『ツーリングのつぼ』

雪道の傾向と対策

掲載日:2014年02月25日 タメになるショートコラム集ツーリングのつぼ    

Text/Kosuke KAWAI

先週と先々週の末に、関東では記録的な大雪が降った。環八も甲州街道もアスファルトが見えないほど真っ白に雪が積もり、シャンシャンと、まるで季節遅れのサンタクロースのソリのような音を奏でながら、タイヤにチェーンを巻いた自動車が走っていた。そんな状況で、郵便や新聞を配達するスーパーカブも、チェーンを巻いて雪の上を走っていた。そのヨタヨタした姿を見て(もしくは、運転してみて)、いくらチェーンを巻いてもバイクは雪に弱いことが判明したことだろう。とくに2日目の氷はよく滑り、まるで沢に生えた苔の上を走るトライアル競技のような気分になる。

もはや他人事ではない。これから先、まだ雪が積もるかもしれないし、急に北海道の郵便配達に就職するかもしれない。そんなケースで、もしどうしても雪の中を走らなければならない場合は、ハンドルを切った状態や斜面でアクセルを大きく開けない(もしくはブレーキをかけない)ことに気をつけよう。加速や減速は、水平な場所で車体が立った状態でそっとする。自動車でもバイクでも、ハンドルを切った状態で雪(もしくは砂や泥など)に入ると、簡単にスタックしてしまうので注意する。そして、雪のワダチはなるべく垂直に横切ること。できたらアクセルを閉じて惰性で乗り越えられたら完璧だ。また、スタックや滑りそうな場合、車体を完全に停止させないように、進行方向の信号が赤にならないように祈ることも有効だと思う。

道端に置いてある融雪剤は、塩化カルシウムや塩化ナトリウムだ。雪で滑らないように、斜面や橋の周辺に撒かれていることが多い。これはざっくり言うと、金属の天敵“塩”なので、バイクがサビてしまう。だから、車体に融雪剤の白いツブツブが付いたら、なるべく早めに洗い落とそう。BMWのオーナーズマニュアルによると、お湯で洗うと化学作用が強まるので、冷たい水で洗うように指示されている。ドイツ人は、きっと寒さに強いのだろう。

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