鍛造ホイールEXACTの勧め(最終回) コラム『カスタムの真面目な話』

『カスタムの真面目な話』

鍛造ホイールEXACTの勧め(最終回)

Column #354  掲載日:2014年02月05日

Text/Noboru NAKANISHI ( ADVANTAGE )

コラム『カスタムの真面目な話』 

ADVANTAGE EXACTの特筆すべきポイントは、独特なデザインです。一切の贅肉をそぎ落とし、ストイックなまでにシェイプされています。レーシングマシンに使用される事に重点を置きつつ、ストリートでは絶対的な安全性を確保しています。

 

「アルミ鍛造ホイールとマグネシウム鍛造ホイール、どっちがオススメなのでしょうか?」という質問をよく受けます。マグネシウムの方が高価ですが、より軽いというメリットがあります。それに衝撃吸収性にも優れ、乗り心地が良いと言えます。一方、アルミは体力(強度)はありますが、一昔前の鋳造マグネシウムのイメージが壊れるだとか、風化するなどというイメージの上に話が成り立っているので、お客様の不安を煽るのでしょう。このような問いに対して、現在のADVANTAGE EXACTフル鍛造マグネシウムホイールの耐久性は、もはや過去のマグネシウム製品の比ではありません、という前提で回答しています。

 

特に当社の優位性は、前後ハブ部分とリム部分にあります。ハブ部分は鍛造を行う際に、センター(太鼓の胴のような部分)に鍛造を行い、強度を上げています。またメンテナンスパーツについて、特にお客様から問い合わせがある項目は、ハブダンパーラバーです。アドバンテージでは、SHOWA/KYBで実績のあるのハブダンパーラバーを採用しているため、販売から10年近くなる現在でも、ハブダンパーラバー自体の驚異的な耐久力もあり、アドバンテージのショップ内での販売は、なんと5台分のみに留まっています。これはほとんど消耗しない素材と設計が生きている証拠です。

 

リアサスペンションの上下のエンドアイについているダンパーラバーは、厚いものでも片方5?10mm程度、薄いものではリッタークラスでも3mm程度で耐えています。しかし実際にリアショックのエンドアイのラバーを交換した方が、いったい何人いるでしょうか? それほど耐久力のある素材を使い、設計を行っているのです。「扇方のダンパーラバーでないとパワーを受け止められない」と言うレース関係者もいますが、我々は扇形のダンパーラバーはバックラッシュが大きくなるため、外径φ36のダンパーラバーを採用しました。過去の耐久レースでも、6個のダンパーラバーでも著しく消耗することがないので、5個の設計にシフトしています。スプロケットはX.A.M JAPANのEXACT用スペシャル品を採用しており、鈴鹿8時間耐久ロードレースにおいても、525、520サイズでJSB1000クラスもマシンの足を支えています。

 

ホイールのメンテナンスについては(特にマグネシウム)、マグネシウム自体の特性として、塗装などコーティング無しでは当然酸化しやすいため、手入れが大変だと言われた時代がありました。しかし現代の技術で生産されたADVANTAGE EXACTであれば、塗装前に下地処理として、腐食防止効果の高いクロメート処理を施しているので、それほど心配しなくても大丈夫です。クロメート(別名:クロム酸塩処理、クロム酸塩皮膜処理)とは、アルミニウム合金やマグネシウムの耐食性、塗装下地を目的とした化学的皮膜処理です。六価クロムを含む溶液に素材金属を浸漬し、不動態化させることで自己修復性の皮膜を得ながら、化学研磨作用も同時に行うことが出来ます。現在は六価クロムが環境破壊物質として規制され、三価クロムに置き換えられています。処理直後の金属表面はゲル状になっていますが、60℃程度で乾燥させると耐食性、自己修復性を備えた皮膜に変わり、最終塗装に入ります。もし塗装が剥げたり、擦ったりして地肌が見えるようであれば、すぐにタッチアップでもして、痛まないようきれいに保っておけば良いでしょう。洗車する場合も中性洗剤で結構です。

 

EXACTに注ぎ込まれた“想い”は如何でしたか? ではまた。

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