『ツーリングのつぼ』

ツーリングの携行薬

掲載日:2013年11月12日 タメになるショートコラム集ツーリングのつぼ    

Text/Kosuke KAWAI

本格的な冬でもないこの季節、昼間の暖かさに惑わされて、ついタイツを履かずに走っていると風邪をひいたりする。また、いつものように酔っぱらって、大丈夫だと気を許してシュラフに入ると、朝方の寒さで目が覚めてしまうことがある。目が覚めればいいが、そうでないと風邪をひいてしまい、もし旅先から帰れなくなってしまうと、月曜日の会議に間に合わなくて出世に響くことも考えられる。紅葉を愛でている場合ではない。

そんなケースを想定して、私はツーリングに薬を持って行く。携行薬を英語でカッコ良く言うと、「ファーストエイドキット」。小さなポーチをひとつ用意して、その中には風邪薬を2~3回分、そしてマキロンとバンソウコウ、夏には虫除けとかゆみ止めを加えて収めてある。これでは足りないと思う人がいるかもしれないが、風邪をひいたな、と思ったら、その日は風邪薬を飲んで寝て、次の日に病院へ行けばいいのだ。

実際に世界1周では、市販の薬から医者の処方箋が必要な薬、そして注射器まで持っていたが、使ったのは、やはりマキロンとバンソウコウくらいだった。バイクのCDIやらレギュレーターやら、高価でかさ張るスペアパーツも持って行ったが、毎日積み下ろしただけで、使わないまま日本まで持ち帰ってしまったのと似ている。

とは言え、風邪を治すのに、顔に変な模様を描かれて祈られたりしては迷惑なので、体調を崩さないことが第一である。ハンドルカバーの取り付けなど、まだ大丈夫だと我慢するのは年寄りの冷や水だろう。私の場合、愛車のグリップヒーターは1年中つけっぱなしだ。風邪を引かない用心だと思ってもらっても構わないが、ただの面倒くさがりだ。このグリップヒーターとハンドルカバーは、そのどちらか片方だけではもったいない。一緒に使うと、まるでコタツのように完璧だ。小雪が舞う季節でも、夏用のグローブで快適にツーリングできる。

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