『バイク乗りの勘所』

リターン予備軍の皆さんへ

掲載日:2013年06月10日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

10年とか20年のロングスパンを経て、スポーツバイクのライダーとして復帰するには、まず、相棒となるマシンが必要だ。ここでのマシン選びには、いくつかのパターンがある。幸か不幸か、以前の愛車が手元に眠っていて、それを動けるようにするというのがひとつ。昔憧れたマシン(かつての名車)の中古を探すというのがひとつ。バリバリ今どきのマシンを新車で購入するというのがひとつ。とりあえず、何でもいいから実動車を安く入手するというのがひとつ。

他にもいろんな類型があろうが、上に書いた4パターンが多いのではないかと思う。で、問題は、手元に眠っているマシンの再生を含め、中古車を選ぶ場合である。最初にはっきり言っておきたいのは、結果的に “安物買いの銭失い” になり、新車を買ったほうがうんと安上がりだった…というケースが多々あるということだ。さらに言うと、失うのが “銭” だけならいいが、貴重な時間や労力を再生・修理・整備のために取られ、なかなか乗れない…といった例も珍しくない。

それを善しとするか、あるいは、再生・修理・整備を自分で楽しもうという人は別として、ツーリングやスポーツライディングを楽しみたい人には、できれば新車、または外観は少々ボロくても中身のしっかりした高年式・低走行車をおすすめしたい。新車は予算に合わないから…と中古を探すよりも、予算の範囲内で買える新車に乗ったほうが、得るものが多く失うものは少ない。やはり、バイクは “走ってナンボ” のものである。そして、走りが快調なほど楽しみは大きい。

もうひとつ、乗るのは “そのうち” でいいから、いじって楽しみたいという人には、よほどの自信があり、時間にも資金にも余裕がある場合を除き “不動車に手を出すのは慎重に” と言いたい。これは、走りながら手を加えていける “実動車” とはうまくつきあってこれたが、再生してやろうと意気込んだ “不動車” を何台も途中放棄してしまった私自身の経験に基づくものだ。歴史的価値のある稀少車など “走り” 以外にモチベーションを高める “何か” があれば話は別だが…。

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