『カスタムの真面目な話』

鍛造ホイールEXACTの勧め #05

掲載日:2014年01月29日 タメになるショートコラム集カスタムの真面目な話    

Text/Noboru NAKANISHI ( ADVANTAGE )

さてさて、今回も引き続き鍛造ホイールについてのお話です。名刀が刀匠の手によるもののように、ADVANTAGE EXACTにも最大限の手が加えられています。技術を磨き上げる事はもちろんですが、2輪とは全く条件の異なる4輪にまでフォーカスし、開発やフィードバックを繰り返してきました。壊れることなく、より安全性を確保できるホイールこそ我々が最も望むものなのです。

設計も全てアドバンテージで行っています。2輪では、当然それらを構成するパーツ(ディスクローター、ブレーキキャリパー、フロントフォークなど)も含め、トータルでそれらの特徴が最大限に発揮できるよう、専用設計を行っています。設計シミュレーションで確認を出来るのが、アドバンテージ最大のポイントです。

ADVANTAGE EXACTは、タイヤの取り付け曲面であるリムが独自の理想的な弧を描いています。当社が着目しているポイントは、リムとタイヤの間、空気によるクッションです。この形状で空気の膨張率や容積を割り出し、理想的な空間を作り出しています。温度が上がれば熱膨張した空気はタイヤのグリップにも大きな影響を与え、タイヤの異常摩耗をも引き起こしかねません。それらの致命的とも言える現象を緩和するための設計なのです。

最近のホイールに対するアドバンテージの傾向は、軽さではありません。仮に0kgのホイールがあるとしたら、きっとハンドリングが不安定で神経質な乗り物になります。以前もお伝えしましたが、オートバイにとってジャイロ効果は重要なのです。現在はもう軽さのみを競う時代ではありません。回転のバランスと、ホイールの撓(しな)りや剛性に重点を置いています。回転運動を通して如何にライダーへ情報を提供するか? 走る・曲がる・止まる、の連続の中で、ライダーにより良い情報を提供するため、リムの撓りやホイール自体の撓りは重要な意味を持っています。まさに、ライダーとの対話をスムースにしているホイールと言えるでしょう。

現在も、サーキットの現場で常に変化する状況やマシンと向き合っています。この世に“絶対”なんてありませんから、常に状況の変化に対応することが、ADVANTAGE EXACTの特徴なのです。

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