『バイク乗りの勘所』

不正改造車を排除する運動

掲載日:2015年06月16日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

『不正改造車を排除する運動』の強化月間(6月)が始まった。強化月間に入って最初の土曜日となった6月6日には、奥多摩を始めとする各地で取り締まり(街頭検査~整備命令の発令)が行われた。今回の強化月間中の重点項目として“悪質事案”が例示されており、その中で二輪車の関連するものは『灯火の色が不適切な灯火器及び回転灯等の取付け』と『騒音の増大を招くマフラーの切断・取外し及び基準不適合マフラーの装着』の2項目である。

国土交通省HPの 報道発表資料(平成27年5月29日版) を見ると、期間中(6月)に全国で168回の街頭検査が計画されているとのことで、その他、『不正改造車・黒煙110番』の設置、不正改造実施者に対する立ち入り検査、自動車使用者への啓発などについても書かれており、不正改造車を排除する運動に対する国土交通省の真剣さが感じられる。今回の強化月間に限らず、長く、継続的な運動の展開と、取り締まりのさらなる強化をお願いしたいところである。

今回の『不正改造車を排除する運動』は、騒音規制に関しては、規制の『値』だけ、どんどん厳しくして、あとは知らんぷり…といった感のあった行政側の対応が、ようやく現実的なものに変化していく兆しであろうか。新車の規制値と比べれば、取り締まりの基準値がまだまだ甘すぎる気がしなくはないが、野放し状態に別れを告げる第一歩として、不正改造実施者に対する立ち入り検査の結果と効果をも含め、関連省庁の今後の対応を見守っていきたい。

そもそも、こうした『運動』が行われるようになった理由のひとつに、違法以前に、社会人としての適性を欠くライダーのあまりの多さが挙げられるのではないだろうか。マフラーの改造・交換について、パワーがどうこう、特性がどうこうと、もっともらしいごたくを並べる輩は多いが、結局のところウルサいのがいいんでしょ…としか思えない例が多い。不正改造車の排除が、他人の生存権を脅かす不適格ライダーの排除につながることを期待したい。

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