メッツラーのニュータイヤ『M7RR』登場 フォトTOPICS

写真点数/16枚

取材・文/中村 友彦

写真/石橋 知也

取材協力/ピレリジャパン株式会社(メッツラーウェブサイト)

 

スポルテックの最新作であるM7には、シリーズで始めてRRの文字が使われることとなった。RRはRoadRacing=公道レースの略で、このモデルにはマン島TTやノースウエスト200などで培ったノウハウが投入されている。

グリップ力の高さとハンドリングの軽快さを追求する一方で、M7RRは環境適応能力の高さを重視。路面状況や天候、気温などの変化に関わらず、あらゆる場面でスポーツライディングを楽しむことができる。

M7RRの技術的な特徴は4つ。ひとつ目は外径が大きい新プロファイルを採用したことで(車体がバンクした際の接地面積を増やしただけではなく、サイドウォールも高くなっている)、この形状は自由度の高いハンドリングの実現に加えて、グリップ力と路面追従性の向上にも貢献している。

内部構造材であるカーカスには、綿密度が高く、引っ張り強度に優れるレーヨンを採用して、遠心力によるタイヤの変形を抑制。この構造は高速走行時やブレーキング時、コーナリング時などの安定性に寄与している。

ドライ路面における抜群のグリップ力を確保しながら、ウェット路面での排水性にこだわったグルーブデザインは、昔から公道重視の開発を行ってきたメッツラーならでは。フルバンク時の安定感を重視して、横方向のグルーブは、タイヤのセンターからショルダーへ向かうに従って浅くなる設定だ。

シーランド比とは、タイヤのトレッド面で溝が占める割合のことで、前任のM5と比較すると、M7RRのフロントタイヤのシーランド比は、12.6%から14.7%に上がっている。スポーツタイヤの世界でこれは珍しいことだが、内部構造やコンパウンドの見直しが利いているのだろう、実際にM7RRを体感して、溝の増加よるデメリットは一切感じられなかった。

一方のリアタイヤは、ドライ路面における旋回中の安定感を向上させるため、シーランド比をM5の12.6%から11.1%に下げている(ただし直立状態やバンク初期では、M5より高め=溝が多い設定)。とはいえ、メッツラーによると、水膜のほとんどはフロントタイヤ側で排除できるので、実際のウェット性能はM5より格段に上がっていると言う。

守備範囲の広さを徹底追求したM7RRは、気温や路面状況の変化に左右されることなく、常に安定した能力を発揮できるコンパウンドを新開発。フロントには同社にとって初となる100%シリカ配合コンパウンドを採用。従来のシリカには高温に弱いという弱点があったが、メッツラーは独自のDSM技術で問題を解消している。

一方のリアは3分割コンパウンドを採用。ショルダー部には100%シリカ配合コンパウンドを使用するものの、トレッド面の変形抑制と耐摩耗性を考慮して、センター部とショルダー部の底面には、やや硬めとなる70%シリカ配合コンパウンドを導入している。

10既存のM5と同様、M7RRは1990年代以降に生まれた前後17インチモデルに幅広く対応。主な対応機種はミドルクラス以上のスーパースポーツやスポーツネイキッドだが、メッツラーとしては400ccクラスも視野に入れた開発を行っているようだ。

11M7RRの国内試乗会は、8月末に袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催された。天気は雨のち曇りで、結果的にウェットからハーフウェット、そしてほぼドライと、さまざまなシチュエーションを体感することが出来た。

12試乗会場には国内外のさまざまな車両がスタンバイ。最小排気量車は390デュークで、最大排気量車はCB1300SF。ジャンルとして最も多かったのは、CBR600RR、ZX-10R、GSX-R1000、S1000RRなどのスーパースポーツだが、どんな車両に乗ってもM7RRの素晴らしさは堪能できた。

13技術説明会の前に挨拶を行ったのは、2014年1月からピレリジャパン株式会社の社長に就任したジョバンニ・アンジェロ・ポンツォーニさん。ちなみに現在のメッツラーはピレリグループの一員となっているが、開発はピレリとは異なる方向性で行われている。

14主なターゲットとして開発されただけあって、スーパースポーツとのマッチングは実に良好。ドライ路面のサーキットにおける絶対的なグリップ力なら、同じメッツラーのレーステックに軍配が上がるものの、ウェットやハーフウェットならM7RRのほうが安心感は上だし、刻一刻と状況が変化する公道なら、間違いなくM7RRのほうが楽に、速く走れるだろう。

15ネイキッドとのマッチングにも違和感は皆無。試乗会では写真のCB1300SBに加えて、Z1000やGSR750、NC700Sなどが準備されていたが、いずれの車両でもきっちりM7RRの美点が満喫できた。なおスポーツタイヤとは思えないほど優秀な環境適応能力を備えるM7RRだが、その点と耐摩耗性に関しては、同社のZ8Mも相当にあなどれない実力を持っている。

16メッツラーは日本のタイヤメーカーのように、ミドル以下と以上に分けた製品開発は行っていない。そのことに対して疑問を持つ人もいるようだが…。M7RRを装着した390デュークやCBR400R、グラディウス400などは、いずれも抜群のスポーツ性と安定感を味わわせてくれて、オーバースペック的な雰囲気はまったく感じられなかった。

  • スポルテックの最新作であるM7には、シリーズで始めてRRの文字が使われることとなった。RRはRoadRacing=公道レースの略で、このモデルにはマン島TTやノースウエスト200などで培ったノウハウが投入されている。
  • グリップ力の高さとハンドリングの軽快さを追求する一方で、M7RRは環境適応能力の高さを重視。路面状況や天候、気温などの変化に関わらず、あらゆる場面でスポーツライディングを楽しむことができる。
  • M7RRの技術的な特徴は4つ。ひとつ目は外径が大きい新プロファイルを採用したことで(車体がバンクした際の接地面積を増やしただけではなく、サイドウォールも高くなっている)、この形状は自由度の高いハンドリングの実現に加えて、グリップ力と路面追従性の向上にも貢献している。
  • 内部構造材であるカーカスには、綿密度が高く、引っ張り強度に優れるレーヨンを採用して、遠心力によるタイヤの変形を抑制。この構造は高速走行時やブレーキング時、コーナリング時などの安定性に寄与している。
  • ドライ路面における抜群のグリップ力を確保しながら、ウェット路面での排水性にこだわったグルーブデザインは、昔から公道重視の開発を行ってきたメッツラーならでは。フルバンク時の安定感を重視して、横方向のグルーブは、タイヤのセンターからショルダーへ向かうに従って浅くなる設定だ。
  • シーランド比とは、タイヤのトレッド面で溝が占める割合のことで、前任のM5と比較すると、M7RRのフロントタイヤのシーランド比は、12.6%から14.7%に上がっている。スポーツタイヤの世界でこれは珍しいことだが、内部構造やコンパウンドの見直しが利いているのだろう、実際にM7RRを体感して、溝の増加よるデメリットは一切感じられなかった。
  • 一方のリアタイヤは、ドライ路面における旋回中の安定感を向上させるため、シーランド比をM5の12.6%から11.1%に下げている(ただし直立状態やバンク初期では、M5より高め=溝が多い設定)。とはいえ、メッツラーによると、水膜のほとんどはフロントタイヤ側で排除できるので、実際のウェット性能はM5より格段に上がっていると言う。
  • 守備範囲の広さを徹底追求したM7RRは、気温や路面状況の変化に左右されることなく、常に安定した能力を発揮できるコンパウンドを新開発。フロントには同社にとって初となる100%シリカ配合コンパウンドを採用。従来のシリカには高温に弱いという弱点があったが、メッツラーは独自のDSM技術で問題を解消している。
  • 一方のリアは3分割コンパウンドを採用。ショルダー部には100%シリカ配合コンパウンドを使用するものの、トレッド面の変形抑制と耐摩耗性を考慮して、センター部とショルダー部の底面には、やや硬めとなる70%シリカ配合コンパウンドを導入している。
  • 既存のM5と同様、M7RRは1990年代以降に生まれた前後17インチモデルに幅広く対応。主な対応機種はミドルクラス以上のスーパースポーツやスポーツネイキッドだが、メッツラーとしては400ccクラスも視野に入れた開発を行っているようだ。
  • M7RRの国内試乗会は、8月末に袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催された。天気は雨のち曇りで、結果的にウェットからハーフウェット、そしてほぼドライと、さまざまなシチュエーションを体感することが出来た。
  • 試乗会場には国内外のさまざまな車両がスタンバイ。最小排気量車は390デュークで、最大排気量車はCB1300SF。ジャンルとして最も多かったのは、CBR600RR、ZX-10R、GSX-R1000、S1000RRなどのスーパースポーツだが、どんな車両に乗ってもM7RRの素晴らしさは堪能できた。
  • 技術説明会の前に挨拶を行ったのは、2014年1月からピレリジャパン株式会社の社長に就任したジョバンニ・アンジェロ・ポンツォーニさん。ちなみに現在のメッツラーはピレリグループの一員となっているが、開発はピレリとは異なる方向性で行われている。
  • 主なターゲットとして開発されただけあって、スーパースポーツとのマッチングは実に良好。ドライ路面のサーキットにおける絶対的なグリップ力なら、同じメッツラーのレーステックに軍配が上がるものの、ウェットやハーフウェットならM7RRのほうが安心感は上だし、刻一刻と状況が変化する公道なら、間違いなくM7RRのほうが楽に、速く走れるだろう。
  • ネイキッドとのマッチングにも違和感は皆無。試乗会では写真のCB1300SBに加えて、Z1000やGSR750、NC700Sなどが準備されていたが、いずれの車両でもきっちりM7RRの美点が満喫できた。なおスポーツタイヤとは思えないほど優秀な環境適応能力を備えるM7RRだが、その点と耐摩耗性に関しては、同社のZ8Mも相当にあなどれない実力を持っている。
  • メッツラーは日本のタイヤメーカーのように、ミドル以下と以上に分けた製品開発は行っていない。そのことに対して疑問を持つ人もいるようだが…。M7RRを装着した390デュークやCBR400R、グラディウス400などは、いずれも抜群のスポーツ性と安定感を味わわせてくれて、オーバースペック的な雰囲気はまったく感じられなかった。

公道レースのノウハウを転用して生まれた
オールラウンドスポーツタイヤ

近年のメッツラーが手がけるオンロード用ラジアルタイヤは、サーキットを前提とした“レーステック”、あらゆる場面でスポーツライディングが楽しめる“スポルテック”、ツーリング性能に特化した“ロードテック”の3種に分類できます。9月から日本での販売が始まる『M7RR』はスポルテックシリーズの最新作で、末尾に“RR”の文字が加えられた製品名を知ると、何となくレーシーなイメージを抱く人がいるかもしれませんが…。

 

M7RRの性能は、そんな単純な言葉で語れるものではありません。RRとは“RoadRacing=公道レース”の略で、マン島TTやノースウエスト200などで培ったノウハウを投入したこの製品には、レーステックを思わせる運動性能と、ロードテックに通ずる環境適応能力が備わっているのです。

 

技術的な詳細はフォト解説に記しますが、目まぐるしく状況が変化したサーキット試乗会で、M7RRを装着した車両に乗って最初に驚いたのはウェット路面での安心感でした。その感触は“スポーツタイヤらしからぬ”と言いたくなるほどで、こうなると逆に、スポーツ性に不足を感じそうなものですが、M7RRは冷間時から潤沢な接地感が得られるうえに、あらゆる車両のハンドリングを軽快にしてくれるので、乗り手はむしろ“これはイケる”という気持ちになり、積極的にスポーツライディングを楽しみたくなります。そして実際にアグレッシブなスポーツライディングを楽しんだときの応答性も見事で、ドライ路面でのグリップ力も必要にして十二分以上。既存のM5と比較すると、守備範囲を大きく広げたM7RRの登場によって、今後のスポーツタイヤの概念は変わっていくのかもしれません。

スポルテックの最新作であるM7には、シリーズで始めてRRの文字が使われることとなった。RRはRoadRacing=公道レースの略で、このモデルにはマン島TTやノースウエスト200などで培ったノウハウが投入されている。
グリップ力の高さとハンドリングの軽快さを追求する一方で、M7RRは環境適応能力の高さを重視。路面状況や天候、気温などの変化に関わらず、あらゆる場面でスポーツライディングを楽しむことができる。
M7RRの技術的な特徴は4つ。ひとつ目は外径が大きい新プロファイルを採用したことで(車体がバンクした際の接地面積を増やしただけではなく、サイドウォールも高くなっている)、この形状は自由度の高いハンドリングの実現に加えて、グリップ力と路面追従性の向上にも貢献している。
内部構造材であるカーカスには、綿密度が高く、引っ張り強度に優れるレーヨンを採用して、遠心力によるタイヤの変形を抑制。この構造は高速走行時やブレーキング時、コーナリング時などの安定性に寄与している。
ドライ路面における抜群のグリップ力を確保しながら、ウェット路面での排水性にこだわったグルーブデザインは、昔から公道重視の開発を行ってきたメッツラーならでは。フルバンク時の安定感を重視して、横方向のグルーブは、タイヤのセンターからショルダーへ向かうに従って浅くなる設定だ。
シーランド比とは、タイヤのトレッド面で溝が占める割合のことで、前任のM5と比較すると、M7RRのフロントタイヤのシーランド比は、12.6%から14.7%に上がっている。スポーツタイヤの世界でこれは珍しいことだが、内部構造やコンパウンドの見直しが利いているのだろう、実際にM7RRを体感して、溝の増加よるデメリットは一切感じられなかった。
一方のリアタイヤは、ドライ路面における旋回中の安定感を向上させるため、シーランド比をM5の12.6%から11.1%に下げている(ただし直立状態やバンク初期では、M5より高め=溝が多い設定)。とはいえ、メッツラーによると、水膜のほとんどはフロントタイヤ側で排除できるので、実際のウェット性能はM5より格段に上がっていると言う。
守備範囲の広さを徹底追求したM7RRは、気温や路面状況の変化に左右されることなく、常に安定した能力を発揮できるコンパウンドを新開発。フロントには同社にとって初となる100%シリカ配合コンパウンドを採用。従来のシリカには高温に弱いという弱点があったが、メッツラーは独自のDSM技術で問題を解消している。
一方のリアは3分割コンパウンドを採用。ショルダー部には100%シリカ配合コンパウンドを使用するものの、トレッド面の変形抑制と耐摩耗性を考慮して、センター部とショルダー部の底面には、やや硬めとなる70%シリカ配合コンパウンドを導入している。
既存のM5と同様、M7RRは1990年代以降に生まれた前後17インチモデルに幅広く対応。主な対応機種はミドルクラス以上のスーパースポーツやスポーツネイキッドだが、メッツラーとしては400ccクラスも視野に入れた開発を行っているようだ。
M7RRの国内試乗会は、8月末に袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催された。天気は雨のち曇りで、結果的にウェットからハーフウェット、そしてほぼドライと、さまざまなシチュエーションを体感することが出来た。
試乗会場には国内外のさまざまな車両がスタンバイ。最小排気量車は390デュークで、最大排気量車はCB1300SF。ジャンルとして最も多かったのは、CBR600RR、ZX-10R、GSX-R1000、S1000RRなどのスーパースポーツだが、どんな車両に乗ってもM7RRの素晴らしさは堪能できた。
技術説明会の前に挨拶を行ったのは、2014年1月からピレリジャパン株式会社の社長に就任したジョバンニ・アンジェロ・ポンツォーニさん。ちなみに現在のメッツラーはピレリグループの一員となっているが、開発はピレリとは異なる方向性で行われている。
主なターゲットとして開発されただけあって、スーパースポーツとのマッチングは実に良好。ドライ路面のサーキットにおける絶対的なグリップ力なら、同じメッツラーのレーステックに軍配が上がるものの、ウェットやハーフウェットならM7RRのほうが安心感は上だし、刻一刻と状況が変化する公道なら、間違いなくM7RRのほうが楽に、速く走れるだろう。
ネイキッドとのマッチングにも違和感は皆無。試乗会では写真のCB1300SBに加えて、Z1000やGSR750、NC700Sなどが準備されていたが、いずれの車両でもきっちりM7RRの美点が満喫できた。なおスポーツタイヤとは思えないほど優秀な環境適応能力を備えるM7RRだが、その点と耐摩耗性に関しては、同社のZ8Mも相当にあなどれない実力を持っている。
メッツラーは日本のタイヤメーカーのように、ミドル以下と以上に分けた製品開発は行っていない。そのことに対して疑問を持つ人もいるようだが…。M7RRを装着した390デュークやCBR400R、グラディウス400などは、いずれも抜群のスポーツ性と安定感を味わわせてくれて、オーバースペック的な雰囲気はまったく感じられなかった。

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