『ウェア屋さんのひとりごと』

げっ、アゴが日焼けで痛い!?

掲載日:2013年07月25日 タメになるショートコラム集ウェア屋さんのひとりごと    

Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )

いきなり訳の分からないタイトルですみません。前回の予告通り “アジア選手権” で インドへ行った時のお話をと思ったのですが、いちばん印象に残った出来事がこれ。現地へ向かう前は「ムチャクチャ暑いらしいなぁ」「シャワーは肩まで、洗髪はミネラルウォーターで」とか「食事のたびに消毒を」等々、心温まるお話から冷やかし? 等、たくさんの方からアドバイスをいただき、体調を崩す事も無く元気に帰国することができました。敢えて言えば 20 時間以上の長旅に少々疲れたというところでしょうか。

そんなインド出張ですが、表題の事件? に気付いたのは予選が行われる2日目の午後。初日こそ、想像していた程は暑くないというか、前日まで居た鈴鹿の方が暑いと感じたぐらいですが、2日目はそうもいかず、気温は40℃、路面温度は65℃を超える過酷なコンディションとなりました。その影響もあってか、路面からの照り返しでアゴが焼けてしまったのでしょう。いや~こんな経験は初めてでした。恐るべしインドの日差し! といったところですね。

今回のレースが開催された “マドラス モーターレーストラック” があるチェンナイは、首都のニューデリーに次ぐ大きな都市ですが、実際には上下水道の整備をはじめとする衛生環境は悪く、我々が水道の水を口にしようものなら、すぐにお腹を壊してしまう程。なので最低限、歯磨きはミネラルウォーターというのが鉄則です。市民の移動手段は自転車、オートバイ、バスといったものですが、交通マナーも何もあったものではなく、「スキあらば」隙間がギリギリでもそこへ入り込み、街中では常にクラクションが鳴り響き、誰が誰に鳴らしているのか? さえも分かりません。インドのドライバーはホーンボタンに手を掛けて運転し、その部分が擦り減っている車も珍しくないそうです。ちなみに私は2回、目の前で接触事故を目撃しましたが、何食わぬ顔をして走り続けていました。接触なんて日常茶飯事なのでしょうか…

オートバイに関しては、125cc のスポーツタイプが主流で、インドネシアやマレーシアで多く見かけた “アンダーボーン” を見かけることはありませんでした。ここでもファミリーカー的な用途で使用している方が多いせいか、友人や奥さんとのタンデムはもちろん、お子さんを含めて3~4人乗りは当たり前の様に見かけます。ヘルメット着用義務があるそうですが、どう見ても半数以上のライダーがノーヘルなので、安全面に対する意識は殆ど感じられません。

現地ではインドに詳しい方の案内もあり、3泊したうちの2晩はインド料理店で夕食をいただきました。もちろん “インドカレー” です。一般的なインド人は「年中カレーばっかり食べている」そうなのですが、聞くと「カレー以外のものを食べたことが無い」という、私たちにはチョット考えられない食事事情がありそうです。

とはいえ現地でいただく本格的なカレーはとても美味しく、辛いものが苦手な方にも余り辛くないカレーがあるので、もし機会があれば(なかなか無いと思いますが)味わってみてはいかがでしょう。ただし、辛くないカレーでも香辛料のせいか、食べた後には結構な量の汗が出るので、食事の際には小さなタオルか、私は常に洗顔ペーパーを持ち歩いていました。これだと汗によるベタつきを抑えるだけでなく、手についた食べ物の匂いを抑えるのに役立ちました。この洗顔ペーパー、ちょっと出掛ける時やツーリング等でも、持っておくと大変便利だと思いますよ!

私が初めて訪問したインドに対する印象は、色々な意味で発展途上にあると思います。サーキットでモータースポーツを楽しむことができる方が居る一方、靴さえ履いていない方も多く、今の日本では考えられない程の貧富の差を目の当たりにしました。あと、サーキットへ行く道中で初めて見た “野良牛” には大きなカルチャーショックを受けました。このような貴重な体験が今後どのようにフィードバックできるかはまだ分かりませんが、私たちからは国内外でモーターサイクルを楽しむ皆さんにとって、良い製品や役立つ情報を発信し続けていきたいと考えています。

最後になりますが、今まで私のつたない文章をご愛読していただいた読者のみなさんに対して、心より感謝致します。このコラムでは編集者の意図により、難しい専門用語は使用せず、まさに「これからモーターサイクルライフを楽しみたい」という方に向け、身に付けるアイテムについて大切なことをお伝えしてきたつもりなので、何か困ったことがあった際に、少しでもお役に立てば幸いです。

それでは、これからも安全で快適に、末永くモーターサイクルライフを楽しんでください!

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