京の古民家を求め

掲載日:2006年03月28日 ツーリング情報局関西エリア    

「かやぶきの里」がアツい
日本の原風景を求めて走る!

第2回の関西レポートの舞台となるのは、京都府のほぼ中央に位置する美山町。県道12号線から入り、38号線を由良川沿いに走り、鞍馬山(くらまやま)を抜けて京都市街に到着するコースです。美山町(みやま)といえば、『茅葺屋根(かやぶきやね)の民家』。日本の原風景を今に残す、非常に情緒あふれる場所なのです(ちなみに文化庁の 「重要伝統的建造物群保存地区」 に指定されておりマス)。このコースを今回は編集部の“さとし"が、みなさまをご案内いたします!

美山町の西の玄関口「大野ダム公園」
ソメイヨシノ1,000本がお出迎え

イメージ京都縦貫自動車道の「丹波」を降り、27号線をしばらく進むと目的の12号線に入ります。まず出迎えてくれるのは 「大野ダム公園」。ここは通称「虹の湖」と言われており 「ダム湖百選」 に指定されるほどの美しさです。湖の周りにはソメイヨシノが、なんと1,000本! 春は「桜祭り」、秋は「もみじ祭り」で賑わう、癒しのスポットなのだそうです。また、道沿いには「京焼の元祖、野々村 仁清 生誕の地」もあり、あまり焼き物に興味のない自分でさえ、歴史に触れた感じがして、ちょっと賢くなった気持ちになれます(笑)。

由良川沿いにひたすら走っていると、道は一度由良川から離れます。再び合流する地点で道は12号線から38号線に変わります。私がそのあたりを通った時には、時計の針は13時を指していました。「そろそろお腹がすいてきたなぁ…」なんて思いはじめました。今回のコース「美山町」はその名の通り、美しい山々に囲まれた土地で、おいしい水と空気が育む食材は何もかもが絶品と言われているようです。「そんなおいしい食材を、雰囲気の良いお店で食べられたら最高だなぁ」と思いませんか? そう私“さとし"はその辺りを抜かりなくリサーチしています。

イメージお昼ごはんは38号線沿いにある 「もりしげ」 にお邪魔することにしました。築130年余の茅葺民家、囲炉裏端で地元食を楽しむことが出来る、知る人ぞ知るお店です。今回こちらで注文したのは「親子鍋定食」。食材である「鶏・卵」、「米」、「こごみ・山椒(山菜の一種デス)」はすべて自家製、あるいは地場のものだとか。鍋のおいしさもさるものながら、白米のおいしさも絶品です。その味は、あまり白米を食べない方の私でも、思わず「おかわり!」と言ってしまったほど。実はこの日、気温が低くて少し凍えていたので、囲炉裏の薪のやさしい暖かさにも感動してしまう“さとし"なのでした。

日本昔話のような世界観
そこに絶景の温泉ときたもんだ

イメージお腹いっぱいになって暖まったところで、また美山町探索を再開します。12号線と38号線の最初の方までは「かやぶきの里」と言われる程、茅葺屋根の民家を見ることはなく、ただただ美しい自然の中を走っていました。しかし! 38号線の途中に差しかかると待望の「茅葺屋根の集落」に遭遇。「この風景、どっかで見たことあるなぁ…」なんて思っていると「日本昔話」で見る景色ですよ、コレ! 「おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさん川へ洗濯に…」という風景が、まざまざと浮かんでくる、そんな風景です。

集落を過ぎると、38号線は一層、山深い道へと変化していきます。今回走ったのは4月の末ごろですが、途中の電光掲示板に表示されていた数字は「4℃」。いえ、しばらく走っていると今度は「3℃」に(涙)。春だと思いなめきった装備で出発した私のテンションは、温度と共にみるみる下がってきます。峠を登りきったあたりでは、春先にも関わらず雪がチラつくほど。ここまで来ると、私のテンションも一緒に峠を越えてしまい「もうどうにでもなれ!」と吹っ切れた状態に。おそらく夏でも寒い?と思われますので、こちらに来るときは、くれぐれも充分な装備をご用意して来て下さいませ。

イメージさて、峠を下り(途中、落石があるので注意が必要です)、38号線も終わりに近づくと、左手側にくらま温泉が見えてきます。凍えていたので、迷わず露天風呂にダイビング!(入浴料1,100円)。身も心も暖まります(ホカホカ)。しかも、温泉から見る風景は「これぞ絶景!」。この時期は桜が綺麗だったのですが、おそらく秋の紅葉などもさぞ綺麗なのではないかと。ちなみにくらま温泉は「健康と美人の湯」として知られておりますが、効能の中に「凍傷」があったのがとても嬉しい“さとし"です。あと特徴的なのは入浴客に外国の方が多いということ。入った時は、外国の方:日本人=8:2の割合であり、どちらかというと、こちらが異国の人です。外国の方と一緒のお風呂に入ったことのなかった“さとし"は「いい土産話を手に入れたぞ」と一人ほくそ笑みます(ニヤっ…)。

鞍馬温泉ですっかり温まり、あとは京都市街へ流すのみ。市街へ入ると、今までの人とはあまりすれ違わない環境から一転し、たくさんの若者たちと遭遇します。山越えをして来たその井手達は、もうすっかり山男。街行く若者たちからの好奇の視線を浴びる恐れがありますのでご注意ください(笑)。事前にビシッと身だしなみを整えて、格好良いフィニッシュを飾ってくださいね!

>> 今回のルートマップはこちらから

スポット紹介

民宿「もりしげ」

住所/京都府南丹波市美山町内久保

電話/0771-75-1086

休日/火曜日※冬季(1~3月)は土日祝のみ営業

URL/民宿「もりしげ」

山の宿・水の宿「くらま温泉」

住所/京都市左京区鞍馬本町520 

電話/075-741-2131

休日/年中無休

URL/山の宿・水の宿「くらま温泉」

バイクブロスマガジンズ編集部
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