『バイク乗りの勘所』

騒々しい選挙運動は御免である

掲載日:2012年12月03日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

選挙が近づいてきた。12月16日投票の衆議院議員選挙と最高裁判所裁判官国民審査、そして東京では都知事選挙も同日だ。床屋政談が好きで政治に関心が高く、選挙権に限らず権利行使に積極的で、おまけに勝負事が好きときているから、私は必ず投票に行く。残念ながら都知事選には投票できず、地元の選挙区には投票したい候補者が立候補しそうにないが、それでも比例に支持政党名を記入するのは、数年に一度の全国的イベントに参加するような高揚感がある。

そんな選挙好きの私も “あ~、また、あのウルサい選挙運動期間がやってくるのか” と思うと憂鬱になる。スピーカーを設置したクルマで走りながら、候補者の名前を連呼する、いわゆる “街宣” というヤツだ。「○○××でございます。最後のお願いに上がりました。○○××、○○××を、どうぞよろしくお願い申し上げます」とか何とか、あんなことで得票が増えるんだろうかと、いつも不思議に思うのだが、一向になくならないから、効果があるのかもしれない。

なぜか、街宣用には、PA 用などよりもうんと指向性が高いスピーカーを使っている。だから、バイクで信号待ちなどをしているときに、運悪く後ろに街宣車がいたりすると、場所によっては、あの金切り声の直撃を浴びる。そんな目に遭わされたあるとき、ヘルメットの上から両手で両耳を覆うしぐさをしてみた。これは効いた。信号が青になってから、私がうんと遠ざかるまで街宣を中断してくれたのだ。残念ながら出先だったが、この候補者には投票してもいいなと思った。

ウルサい街宣車に向かって「うるせ~! このやろ~!」と怒鳴るのは、ひょっとすると選挙妨害になり、公職選挙法違反になる可能性がなくはないが、両手で両耳を覆う、人差し指を閉じた唇に当てる、ツマミを半時計回りに回すしぐさをする…といった、身ぶりによる意思表示は、決して選挙違反にはならない。だれに投票するか決まっていないときは “静かにしてださい” の意志表示をしたときの相手の対応を観察し、候補者選びの参考にするのも良いかもしれない。

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