『ツーリングのつぼ』

冬の北海道のススメ(2)

掲載日:2013年12月03日 タメになるショートコラム集ツーリングのつぼ    

Text/Kosuke KAWAI

冬の北海道は寒く、テントの中に置いたバナナが凍ってしまうくらいの気温なので、キャンプ装備はしっかりと用意して行こう。私はテントの中には冬用の内張りを付けていた。これは、テントの中にもうひとつテントを張るような物だ。そしてブ厚い厳冬期用のシュラフを、これまた友人に借りて持って行った。これは大正解だった。3シーズン用のシュラフを使うのなら、内側にインナーシュラフ、外側にシュラフカバーをつけて、3重にする手がある。足元に湯たんぽを入れれば完璧だ。

どこでも野宿し放題の夏とは異なり、冬はテントを張る場所に困るかもしれない。除雪されている所は誰かが使う場所だ。かと言って、除雪されていない場所では、雪を踏み固めるのが手間だし、除雪車に轢かれる危険もある。そんな理由から、駅の自転車置き場をよく利用していた。そこには屋根があって床が平らで、誰も使っていないという絶好のロケーションだった。屋外の水道は凍っているので、買い物をした時に水をもらうのがいいだろう。あたり一面にある雪を溶かしてお湯にしようとすると、溶けるよりも蒸発するスピードの方が速いような感じで、かき氷のような高さまでコッフェルに雪を詰めてMSRで沸かしても、沸騰する頃には少ししか残らないと思う。

そして、バイクカバーも忘れてはいけない。一晩で1メートルの雪が積もることもあり、バイクが埋まって、どこにあるのか分からなくなるほどだ。あまりの寒さに、テントの上にバイクカバーをかぶせたこともあるが、通気が悪いので酸欠気味になったし、テント内が暗くなってしまう。

残るは運転技術だが、必ず転倒する。雪道では氷で滑るというよりも、雪のワダチにハンドルを取られるだろう。スパイクは、金属のピンが接地しているという構造上、アスファルトが露出している場所では滑るので注意してくれ。寒さで気力が萎えて、宗谷岬にはたどり着けなかったが、凍った阿寒湖やサロマ湖の上を走れたので満足である。

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