『バイク乗りの勘所』

オートバイ屋さんに行こう!

掲載日:2013年10月28日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

インターネットなどの通信技術の発達により、情報や商品の流通に変化が生じ、今やネットだけで情報を得、商品を手にすることができるようになった。オートバイの世界も例外ではなく、行きつけのショップを持たないユーザーが増えている。人ごとのように書いているが、私自身、なじみのショップに行く機会が減り、情報収集や部品の購入などのほとんどがネット頼り。タイヤ交換や機械加工など、ウチではできない作業にのみ、知り合いのショップを訪ねる日々が続いている。

こうした変化に合わせ、ブログやSNSを活用して情報発信をするショップも多いが、情報発進に時間を割くほど本業がおろそかになりがちだ。それに、本来、ショップからの情報というのは、商品の案内や業務内容の紹介などが多く、いずれにしてもお客さんに対して来店を促す効果はあっても、とても全貌を伝えきれるものではない。商品購入だけの場合は別として、作業を依頼するのなら、やはり実際に足を運び、目で確かめないと安心できないし、その店の魅力にも気づきにくい。

上に書いたショップ対ユーザー、つまり1対1の関係に加え、ショップに足を運べば、他のお客さんとの出会いがある。ネット上の出会いとは異なり、多くは近所に住んでいる人だから、リアルなおつきあいが始まり、やがていっしょにツーリング…というふうに同好の仲間の輪が広がることも多い。出会いのきっかけはオートバイだったはずなのに、やがて他の趣味や興味に話が広まり、大げさに言うと人生の転機につながることだってある。バーチャルな世界にはない深さである。

つきあいが苦手な人もいるだろうから、ショップ対ユーザーの1対1の関係に話を戻すと、地域に店を構え、それを維持してきたショップというのは、オートバイやパーツについての商品知識に限らず、メンテナンス、セッティング、チューニング、さらにはライテクに至るまで、趣味のレベルでは得られないノウハウの宝庫である。もちろん、中には例外もあるから、見極めは大切だが、見極めるためにも、一度は行ってみないと始まらない。だから、オートバイ屋さんに行こう!

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