『バイク乗りの勘所』

追い越しは迅速かつスマートに

掲載日:2013年03月04日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

今回は、ベテランライダーには釈迦に説法もいいところの、追い越しのテクニックについて…である。初心者にとって追い越しというヤツは、グループでツーリングなどに行くときの一種の関門のようである。遅いクルマに追いついたとき、みんながすいすい追い越していくのに、自分はどうにもうまくいかない…という経験は、だれにも何度かあるのではないだろうか。あるいは、本人に自覚がなくても、初心者の追い越しシーンは、はたから見てヒヤヒヤすることが多い。

ヒヤヒヤの原因は、ほとんど加速不良。シフトダウンができていなかったり、タイミングが遅かったり、スロットルを開けるのが遅かったり、開け方が足りなかったりで、いわゆる“追い越し加速”が不充分なため、追い越しにかかる時間が長く、その間に対向車が近づいてきたり道路状況が変化したりするからだ。それでも何とかなるのは、バイクは車幅が狭いから。最悪、前車と対向車の間をすり抜けることで危険回避できる。だが、それに甘えていると、いつか事故にあう。

では、正しく安全な追い越しとはどのようなものか。まず、当然ながら、対面通行の道路では対向車との間に、追い越しに充分な距離があること。片側2車線以上の場合は、追い越し車線に自分が入る間隔があること。どちらの場合も、うしろから自分を追い越そうとしている車がいないことも確認すべし。そのあとで、加速しつつ進路変更をし、前車の横を通過し、再び進路変更をしてもとの車線に戻り、必要に応じて速度を調整(多くは減速)し終えて追い越しは完了する。

加速の“方法”とともに“タイミング”も研究の余地ありだ。対向車をやりすごしてから加速を始めたのでは間に合わなくても、先に加速状態に入り、対向車とすれ違ってすぐに進路変更すれば間に合うことは多い。これをするには、前車に接近しすぎず、やや引いた位置から隙をうかがう感じがよい。そのほうが前方の見通しもよい。あとは、できるだけ速やかに追い越しを終えること。そして、前車が進路を譲ってくれた場合は、左手を挙げるなどの挨拶も忘れずにしたい。

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