部中央に位置する島原市に入ります。島原までやって来たら国道251号線から分岐する「がまだすロード」は必ず走ってください。左に有明海、右に雲仙岳を眺めながら走ることができる全長約5kmの直線バイパスで、走る喜びを増幅させてくれる素晴らしい道です。走る時間によって有明海も雲仙岳の色合いも変わり、何度走ってもおもわず「気持ちいい~」と叫んでしまいますね。

イメージ少し走ると、左下に「雲仙岳災害記念館」が見えてきました。バイパスを降り、本日の昼食はそこでとることにします。今回、はじめて記念館にいったのですが、思わず目を疑ってしまいました。「記念館のすごく近いところに民家があるなぁ」と思って廻りを見渡すと、何か様子が違うのです。すべての住宅が1階屋根または2階部分だけが地面から出ていました。ここは雲仙岳が噴火した後の土石流災害時の様子をそのまま保存して、後世へ自然の脅威と災害の教訓を残すための施設なのです。振り返ると、遠くには静かにそびえる普賢岳が見えましたが、自分が立っている場所にまで過去に被害があったことを考えると、自然の力・脅威を実感してしまいます。当時そのままで保存してある屋外・屋内施設をぐるっと一周して、隣接するレストランで小休止。レストランにはレパートリー豊かなメニューがありましたが、ここは島原郷土料理の「具雑煮」定食をお昼ご飯としましょう。春菊、椎茸、餅、鶏など、地元の食材をふんだんにつかった具雑煮は、一年中食べられますが、この時期からの恋しい料理の一つですね。熱いので口をホクホクしながら大きなお餅をいただきました。

イメージ天草灘に沿い
絶景コースを堪能

具雑煮を堪能し、満腹のおなかを抱えながら愛車に跨ります。記念館から国道251号線にのるために一旦普賢岳を正面に走ることに。溶岩が流出し荒々しい山頂部(平成新山)と秋晴れの青とのコントラストがすごく印象的で、思わずバイクを降りカメラにおさめました。再び走り始め、国道251号線を南下します。左には島原湾を臨みながら走りますが、口之津を過ぎると天草灘となります。口之津がほぼ折り返し地点となっており、ここからは天草灘を南から西に臨みながら走ることになりますので、お昼も過ぎ陽も傾いてくると陽の光が海面に反射され、キラキラとすごく綺麗に映ります。海岸と接した数kmはワインディングロードですので、天草灘を横に・正面にしながら走ることができ、景色の変化が目を楽しませてくれるでしょう。普通は一瞬しか見られない景色も十分に楽しみながら走ることのできる、すごく気持ちのいいコースですよ。

イメージ途中に絶好の撮影ポイントがいくつもありましたが、すべてに立ち止まると前に進めそうに無いので、頭に焼き付けながら進みました。きっと後悔しないコースですから、ご自分の目でこの絶景を確かめてください(笑)。しばらく走ると、波の穏やかな野田浜が見えてきました。目前に海がキラキラとしているのを見ながら缶コーヒーで小休止。防波堤が沖まであるので、先端まで歩いて行き、沖から野田浜を眺めることなんかもできます。白い砂浜がすごく印象的で、夏には泳ぎに来てみたいですね。野田浜海水浴場の青松の中にはキャンプ場を併設しており、夏はキャンプの家族連れで賑わうそうです。海穏やかで、国道沿いにあることでアクセスもよく、次はキャンプ道具を持って来ようと思います。さて、次は小浜温泉に向け北上しましょうか。

湯煙があちこちから
日本有数の温泉、小浜温泉

イメージ島原半島の三分の二を走ると、海面の様子も変わってきました。口之津までは陸風で、海面も穏やかでしたが、島の反対側は海風となってきます。波がザワついて、先ほどの海のキラキラもなくなってきました。しばらく走ると遠くの海岸線からモクモク煙が出ています。もうすぐ小浜温泉に到着するサインですね。小浜温泉は全国の温泉の中で熱量・温度とともに一位だそうで、源泉は30箇所、温度100度の湯を一日に15,000トンも湧きだしています。町のあちこちから噴出している湯煙は圧巻ですね。ほのかな硫黄の香りが温泉に入りたい気持ちをくすぐります。今度は石鹸とタオルをもって入りにきたいと思います。さあ、陽も下がってきました。陽が下がると予想以上に冷え込みそうですので、暗くならないうちに帰路につくことにしましょう。小浜町を抜けると島原半島一周も終わりです。千々石町に入ると、国道沿いに千々石展望台が見えてきました。駐車場に入り缶コーヒーを持って展望台へ。ここから見る橘湾(島原半島と諫早市南岸に囲まれた湾)は絶景で、左手遠くには雲仙普賢岳、右手にはきれいな夕日を見ることができます。千々石展望台といえば有名な「じゃがちゃん」。ジャガイモ丸揚げ2個を一串しにしたもので(1本100円)、これで残り道中の腹ごしらえとしましょう。国道251号線を夕日に向かって西に進み、諫早市に到着したときは赤く染まった夕焼けがすごくきれいでした。

>> 今回のルートマップはこちらから

スポット紹介

雲仙岳災害記念会館

住所/長崎県島原市平成町1-1

電話/0957-65-5555

営業/9:00~18:00(入館は17時まで)

定休/年中無休

URL/雲仙岳災害記念会館

千々石観光センター(じゃがちゃん)

住所/長崎県雲仙市千々石町丙160

電話/0957-37-2254

営業/8:00~18:00

URL/千々石観光センター(じゃがちゃん)

DAI
プロフィール
DAI

32歳。長崎県在住。ハーレー「FXDL」に乗り、陽気な仲間と九州中を駆け巡るバイカー。仲間と「ぶらっくさんだー髑髏軍団」なるMCを主宰しているものの、決してコワモテではない。その素顔は陽気で優しいお父さんだという噂。

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