ヤビツ峠~道志みち

掲載日:2009年01月27日 ツーリング情報局関東エリア    

東京からのアクセスがいい
ヤビツ~道志みちルート

こんにちは、編集部のターミーです。2006年の関西のレポートを担当していましたが、久しぶりに関東担当としてレポーターに復帰しました。少し前までは関西に住んでおり、関東に引っ越してきたのは3ヶ月前。でも、社会人になって最初の3年間は東京に住んでいたので、こちらの地理はそれなりに覚えています。これから先のレポートでは過去に足しげく通っていた場所から、これまで走ったことのない場所まで、楽しみながら紹介する予定です。さて、復帰第一弾のレポートは「ヤビツ峠~道志みち」のルートを紹介しましょう。このルートは昔からよく走っていた道で、信号がほとんどなく、適度なワインディングを楽しむことができます。ここがお気に入りの理由は、ただ走って気持ちいいだけではなく、アクセスの良さがあります。スタート地点に設定した「秦野中井IC」は東名の「東京IC」から30分ほどで到着でき、そこから道志みちを抜けて山中湖までのコースは、半日ほど時間が取れれば充分に楽しめる軽いツーリングには最適なルートなんです。それではこのルートの魅力をご紹介しましょう。

イメージヤビツ峠までのルートは非常に簡単。スタート地点の「秦野中井IC」から県道71号を少し北上すれば標識が出ており、ただ道なりに走っていくだけ。ICからしばらくは賑やかな街並みですが、10分も走ればのどかな風景が広がりはじめます。東京からそう遠くない場所なのに、この辺りを走っていると都心の喧騒がまったく感じられません。神奈川県内を走っているのに、まるで信州の田舎道を走っているような錯覚を覚えました。県道70号に入り、しばらく走ると眼前にヤビツ峠が見えてきます。この辺りは箱根や御殿場周辺と同じく天候が変わりやすいところで、山の方を見ると怪しい雲がちらほらと…。来てしまったものは仕方がないので、いざヤビツ峠に突撃しましょう。ヤビツ峠は「矢櫃峠」と書き、道路整備中にかつて戦に使われた矢櫃が見つかったことから、その名がついたとか。心霊スポットとしてその手の雑誌に登場することも多く、夜間に走ると日中には目にできないモノが視えるかもしれません…。ただ、日中に走るヤビツ峠は怖さを感じることはなく、道路の舗装はあまりよくありませんが、適度なワインディングが続く気持ちいい道ですよ。ふもと~頂上まではそれなりの舗装ですが、そこから宮ヶ瀬湖までの道は舗装が悪く、コーナー途中に砂や落ち葉が広がっていることもあるので、注意して走りましょう。途中2車線の広い道もありますが、幅の狭い1車線になっている場所も多く、いくら気持ちが良くてもコーナーでもスピードは抑え、対向車に気をつけて走る必要があります。

ヤビツ峠を堪能し
宮ヶ瀬でホッと一息

イメージヤビツ峠をしばらく登ると頂上付近に「菜の花台」という展望台があり、そこからは秦野市周辺の街並みを一望することができます。空気が澄んでいるときには伊豆や箱根がくっきりと見えるそうで、これからの寒い季節の方が綺麗な眺望が楽しめるかもしれません。ここまで走って引き返す、ショートツーリングもいいかもしれませんね。展望台を出てしばらく走ると、「護摩屋敷橋」という小さな橋があり、そこに丹沢名水「護摩屋敷の水」が汲めるポイントがあります。かなり有名な湧き水のようで、古くは山伏がこの水で身を清めた、という逸話があるとか。私が走った日は平日でしたが、いくつものポリタンクに水を汲み、持ち帰る人がたくさんいました。私は一口飲んだだけですが、臭みがなく、のど越しがいいのが印象的で「次に来るときはこの水を汲み、ここでコーヒーを入れたいな」と思うほど。護摩屋敷橋から少し進むと、ここの名水で入れたコーヒーを楽しめる喫茶店がありました。そこで名水仕立てのコーヒーを味わうのもいいかもしれません。

イメージそのまま道を進めば清川村に入ります。この辺りまで来ると、薄着で走り出したことを後悔しはじめました。都心より気温が低いので、厚着して走りに来ることをオススメします。しかし、10月半ばの清川村は秋の彩りと緑の木々に囲まれ、秋の気配が感じられます。ずっと都心にいると四季の移り変わりがわかりにくいですが、緑に囲まれた道を走ると穏やかな気分になりました。少しくらい肌寒かろうと、澄んだ空気を吸い込みに来るのは心地いいですね。私の気分も癒してくれる道ですが、ここをバイクで走るとバイクまでもが癒されているようで、心なしか調子が良くなったような気がします。都心では右に左にタイヤを倒して走る場所はなかなかありませんが、ここヤビツ峠ではバイク本来の走りを楽しむことができ、「このバイク、こんなに走るんだ」と違った面が見えてくるかもしれませんよ。

イメージヤビツ峠のふもとから、神奈川の人気ツーリングスポット「宮ヶ瀬湖」までは約30km、1時間も走れば宮ヶ瀬湖に到着できるでしょう。ここまで来れば2車線で舗装の綺麗な道に変わってきました。せっかくなので宮ヶ瀬ダムのつり橋を楽しむなど、のんびり休憩するのもいいかもしれませんが、食事をするのは少し待ってください。宮ヶ瀬湖を離れてしばらく走ると「オレンジツリー」というカフェレストランがあり、そこがオススメなんです。木々に囲まれた店舗はログハウスとなっており、店内の雰囲気も◎。あらかじめ予約を取れば、大人数でのツーリングで訪れることもできます。パスタから肉料理までメニューも豊富でどれも美味しいのですが、何より嬉しいのが天然水で入れた美味いコーヒーの存在。料理に舌鼓を打った後に飲む、暖かいコーヒーが体の緊張をほぐしてくれるんです。これからの季節、宮ヶ瀬周辺はかなり寒くなるので、体が冷えたバイク乗りにとってオレンジツリーのホットコーヒーは何より有難い存在になりますよ。

道志みちを抜けると山中湖
防寒対策を忘れずに!

イメージオレンジツリーで体を暖めた後は県道64号をしばらく走り、相模原~山中湖を繋ぐ「道志みち」に合流しましょう。道志みちはヤビツ峠に比べると道路状態は圧倒的にいいんですが、国道だけあって交通量はそれなりにあります。こちらも適度なワインディングと緑の景色が美しい道で、ツーリングには定番のルートとなっています。東京周辺から山中湖へと走る際に、時間がない人は高速道路を使うと思いますが、のんびりと流すことができる道志みちはツーリング気分を味わうには最適です。道志川に沿って一気に山中湖まで走るのもいいですが、道中のオススメポイントをいくつかご紹介しましょう。1つ目は「久保吊り橋」。渡り始めるまではただの短い吊り橋に見えますが、吊り橋から下をのぞくとかなりの高さがあり、一歩踏み出すためにグラグラと揺れるので、高所恐怖症じゃなくてもそれなりのスリルが味わえます。吊り橋を渡った先には山梨百名山に数えられる大室山への登山道があるので、周囲を散策するのもいいかもしれません。

イメージ2つ目は「道の駅どうし」。山中湖、相模原方面の両方から来るライダーの休憩スポットとして知られており、平日・休日を問わず必ず先客のバイクがいるはずです。芝生やベンチなどの休憩スペースが広く取られていて、道の駅内に引かれた清流を眺めながらボンヤリと過ごすことができました。ところで、この日の道志みちで面白い旅人を見かけました。ベビーカーに荷物を満載にし、それを押して黙々と道志みちを歩いていた外国人。ベビーカーにカナダ国旗を立てていましたから、カナダ人なんでしょう。歩道のない道志みちを歩いて旅するのは少し危ないな、と思いましたが、新しい旅の形を見た気がします。外国人は面白い旅をしますね。話を元に戻しましょう。

イメージ
道志みちを抜けると、そこは山中湖。ここまで来ると都心とは明らかに気温が違います。午後3時のロードサイドの気温表示は13℃となっていました。東京は20℃以上でしょうから、10℃近い気温差があるのでしょうか。でも、真冬に山中湖まで走るとかなり寒いと思いますが、初秋のこの時期だと上着をちゃんと着込んでくれば快適な気温ですね。山中湖を走る際にオススメなのが、湖畔のすぐそばを通る県道729号。お店が多く立ち並ぶ国道沿いとは違い、静かなたたずまいの山中湖を満喫することができます。道路沿いに並ぶカフェやレストランも高級な雰囲気のところが多く、そこを走ればあなたもセレブ気分を味わえるでしょう。

この後は南下して、箱根方面に向かおうと計画していましたが、山中湖で雨がパラついてきました。天気に恵まれれば、ヤビツ峠~道志みち~箱根は日帰りで充分に走ることができますので、手軽に走ることができるこのルートをぜひ走ってみてください。12月に入ったあたりから朝晩はかなり冷えるので、防寒対策を忘れずに!

スポット紹介

オレンジツリー

住所/神奈川県相模原市津久井町鳥屋1738-14

電話/042-785-1887

営業/10:00~19:00

定休/月曜

道の駅どうし

住所/山梨県南都留郡道志村9745

電話/0554-52-1811

営業/9:00~18:00

定休/無休

編集部/ターミー
プロフィール
編集部/ターミー

数々のバイクを乗り継ぎ現在はハーレー、BMW、オフロードバイクを所有するただのバイク馬鹿。これまでシングルかツインにしか乗ったことがなく、やや偏食気味なのが気にかかるところ。これからの成長を期待する。

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