『バイク乗りの勘所』

北海道もバイク天国だった

掲載日:2013年06月24日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

前にも書いたように、タイヤメーカー主催イベント(ダンロップ・ツーリングステーション)のアドバイザーとして、年間の全イベントに愛車を連れて参加している。6月15~16日の北海道・札幌芸術の森でも、残念ながら全行程自走ではなかったが、フェリーに愛車を積み、スタッフ宿舎と会場の間を自走した。が、初めて北海道の大地をバイクで走ったとたん、もっと走りたいという衝動を抑えきれず、初日のイベント終了後、夕食までの間、ショートツーリングを企てた。

会場前から国道453号を南に向かい、支笏湖畔を北から西へぐるっと回り、滝笛トンネルを抜け、国道453号と276号の分岐を276号方面へ、そして喜茂別~京極~倶知安と走ったあと国道393号で朝里へ、そこから再び山に入り、道道1号で定山渓を経て国道230号で札幌へ…というルート。圧巻は旧大滝村から朝里にかけての国道276~393号。まさに北海道でしか味わえない広々とした中にも変化に富む景色の中で、緩急織り交ぜ、気ままなソロツーリングを楽しんだ。

土曜日の夕方ということもあり、すれ違ったバイクの数は多く、10台ほどでマスツーリング中のグループとも何度か遭遇した。そして驚くべきに、私がピースサインを出した相手のほぼ全員が何らかのサインを返してくれた。こんな経験は今までにない。道と景色の素晴らしさに加え、行き交うライダーたちとの連帯感。そういえば、翌日のトークショーのゲストとしてお迎えした平 忠彦さんも、北海道に足を踏み入れた途端に気持ちが高揚する…といった話をされていた。

制限速度を守って…などと無粋なことを言うつもりはないが、道内在住のライダーも、内地からツーリングに出かけるみなさんも、安全かつマナーを守った走りで、この素晴らしい、バイク乗りにとってのパラダイス・アイランドを楽しんでいただきたい。私も、かつて列車やクルマで行った道内各地を、もう一度、バイクで走り回りたいと考えている。その土地を味わう…と言った場合の “味わい” は、やはり、バイクでツーリングしたときが最も濃いような気がするからだ。

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