春の妙義山と秘境めぐり

掲載日:2012年06月20日 ツーリング情報局関東エリア    

投稿者/WRTさん | 取材日/2012年5月12日

ツーリング情報局

奇岩・渓谷と知られざる
秘境を存分に堪能しよう

上信越道を軽井沢方面に向かうと、高速道路からギザギザの岩山が見えます。これが、妙義山 (みょうぎさん)。名前は皆さんご存知だと思いますが、意外なことに行ったことのあるライダーは少ない場所のよう。今回はこの妙義山へ向かってみることにしました。

 

仲間8台でまずは上信越道甘楽 (かんら) PA に集合。ここの朝は、いつもバイクが“うじゃうじゃ”いる格好のツーリング中継地、集合場所のようです。ところが、そのほとんどは軽井沢方面などに行くらしく、甘楽 PA からすぐの松井田妙義インター出口にはほとんどバイクの姿はありません。空いている道が大好きな私たちは「しめしめ」と思いながら、朝一番の楽しいクネクネを慎重に登ってまいります。すると、拍子抜けするくらいあっという間に妙義山の広大な駐車場に。ここからは、妙義の奇岩、山峰が一望でき、その偉容に圧倒されます。妙義山の「轟岩」をご神体とする中之嶽神社もあり、山歩きもとても楽しい場所なのだそうです。晴れた日に、このすごいギザギザの山を見るだけでも、妙義山は行く価値のある場所です。

 

妙義山を駆け下り、254号線 (西上州やまびこ街道あるいは富岡街道と呼ばれています) を佐久へ向かいます。このあたりは下仁田、つまりこんにゃくの産地。無線で仲間に「別名こんにゃく街道、路面がグニュグニュしていますので、走行注意!」と呼びかけても、反応が薄い! こんにゃくだけに、つるんとスベッてしまったようです(涙)。

 

 

妙義の岩塊を一望できる駐車場。いつ来ても素晴らしい眺め。遠くの山までも見える眺望スポットでもあります。

妙義の岩塊を一望できる駐車場。いつ来ても素晴らしい眺め。遠くの山までも見える眺望スポットでもあります。

 

佐久市に入り、野沢西交差点で 141号線を南下。早めのランチを摂ってさらに南下します。 佐久市から佐久穂町となり、小海町に入ったところで左へと進路を取ります。ここからが、後半のハイライト『秘境』と言われる南相木村 (みなみあいきむら) から川上村にかけての『悦楽のルート』なのです。

 

悦楽の理由? それは、“心地良いカーブの連続また連続”、“交通量が少なく信号などほとんど無い”、“周囲の景色が極楽”の3要素。ゆるいカーブあり、まるで北海道のような直線路あり、山、畑、川、ダム、新緑すべてを備え、走りがいのある長距離の悦楽ルートなのです。

 

なかなか休憩を取る場所もありませんので、飲み物と軽食を携えてまいりましょう。途中の素敵なスポットを2ヶ所ご紹介します。最初は、南相木村役場を過ぎてしばらく行ったところにある立岩湖。右手に忽然と見えてくるブルーの水面が美しい人造湖です。四季を通じてマニアックな釣りが楽しめるそうです。この水面の美しさを一度は愛でてみてください。

 

塩川ダムはとても大きな人造湖。あまり知られていないようで、静寂に包まれていました。

塩川ダムはとても大きな人造湖。あまり知られていないようで、静寂に包まれていました。

 

次のスポットは大きなダム湖である塩川ダム畔。ここはもう山梨県北杜市須玉町になります。群馬から長野、そして山梨へと一気に駆け抜けてきたというわけです。快晴に恵まれた5月の土曜日ですが、ダム畔の駐車場には私たちだけ。それくらいレアな場所なんですね。立派なダム管理事務所、展示などがありますので、トイレを借りてゆったりと休憩します。

 

では、この悦楽ルートに引き続き、もうひとつ渓谷美で知られる昇仙峡へとまいりましょう。北杜市中心部を迂回して山側を走る道がまた良いカーブの連続。そして「昇仙峡ライン」をガンガン登ってまいります。正直、妙義の岩山、そして南相木村の快走路でお腹いっぱいなので、昇仙峡の渓谷まで降りて堪能する意気込みが少し薄くなってきましたが、その迫力ある景色は素晴らしいものがあります。

 

5月の快晴と山々の新緑、そして快感を覚えるほどの最高の道を堪能して家路に着きました。

 

 

山梨の名勝「昇仙峡」。ある程度観光地化しているので、走ってきた秘境ルートとまったく趣の異なる場所です。紅葉の時期など、素晴らしいと思います。

山梨の名勝「昇仙峡」。ある程度観光地化しているので、走ってきた秘境ルートとまったく趣の異なる場所です。紅葉の時期など、素晴らしいと思います。

 

今回のツーリングの感想

このルートは、近くに有名な観光地が多いため、逆に、このあたりを訪れるバイカーや観光客が多くないことがとても良いと思います。特に、南相木村を通るルートはまさに“秘境”という言葉が当てはまる素晴らしい道です。距離がかなりあること、途中にコンビニや道の駅といった快適施設がほとんどないので、飲み物や軽食を持って適宜休憩を取りつつ走るのが大切です。畑の中にバイクを駐めて、あたりを見回しますと、あれあれこんなものが! というような光景に出くわすこともあります。

 

交通量が少なく、バイクなどほとんどいないところがこのルートの良いところなので、ご紹介すべきかどうか迷ったのですが、この最高のルートを素敵なライダーの皆さんにも知ってもらいたいと思い、今回ご紹介させていただきました。

今回のツーリングルート

上信越道 甘楽PA → 妙義山 → 佐久 → 南相木村 → 川上村 → 北杜市 → 昇仙峡 → 談合坂SA


より大きな地図で 2011.5.123.妙義・佐久・昇仙峡ツーリング を表示

スポット紹介

妙義山中之嶽神社

所在地/静岡県静岡市清水区由比314

所在地/群馬県甘楽郡下仁田町大字上小坂1248

電話番号/0274-82-5671

URL/WEBサイト

南相木村 村役場

所在地/長野県南佐久郡南相木村3525番地1

電話番号/0267-78-2121

URL/WEBサイト

立岩湖 (立岩荘)

所在地/長野県南佐久郡南相木村5567-1

電話番号/0267-78-2750

URL/WEBサイト

塩川ダム

所在地/山梨県北杜市須玉町比志3783-1

電話番号/0551ー45ー0789

URL/WEBサイト

WRTさん
プロフィール
WRTさん

所有バイク/
2011年式 BMW R1200GS Adventure
2011年式 Moto Guzzi V7Racer
2006年式 DUCATI Pole Smart 1000LE

32年のブランクを経てバイクの世界に戻ってきたリターンライダー。ツーリングで走るエリアは非常に広範囲で、関東を飛び出し甲信越や東北の一部まで達することも。愛車はロングツーリングに最適なモデル BMW R1200GS Adventure とモトグッツィ、ドゥカティポール・スマート。

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