『カスタムの真面目な話』

アドバンテージ流カスタム(スイングアームの勧め) #05

掲載日:2014年06月18日 タメになるショートコラム集カスタムの真面目な話    

Text/Noboru NAKANISHI ( ADVANTAGE )

前回は片持ちスイングアームに関して少しお話をさせて頂きましたが、形状的にはレーサーレプリカに多く採用されるブーメランタイプも存在します。

剛性面で言うと、サスペンション本体が短いとか、あるいはピボット部分を中心としてサスペンションの取り付け部が近く、車輪支持部を考えればテコの原理で高剛性だと言えますが、だからと言って良いということではありません。あくまで全体のパッケージからトータルで生み出される総合的なパフォーマンスが重要になります。

例えばスイングアームピボットからアクスルシャフトまでの距離やサスペンション構造などが同じであれば、アームが曲がっていようが真っ直ぐであろうが同じことでしょう。片持ちタイプのスイングアームにも言えますが、同一強度を出そうとすると、形状の変化により曲がっている方が重量的には若干重くなり、バネ下重量が増加してしまう事にも繋がり、結果的にサスペンションの動き自体をスポイルしてしまうことでしょう。

現在は主流ではなくなった2サイクル時代、チャンバー容積を確保するためにスイングアームを逃がすようになりました。そうすることで大きなチャンバーを地面に接触させることなく収め、深いバンク角を稼ぎ出しました。近年の大型スーパースポーツではバンク角への影響を嫌ってなのか、センター出しのマフラーを多く見かけますね。時代によって必要とされる技術が進化して行った形状とも言えるわけです。市販車両では、やはりデザインが優先されたと思われます。

基本的なスイングアームの話としては、皆さんもお分かりの通り後輪からフレームまで伸びている部品で、構造的にはフレームとタイヤを接続している部分です。スイングアームはフレーム側のピボットを支点にして上下に動き、この動きをスイングアームとリアショックで吸収しています。その働きにより、地面状況の変化、ギャップなどの衝撃やうねりなどを吸収し、操縦安定性を確保している重要なパーツなのです。スイングアームはフレームやサスペンションと同じ位置に立つ、重要な働きを持っているのです。

運動性能向上のため、各メーカーの試行錯誤により設計された物が世の中に出ていますが、我々の求めるものは、7N01材の「目の字」断面で作り出される、アドバンテージ・ワークスタイプスイングアームです。現状においてカスタムされる車両状況や方向性を加味し、要求される物を生み出して行くのが我々の方向性でもあります。

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