『ウェア屋さんのひとりごと』

“防水”についてのおはなし(さらに続き)

掲載日:2011年06月16日 タメになるショートコラム集ウェア屋さんのひとりごと    

Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )

本格的な梅雨の時期を迎えると同時に最近は気温も高くなり、暑さや蒸れといった悩みも増えてきますね。雨対策の主役となるレインウェアには、予算や目的別に数多くの種類がありますが、実際に何がどう違うのでしょう。とは言え、どの機能をどう線引きするのかは意外と難しいことに気付いた私。そんな訳で今回は私の独断と偏見にて、スタンダード、透湿、コンパクト、ヘビーデューティー、といった感じでお話します。

10数年前までは流通しているレインウェアのほとんどが、つくりとしては “スタンダードなモデル” でしたが、基本的な構造は 『 “防水” についてのおはなし 』でお話した通りで、これは他のモデルも共通しています。機能的にはシンプルなものが多く、比較的手頃な価格帯(5,000~8,000円)であることが特徴ですが、防水コーティングには水蒸気を通す機能、いわゆる “透湿機能” 持ち合わせていません。そのため、気温の高い時期には自身の汗や水蒸気で内部が蒸れやすく、湿度の影響で体感温度は少し高く感じますが、10~30分以内のチョイ乗りが主で、使う頻度も少ない方であれば機能的には充分と言ってイイですね。

ゴアテックスで知られる “透湿モデル” は、ここ数年で各メーカーから “ドライマスター” をはじめ、新しい素材を採用したモデルが数多くラインナップされる様になりました。無数の小さな孔のあるフィルムをコーティングし、ウェア内部の水蒸気を外部に発散させることで、快適さ(ドライ感)を保つことが最大の特徴でもある透湿モデルは、最近だと手頃な価格帯の製品も多く出回る様になりました。そのため通勤や通学から長距離のツーリングまで、幅広い用途で使いやすいこともあってか、今や最もポピュラーなレインウェアになったと言って良いでしょう。

畳むとコンパクトに収納出来ることが特徴の “コンパクトモデル” は、収納時にコンプレッションを掛ければ、手の平プラスα程度のサイズまで絞ることが出来るため、ツーリングで荷物を減量したい場合や、通勤等で日々の携帯は欠かせない方にもオススメ。薄手の表生地を使用し、メッシュ等の内装を無くして徹底的にコンパクト化を図ったモデルもあります。機能的にはスタンダードなものから透湿機能を備えた高機能モデルまで多様なので、透湿機能の有無などによって検討されてはいかがでしょう。

少し厚手でシッカリした造りの “ヘビーデューティーモデル” は、収納時のサイズこそ大きくなりがちですが、その分レインウェアとしては比較的丈夫であることが特徴。製品によってはレインウェアと思わせないデザインや風合いの製品も多く、ウインドブレーカーを兼ねて使用される方も多く見受けられます。

さて、みなさんの用途に合いそうなレインウェアは見つかりそうですか? チョイ乗りのスタンダード、オールラウンドな透湿モデル、携帯性抜群のコンパクトモデル、丈夫さと質感のヘビーデューティーモデル。同じ様に見えてもそれぞれの製品が持つ性格は大きく異なりますので、ご自身の乗り方や使い方に合ったレインウェアを選んで、雨天も快適かつ安全なライディングを。あ、迷った時は例によって? RSタイチ オフィシャルサイトよりお問い合わせください。

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