『ウェア屋さんのひとりごと』

ハチタイですよぉ~!の、つづき

掲載日:2012年07月12日 タメになるショートコラム集ウェア屋さんのひとりごと    

Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )

日を追うごとにハチタイムードも盛り上がってきましたが、合わせて「無事にレースウィークを迎えることが出来るんやろか?」という独特の緊張感も高まっています。先日は公式なスケジュールで開催される公開テストの最終日に鈴鹿へ出向き、選手達から8耐に向けての要望を聞いたり、修理や加工が必要なスーツを預かったりしてきました。そんな訳で今、当社の製作室は選手のスーツで溢れかえっているといった状態です。

さて、ここからレースウィークに向けてスポンサーのワッペンを装着したり、給水システムの加工などを行います。特に給水システムは “ハチタイならではの装備” と言えるもので、レーシングスーツの中に水タンクを内蔵し、ライディング中に水分を補給できる様にします。真夏に開催されるハチタイの場合、コース上の気温はゆうに40度を越え、さらに 1000cc のスーパーバイクで1時間近い連続走行をする訳ですから(しかもレーシングスピードで)、発汗量もハンパではありません。喉の乾きは深刻な問題で、集中力の低下や、ひどい場合は脱水症状を引き起こす場合もあるほど! 今やハチタイだけではなく、 600cc のマシンを使用するようになった4時間耐久レース “ヨンタイ” でも、無くてはならない装備となりました。

もっとも、毎年のようにハチタイを経験していると、私たちも早い段階から準備を進めているので慌てることはありませんが、急遽参戦が決まった選手に “ハチタイスペシャル” のスーツを用意するとなれば大変です。そういう場合はたいてい時間的な余裕が無く、チーム側とデザインや装着するロゴ、ワッペン等の打ち合わせを短時間で済ませ、担当別に複数のスタッフが一斉に「エイヤッ!」という具合で製作に取り掛かっていきます。

こんな風に書くと、この時期のレース関係者はハチタイ一辺倒かに思われがちですが、私たちに限らず他のメーカーさんにとっても、ハチタイ以外の担当を受け持っている人が殆どだと思います。かくいう私も広報という立場でカタログや広告の制作、WEB サイトの管理といった業務が同時進行しているので、1年で最も忙しい時期と言っても過言ではありません。とは言えオートバイ好きにとっては待ち遠しい大きな祭典です。参戦する選手はもちろん、ファンの皆さんにとっても素晴らしいレースとなる様に全力でバックアップしますので、ぜひ一度、サーキットへ遊びに来てください!

ハチタイの公式サイトはこちらから >>

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