初代から受け継がれる基本理念を昇華させた2017年型ホンダCBR1000RR トピックス

初代から受け継がれる基本理念を昇華させた2017年型ホンダCBR1000RR

掲載日:2017年04月11日 記事カテゴリ フォトTOPICS   

取材・文/和歌山利宏  写真/徳永 茂  取材協力/株式会社ホンダモーターサイクルジャパン

アッパーカウルを24mm、ミドルカウルを18mm狭小化、見るからにスリムになった印象で、スタイリングにタイト&コンパクト感が表現されている。マスの集中化や空力特性も向上している。燃料タンクのニーグリップ部も30mm狭くされ、ライディングポジションの自由度も向上している。

9年ぶりのモデルチェンジとなったCBR1000RRファイヤーブレードは、車体の基本構成こそ従来型から受け継ぐが、全部品の62%が新設計されており、実質的にフルモデルチェンジと言っても過言ではないほどに刷新されている。実際、車両重量は16kgも軽減され、クラス最軽量となる195kgを実現している。

この新型が開発目標としたのは「操る楽しみ」の追求である。初代ファイヤーブレードである1992年型CBR900RRが目指したトータルコントロールを新次元に進化させ、今日的に「操る楽しみ」を高次元化させている。そのため、軽量化はもとよりマスを集中化させているのだ。

最高出力こそ11psアップの192psと、数値的に強力な競合モデルには敵わないが、出力特性を改善し、電子制御スロットルの採用でコントロールラブルな特性を実現。軽量な車体と相まって、競合モデルと同等のパワーウェイトレシオを達成している。

さらに新型で特筆すべきは、電子制御装置の充実である。IMU(慣性計測ユニット)によって、車両の運動状態と姿勢を検知し、制御が加えられる。また、SPモデルには、オーリンズのセミアクティブサスペンションを搭載。車両制御が高次元化されている。

フォトTOPICS(写真点数/12枚)

01基本ディメンジョンを従来型から踏襲するが、2次レシオの違いによりスイングアームは5mm短く、ホイールベースは1,410mmから1,405mmとなった。車輌重量の軽減は車輌周辺部に顕著で、車体の慣性モーメントはヨー軸回りで15%、ロール軸では10%低減されている。

02フレームは形状こそ同じでも300g軽量で、フレーム前部の肉厚やエンジンハンガーの変更で剛性チューンを施し、横剛性を同等に捻り剛性を10%落としている。300g軽量化されたスイングアームは、アクスルを大径化する一方、ピボット軸を小径化。右アーム側面の穴を廃止し、変形を左右対称に近づけている。

03エンジンは高圧縮比化、バルブリフト量アップ、ミッションやクランク軸の強度アップなど多岐に渡る改良が施され、11ps高い出力を750rpm高い13,000rpmで発生する。スリッパークラッチはアシスト力を高め、操作力を17%低減。各ケースカバーはマグネシウム製となった。

04マフラーはチタン製となって280gの軽量化を実現し、マスの集中化にも寄与している。また、内部を2重菅構造とし、排気バルブを設置。バルブ開度をECUで制御することで排圧を最適化、全域での出力特性を改善させている。

05メーターはフルカラーのTFT液晶式で、小振りながらシンプルで見やすい。モードを「USER」とすれば、諸制御の設定を任意選択できる。この場合はパワーモードが2、トラクションコントロールが5、エンブレが2、電子制御サスペンションがマニュアルの2になっている。

06SPモデルの燃料タンクはチタン製で、標準モデルのスチール製よりも1,300g軽い。スチール製と金型を共用しながらも、深絞り成形を実現、従来なら3ピース構造となるところ、2ピース構造を可能とし、溶接部を削減させている。

07SPモデルにはリチウムイオンバッテリーが採用される。標準モデル搭載のバッテリーよりも2,000gも軽量でシート下に設置されるため、軽量化とマスの集中化への効果は大きい。オプションのマウントキットを使用すれば標準モデルにも使用できる。

08SPモデルにはオーリンズのセミアクティブサスペンションが採用される。伸び圧減衰力が走行条件によって変化するオートモードに加え、走行中は固定されるマニュアルモードも選定できる。リアショックはTTX36ECで、コントロールユニットからの電流を受けて伸び圧それぞれのバルブが制御される。

09フロントフォークはNIX30EC。NIXは伸び圧減衰力機構が左右それぞれのフォークで独立しており、右側で伸び側、左側で圧側減衰力を発生するのが特徴である。ニードルバルブを可変とすることでアクティブ制御される。写真は伸び側に多層板バルブを持つ右側フォーク。

10電子制御の設定は、左ハンドルスイッチで行うことができる。MODEボタンで項目を選び、SELボタンのアップまたはダウンで設定を変えることができる。左フォークのトップには、制御用のワイヤーが設けられている。

11SPモデルはアップ/ダウン両方に効くオートシフターが標準装備。ロッドに設けられたセンサーが操作荷重を信号に変換し、車速、エンジンの加減速状態、ギア位置から、燃料の噴射停止タイミング、スロットル開度、点火時期を制御。シフト力に合わせて制御の介入具合を3段階に調整することもできる。

12ハンドリングはCBR600RRを思わせる軽快さと俊敏さで、スポーツ心を高めてくれるとともに、乗り手に負担を強いない。また充実した電子制御装置は、走りを寛容かつ高次元化してくれている。特に公道における日常域への順応度に関し、このCBRを脅かす存在は見当たらない。

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