『バイク乗りの勘所』

ピースサイン復活に向けて

掲載日:2012年03月26日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

私がバイクに乗りはじめた30数年前、ツーリングの道中でバイク同士がすれ違うとき、必ずといっていいほど、お互いに挨拶を交わした。ピースサインである。基本はグー・チョキ・パーのチョキ。これを左手でして、ヒジから先を上に上げる。カタチとして、あまりカッコよくないので、時間に余裕があるときは “チョキ” を自分の顔の右側まで持っていったりした。同じ考えのライダーも多かったようで、お互い、そのサインでシンクロしたときは嬉しかった。

ところが、最近、まったくピースサインを見なく&しなくなった。先日も 400km ほど、下道ばかりのツーリングに行き、何台ものバイクとすれ違ったがピースサインは1回もなし。でも、よく見ると、半数近くは、すれ違いざまに頭を下げてくれている。で、そうしてくれた相手には、私も同じことをして返礼するのだが、そのタイミングでは相手に見えたかどうかわからないし、お互い同時に頭を下げれば、その瞬間、互いに相手の動きを見逃してしまう。

右側通行の国だと、すれ違う相手は左側。だから、左手でのサインに、もっと自由度がある。前傾姿勢がキツく、腕を上に上げにくい機種でも、左下45度方向に向けて腕を垂らし、その先で “チョキ” をしていたりする。これがけっこうカッコいい。だが、同じことを左側通行の日本ですると、まったく相手に見えないかもしれず、カッコもあまりよくない。カッコいいサインの見本は、ロードレースのウイニングラン(チェッカー後の1周)で見つかるかもしれない。

で、どんなサインにするかは、みなさんそれぞれの研究・練習・実践にお任せするとして、今シーズンは “すれ違いさまにサインを交わす” を提唱したい。自分がしたのに相手から返礼がなかったときのヤな気分も、5人に1人が返してくれれば解消する。相手も、たぶん同じようなことを考えているはずだから、ヒット率5分の1以下ということはないはずだ。それに、あまりにも無愛想な相手には、心の中で “アカンベー” をしてやればいいのさ。

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