『たびたび、旅へ』

第10話 ようこそキャンプ道具の泥沼へ! テント編

掲載日:2017年08月29日 タメになるショートコラム集たびたび、旅へ    

Text & Photo/NOBUWO

15年来の相棒プロモンテVL-3。防水性能はかなり落ちてきているが、撥水スプレーをまんべんなくかけると復活するし、とにかく壊れないタフなテントだ。

前回に引き続きキャンプ道具のお話をば。今回はキャンプで非常に重要な役割を担う「テント」について紐解いていきます。なんせテントはキャンプにおいての「家」ですから、選択はとても重要です。

テントは、ファミリーで使う巨大なものから登山で使う極小軽量のものまでその種類は多岐に渡りますが、ツーリングで使う場合は2人用を選ぶのが基本です。

なぜ1人用ではなく2人用なのか。それは雨天や防犯を考えて、ヘルメットなどの荷物をテント内に保管したいから。そうすると1人用のテントでは狭くなってしまうので、2人用を選ぶというわけです。

また「前室」と呼ばれる土間の部分が広いと、雨のときに着替えができ、また、そこなら注意すればガスバーナーを使って炊事ができるので便利です。しかし僕はあまり前室を必要と思っていません。なぜかと言えば、基本的に雨予報の日にキャンプをしないからです。

キャンプもツーリングも所詮は大人の遊びです。雨の日のキャンプは退屈で、後片付けも面倒なので、僕はキャンプの日が雨予報なら予定を変更して、宿、もしくはバンガローに泊まることを考えます。たまにバンガローに仲間数人で泊まって宿泊代を割り勘すると、1人分のキャンプ費用より安くなることもあります。風雨が避けられて、テントも濡れずに通常よりお安いんですから、おすすめです。

もちろん、キャンプ中に雨が降ってくることもあるので、その際は避けられません。ひたすら寝て過ごすか、知人が大きなタープでも持っていれば、その下に集まることになるでしょう。

テントで次に重要なのが、設営のしやすさです。キャンプの場合、設営するのは楽しいのですが、撤収は面倒な作業が多くなります。そんなときに大物であるテントがサクッと収納できると、撤収作業も楽に進められるので、立てやすさ、たたみやすさというのはかなり重要です。

収納サイズも購入の際にチェックしたいポイント。目安としては、直径20cm×長さ50cm以内。重量だと3kg以内、といった感じでしょうか。よく重さを重視する意見も聞きますが、ツーリングの場合はバイクに積むので、登山ほどシビアに考えなくてもいいと思います。

テントの形状も様々ありますが、初心者には2本のポールをクロスさせて立ち上げる「ドーム形」がおすすめ。その場合は出入り口が長辺にあるタイプのほうが、使いやすいでしょう。

以下は過去に僕が使ったことのあるテントです。

  • ■プロモンテ VLシリーズ、VSシリーズ
  • ■ダンロップ R-2(生産中止・再生産予定)
  • ■モンベル ムーンライト2型(ウエッジ型)、ムーンライト3型
  • ■モンベル クロノスドーム 2型

プロモンテのVL-3(3人用で最新はVL-36)は今でも僕のメインテントです。収納は直径16cm×25cm+ポール直径5.7cm×44cmで、重量はペグを入れても1,730gというかなりコンパクトで軽量。それでいて広げれば窮屈ながらも3人が寝られるという広さ。

もう15年近く使っているはずですが、今でも充分使える耐久性はさすがの一言。現在のVL-36は価格が5万円と高額ですが、耐久年数を思えば高くは感じませんし、やはり本格的な登山テントの耐風性能は、中華の格安テントに比べると圧倒的です。

以前、プロモンテのテント開発者から聞いた話ですが、本気の山岳テントは、ガイライン(張り綱)までビシっと張ると、テントの真上に体重60kgの人間が乗っても大丈夫(理論上の計算ですが)というから、さすがです。登山ではときに人命がかかることもありますから、メーカーもハンパなものは作らないんですね。

また、プロモンテと同じ会社が作るダンロップの「R」シリーズはツーリングに特化したテントでやや重さはありますが、使い勝手は最高です。とくに前後に出入り口がある点が秀逸。夏は風通しが良く前室も2倍になるなど、痒いところに手が届いた仕様が魅力です。今年は生産を一時中断しているようなので、また再開されたら「買い」のひと張りだと思います。2人用のタイプで3万円前後ですので、VLよりは買いやすいでしょう。

こちらは「ルクセ ミニピークⅡ」。4隅にペグを打って、センターのポールを立てるだけなので、設営撤収がすごく楽。自然に溶け込む色と三角屋根が、放浪っぽい雰囲気で好きだ。愛知の「アウトドアベース犬山」が日本の発売元。

最近は1本のポールで立ち上げる「モノポールテント」も流行りです。設営が簡単で、収納も軽量コンパクトなうえ、内部もそこそこ広い。そして、建てたときの雰囲気がネイティブ・アメリカンのティピのようなレトロっぽさがあっていいんです。内部が土間のタイプも多いので、寝る場合はグランドシートを敷くかコット(ベッド)で寝ることになります。

モノポールテントの弱点は、ペグが打てない場所では使えないことですかね。例えば非常時に舗装された駐車場にテントを張るとか、ペグの刺さりにくい山中の岩場などでは使えません。もちろんほとんどのキャンプ場ではペグが打てるので、キャンプ場に泊まる場合は心配ないでしょう。

僕が現在も使っているモノポールテントは「ルクセ ミニピークⅡ」というモデルで、インナーがあるのでそのままマットを敷いて寝られます。メッシュ仕様なので蚊の襲来も受けません。収納サイズは直径15cm×43cmで重量は1,500gほど。価格はポール込みで18,000円ほどでした。ただ、このテントは強風や長雨の中で使っていないので、耐久性に関してはいまだテスト中という感じですね。

最近は、アマゾンなどの通信販売が盛んになって、本当に世界中のあらゆるテントが手に入る時代なので、最初のひと張りは、かなり迷うかもしれません。ですが、やはり有名メーカーの製品はそれなりの性能を持っているので、長く使うことを考えたら一流テントメーカーを選ぶほうが安心だと僕は思います。

僕が信頼できると思うメーカーは以下のとおりです。

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