『バイク乗りの勘所』

ズボンの裾幅のモンダイ

掲載日:2012年08月20日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

裾幅 19.5cm、ダブル、折り返し幅 3.3cm …。高校時代、アイビーに傾倒していた頃の私の、コッパン(綿パン)の基本寸法である。今、一番気に入っているウールのスラックスでも 21cm、ダブル、3.5cm だから、一貫して細めが好きなのだ。そんなわけで、ジーンズもずっとスリムを履いていた。リターンライダーになった10年前ごろからしばらくの間はリーバイスの 616/626 、その後、股上のフィット感が良いエドウィンの 407 に変えたが、スリムであることに変わりはない。

ところがどうやら、世間では、スリムというのはあまり流行っていないらしい。リーバイスの 616/626 もエドウィンの 407 も、店頭に在庫しているショップは少ない。で、いっとき、やむを得ずストレートを買ったことがある。ウチの娘たちに「なんか変!」と言われるまでもなく、履いた瞬間に自分の足じゃないような気がした。だが、買ってしまったものはしかたがない。渋々それを履いてバイクに乗ってみたところ、最初に気になったのは裾まわりのバタつきである。

夏場は涼しくていいかも…などと呑気に構えていたら、信号待ちで立ちゴケしそうになった。足を下ろそうとしたとき、裾がステップの端に引っかかったのだ。そういえば、昔、キックに失敗して、キックペダルの先がズボンの中に入り、どうすることもできず、奇声を発して見事に立ちゴケしてくれた仲間がいた。みんなで大笑いしたものだが、それと似たような目にあっては大変…と、さっそくネット通販でスリムを探し、ストレートでは乗車しないことにした。

ベルクロで裾を絞って留めるタイプのカッパも、内側にベルクロがあると、なにかのはずみで引っかけやすいので、外側にあったほうがいい。ジップアップのブーツも、たぶん、外側にジッパーがあったほうが各種の動作の妨げにならないと思う。さらに言うなら、バイクに乗るときの靴底の材質・形状やステップ先端部の形状・仕上げなども、足を着かないレース用とは異なり、足つき性の良さに配慮した、ストリート用ならではのスペックを追求してもらいたい。

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