ブレーキチューニングの勧め #01 コラム『カスタムの真面目な話』

『カスタムの真面目な話』

ブレーキチューニングの勧め #01

Column #324  掲載日:2013年10月30日

Text/Noboru NAKANISHI ( ADVANTAGE )

コラム『カスタムの真面目な話』 

今回からは、アドバンテージ流ブレーキディスクについてご説明いたします。まず、私の場合はバックボーンがオンロードの前にモトクロスという事もあり、ブレーキについては他の方といささか違う考えや取り組みをしております。

 

一般的にブレーキの役割は“制動力”に重きを置かれますが、アドバンテージでは、ブレーキは“サスペンションの一部でありコーナー侵入時のタイミングを作るハンドルである”という見解です。

 

これは元AMAの伝説のスパークロスのチャンピオン、デビッド・ベイリーのトレーナー兼先生役のおやじさんの言葉にも由来するのですが、彼はプロライダーに走りを教える時に「クラッチはアクセルだ!ブレーキはハンドル だ!」と言っていました。この言葉とまったく同意ということではありませんが、同じ様な切り口でブレーキを見ており、設計しております。

 

また、私が25年ほど前、ソリッドディスクのモトクロッサーにフローティングディスクを装着し(走行条件はオフロードの特設コースで設定)、全開で高速コーナーに侵入して駆け抜けて行く国際A級のモトクロスライダーにどの様な影響が出るのか試したところ、ブレーキの制動力が大きくても路面に対して追従性が高く、グリップしながら理想のラインをトレースすることができることが分かりました(それまではブレーキが強力であればあるほど滑りが発生し、アクセルを開けて行けなかったためスローイン・ファーストアウトに成らざるを得なかった)。

 

このことをサスペンションメーカーやブレーキメーカーの担当者と、一体どの様な効果が出ているのだろう? と話をしたところ、フローティングのディスローターの“反り”自体も、サスペンションのストロークにプラスされてる、という事が分かったのです。ライダーが滑る路面でアベレージスピードを上げて走行できるという事実。これは大きな効果を上げる結果となりました。さらに、フロントが滑りにくい、コントロールしたいところにマシンを向けられる、なによりライダーの“腕上がり”による疲労が大きく軽減されたのです。

 

何度もお伝えしますが、バイクを速くすると言うよりも、ライダーがマシンをコントロールでき、恐怖感を少なくするチューニングの方が、より理想的なライディングが出来るということなのです。それはブレーキチューニングについても然りです。如何に次の動作に移せるハンドルであるか、サスペンションであるかを、アドバンテージではブレーキに求めています。

 

単なるブレーキ強化が全てではない、という事がお分かりいただけましたでしょうか?

コラム『カスタムの真面目な話』 

ショートコラム記事一覧